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一日の最後に最も輝く瞬間
体が重く感じる仕事帰り
空があまりにも美しくて
空をさえぎるものがないところ
空全体がよく見えるところ
あの小高い丘へ行こうと決めた
強風が自転車のペダルを重くする
強風にあおられてふらふらする
疲れた体に負担がかかるけど
そんなことは何の苦でもない
ただ空を見たい気持ちしかない
夕陽は辺りを暗くする前に
輝きを増す瞬間がある
急げば間に合う
最も美しい瞬間に
太陽が小さくなっていき
次第に黄金色の光を放ちだす
見つめていられないほどの眩い光
光線が長く伸びて辺りを明るくした後
輝きは瞬く間に闇の世界へと姿を消す
この最高の輝きの瞬間に立ち会えた
一日の終わりにかみしめる充足感
軽く感じるペダルをこぐ帰り道
人生と同じようだと思った
見たい気持ちが強ければ
つらいことも苦とは感じない
あそこにたどりつくんだと強く願えば
その道のりに苦痛を感じるものはない
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