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放った言葉は取り返せない

人間関係の苦労はどこにでも誰にでもある。意見の食い違いもさることながら、相手の言い方が気に食わない、相手の対応が納得できないなど、次第にうっ憤がたまっていき、ある日爆発しそうになることがいままで多々あった。

相手が間違っている時は指摘する、自分の意見を堂々と言う、それが勇気があり正しいことなのだと思っていたのは若気の至り。相手と論争になった時、とっさにうまい言葉がでなくて悔しい思いをし、その夜、なんとか相手を打ち負かす言い方を考えたりすることもあった。

翌日「今日こそ言ってやる!」と意気込んでいたものの、忙しくて話す機会がないまま血気が冷めていった。後から考えると、神様がストップをかけてくれたのだと思った。相手を打ち負かすための言葉は刃でしかない。人間関係を破壊するだけでなんの得にもならない。
それがわかったのは、刃の言葉を放って相手を傷つけ、自分も傷つき、気まずくなったという経験をしてきたから。

いまでは、理不尽なこと、不愉快なことを言われた時、すぐに言い返しそうになる衝動をまずはおさえる。自分の意見を聞く耳を持つ相手か、言うことで何か改善するかを考えてみる。少なくても時間をおくことで、感情的な反撃になることは避けられる。なによりも「あんなこと言わなければよかった」といつまでも後悔することは避けられる。
言ってしまったことの後悔はあとあと残る。言わなくてよかったとホッとする方が気持ちがよい。


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ポエミスト朱見
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