鳥の鳴き声をきくと
ツツピーツツピーツツピーツツピー。
自転車で信号待ちをしていて、ふと上のほうで飛び交う音が耳に入る。
瞬間的に、わたしは思う。
“あ、シジュウカラ“。
*
べつにとりたてて動物好きでもない自分が、反射的に鳥の鳴き声を判別してしまうのは高校時代のせいだ。
高校のときの理科教師は、ずばぬけて変――もとい、突き抜けて個性的なひとが多かった。
中でもわたしが1年のときに生物を教わったA先生は、風貌からして印象的であった。背が高くシュッとしていて、日焼けした黒っぽい顔に、ばさりと羽織った白衣。そのコントラストとそびえるような立ち様には迫力があった。
さらにいうと、生徒を引き連れて野鳥や野草の観察に外へ出かけるときは「白衣に竹籠を背負う」のが、A先生の定番スタイルだったのだ。
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