”キッチン母”のデリバリー
部屋に入ったら、机の上にタッパーがひとつ置かれていた。
近寄ってみると、おべんとう大のタッパーの、端から3分の1ほどまでは大きな保冷剤の上にのせてある。そして残りの3分の2は、保冷剤にのせてある部分と水平を保つために、紙袋で高さが調節してあった。
「……?」
タッパーは半透明の素材で、中身が見えそうで見えなさそうで、やっぱりちょっと見える。そんなタッパーの中身に「じっ」と目をこらし、このわざとらしい保冷剤の配置に込められた意図を推察するわたし。
ううむ、なるほど。
おそらくつまり、このおべんとうの3分の1は、冷やしておきたい生野菜などのおかずであり、残りの3分の2は炒めものやごはんという、温め直せなくても常温でおいしいもの、という区分けになっているのだろう。
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<※2020年7月末で廃刊予定です。月末までは更新継続中!>熱くも冷たくもない常温の日常エッセイを書いています。気持ちが疲れているときにも…
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