深夜スマホと菩薩の寝顔

真夜中に突然目が覚める。

娘を寝かしつけながら、どうやら自分もすっかり眠ってしまっていたようだ。ふと隣を見ると娘がいない。ぐるりと目をまわすと、娘は布団を豪快にはみだし、体を半分床の上に投げだしてくうくうと眠っていた。

よいしょと起きて、娘を抱っこ。定位置にもどす。

そんな重量挙げ運動をしてしまったからか、わたしはなんだか意識がはっきりしてしまう。

いやいや、でもこのまま横になっておとなしく目をつむれば、じきに再び眠ることができるだろう。そうだよ、こんな時間に、暗闇でブルーライトの刺激なんて浴びたら眠れなくなるんだから。わかっているでしょう。間違ってもスマートフォンなんてひらいてはいけないよ。

そう思っているのに、「いま何時か見るだけ、いま何時か見るだけ」と心の中で言いわけしながら、枕元のスマートフォンを手にとってしまう。

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<※2020年7月末で廃刊予定です。月末までは更新継続中!>熱くも冷たくもない常温の日常エッセイを書いています。気持ちが疲れているときにも…

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