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『3カ国で得た三つ子の魂』 てくてく通信+🎈 #61

こんにちは、英会話Oneのただともこです。読む瞑想マガジンへようこそ。
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あなたの毎日の底に静かで気持ちのいい音楽が流れますように。


三つ子の魂

仙台はだんだんと日差しが春らしくなってきました。私は冬の間の柔らかな光が好きです。この時期の野生がよみがえるような激しい自然の変化は私をどきどきさせます。ちょっと落ち着かない雰囲気がします。皆さんはどうですか?

さて、今日は、アメリカとノルウェーの思い出の話。

私はアメリカとノルウェーに1年ずつ行って、とてもたくさんのことを学んできました。日本から出ると、「これが常識だ」と思っていたことが、ひっくり返されるので、とても面白いです。そして、それでもなおかつ、人間としてこれは基本ラインだから守るよという部分も出てくるので、それについて学ぶこともとても面白いです。

最初に14歳でアメリカに行って帰ってきて、何に吃驚したかというと、私は中学2年生をほとんど日本で出席しないまま過ごしたのですが、いきなり、3年生に何の問題もなくなれたことでした。勉強は、アメリカで学んでいた数学が進んでいたので、数学は追いついていたし、国語は代わり映えしなかったし、英語は全然できるようになっていたので苦労しなくて、必要なのは社会と理科の復習だけでした。でもそんな技術的なことより、驚いたのは、登校時に制服の丈を測るような厳しい学校だったのに、1年行かなくても何の問題もなく、普通に3年生になれてしまう制度でした。

なんだ、学校って行かなくてもいいんじゃないと思いました。当時は、今みたいに不登校が許容されていなかった時代なので、学校に行くのは絶対という雰囲気がありました。だから、その対応に、私は素直にびっくりしたのを覚えています。ちなみにアメリカについたのが4月で、家が決まったのが5月だったので、もうすぐ終業式だから、9月から学校に来ればいいよと言われて、私たち兄弟は、サマースクールが始まるまで、どこにも行かなくてもよくなりました。これも吃驚でした。学校に行くというのは、権利なのですね。

日本に帰った年、理科と社会は朝7時に登校して、自分で予習をして回復しました。一人で学習する時間が楽しかったです。その年、学校の英語の先生は時々間違ったことを言うし、朝自習の時間に隠れて英語の本を読んでいたら、見つけた先生が一緒に面白がってくれたり、これまでとは違った、「学校」の一面が見えてきました。それはとても面白いものでした。先生たちは一人の人間として、私の経験してきたことを面白がってくれました。

でも、私の内側ではたくさんの思いが、すれ違っていました。制服がないアメリカの学校での思い出、学校主催でするパーティーのこと、銃を学校に持ってくる生徒がいたこと、そして、そのために学校が早く閉鎖になったこと、勉強ができる子供は早く上の学年に進めること、手を挙げて発言して自分の意見を言うと褒められること、そういったすべてのことがとても懐かしく、私はアメリカに帰りたかったです。

もちろん日本の良いところもたくさんあったのだと思いますが、帰国して感じた再カルチャーショック(他の国の文化を体験してきて、帰国するときに、二重の価値観をもって世界を見るために、日本の文化に違和感を覚える体験)はとても大きかったです。それを私は家族と話し合うことができなかったので、ひたすら自分の中で消化する方法を考えていました。そして、それは消化しきれず、解決の方法がまた外国へ行くこととなって、17歳でノルウェーに行くことになったのです。

転んでもただでは起きないのが、私の特徴で、アメリカはもう行ったことがあるから、アメリカをさらに客観的に見たいと思って、アメリカ以外の国を選ぼうと思いました。タイに行きたかったのですが、両親がアジアに反対したため、ヨーロッパを選びました。そして、あまり深く考えずに選んだのがノルウェーでした。

高校生留学団体を通じて、ノルウェーに日本人5人でついた日のことをまだよく覚えています。17歳の思春期、とても多感な時期に、5人で単独で飛行機に乗せられ、オスロまでついた私たちは、とてもモダンな小学校に連れていかれました。そして、寝袋を渡されて、5人とも一緒の部屋に泊まるように指示されました。男の子が一人入っていたのに、全く気にも留めないようでした。ちょっとびっくりしながらも、当たり前に、私たちは小学校のクラスルームに泊まりました。後から学んだのですが、ノルウェーでは、男女が同じ部屋に泊まるというのはとても普通のことです。軍隊も男女混合でできていて、泊まる部屋は男女でシェアします。男女の違いよりも、人間の違いをより大事にするのがノルウェー流なのです。

それだけでも、全然アメリカとは違います。アメリカは男女混合の部屋に泊まるなんて、トラブルのもとだ!と考える文化です。そんなノルウェー人にとっては些細なことがすでに私たちに多大な影響を与えていました。

かくして、ノルウェーから帰国した時、私の中には、3重の文化体験が重なっていました。これで、世界を放浪するのはとても簡単になりました。でも、私の中の何かが、「ここで日本にとどまって根を持たないと大変なことになる」と告げていました。私は、多くの高校で留学した人がするように大学生で留学することをしないで、芸術という新たな選択肢を自分の中に取り入れ、じっくり、自分と向き合う時間を取ることに決めました。それは、アメリカやノルウェーに実際に行くという行動をとるより、ずっと地道でめんどくさい作業でした。

今、両方の国に行って、30年ほど経って、私は両方の国と日本のいいところを採用して生活しています。アメリカの出る杭は褒められる文化を私は私の中で採用して、進んでしたいことをします。ノルウェーの仕事も生活も同じように大切にする文化を大事にして、休みの日もまた、大事に過ごせるように工夫します。それらすべてがうまくいくように、自営業を営んでいます。私が、私自身にこれらのことをやっていいよと納得してゴーサインを出しているので、他の人がいろんな意見を言っても、自分自身がぶれることがありません。そして、できれば、この楽しい価値観をほかの人も楽しんでくれたらいいと思うので、静かに、自分の周りに生活を楽しんだり、積極的に自分の意見を言ったりする文化を伝播しています。地道なエバンジェリストです。

私はそれができることをとても嬉しく思っています。私の中にある多様な選択肢が、私の教室に来たり、友達であったり、家族であったりする人たちに、より豊かな選択肢を提供できると思うからです。それは、様々な文化の中で真に自分を大事にして生活する方法を表してくれると思うからです。

そして、アメリカやノルウェーの友達や家族と接するとき、私は日本の文化のささやかな選択肢を提供しています。それが彼らの選択肢をちょっとだけ緩めて広げると思うからです。

私は、三つの国の文化を持つことをとても誇りに思っています。そのどの文化も否定しないで、自分の中で共存させて生きる術を探して編み出したことをとても嬉しく思っています。どの国にも、いいところと悪いところがあります。それなら、日本の中で、その一番いいところを取りながら、生きていく術を探したらいいじゃないかと、この30年の中で思ったのです。そうやって融合された文化はより強度の強い安全ネットとして、私の生活を支えています。私は皆さんが海外文化を体験した時、この境地までいつかたどり着けるといいなと思って、皆さんに接しています。それが1週間の海外旅行でも、1年間の留学でも、同じです。たくさんの考える地道なプロセスを経て、自分の力になった海外体験は必ず、自分を、そして、周りの人を助ける有意義な

選択肢となって、生きてくるからです。

それを、私は小さな希望として、今の仕事をしています。英語を学ぶとき、皆さんが一緒に海外体験をしてくれるといいなと思います。そして、Oneに来ているときはいつもより少し自由な場所に接することができたと思ってもらえるといいなと私は思っています。皆さんの海外体験はどんなですか?どんな再カルチャーショックを受けましたか?ぜひ教室で、掲示板で、お話ししてください。


ちょっとしたおすすめ

Netflix
私はお休みの日に家にこもるのが好きです。
家の中を整え、
おいしいものを作り、
ぼーっとしながら、映画やドラマを見ているのが好きです。
たくさんやることがあって、
とても落ち着いて、
気持ちがいいなと思います。
時々は、長風呂もします。
そんなとき、アマゾンプライムとNetflixは役に立ちます。
たくさんの世界中の映画とドラマを現地の言葉で体験することができます。
特にNetflixは、英語のドラマ・映画に英語の字幕を付けることができます。
日本語のドラマ・映画に日本語の字幕を付けることもできます。
これがものすごくいい英語の勉強になるのです。
Netflixには、普通テレビドラマでは出てこない種類の
口語や難しい言葉のドラマやドキュメンタリーがたくさんあります。
テレビみたいに全員が理解できるようにではなく、
必要な人が楽しめるように作られているからなのですね。
お休みが長く続いた時、
家の中を楽しみたいとき、
自分の時間を充実させたいとき、
上手にNetflixやアマゾンプライムが使えるといいです。
あなたの好きな番組は何ですか?
ぜひ教室でお話しください。
私は今は、Grace and Frankieです。


編集後記

世界は新世紀のウィルスの危機に立っています。こんな時、それぞれの国、それぞれの人の特徴がよくあらわれて、勉強になります。私はまだ、不安定なところがあって、自営業なので、時々不安に駆られて緊張します。でも、とても幸いなことに現在のところお一人のキャンセルも、オンラインレッスンも、出ないまま続けてこられています。皆さんとの間に信頼を築いてきたのだということが、とてもよくわかる結果になりました。本当にありがとうございます。やっている甲斐があるというものです。嬉しいです。引き続き気を付けて過ごしましょう。

(初出:2020.3.14)



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#異文化交流 #自分コミュニケーション #文化 #カルチャーショック #日本 #アメリカ #ノルウェー

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