#19 〖こんな生き方もある、という先行事例をつくる。。〗
第19回目は、『蒲生智会』さんから紹介いただいた『豊田陽介』さんにお話を伺いました!
「自分自身が後悔のない人生」「家族との時間を大切に」「利他的に良い影響を与える」という3つを同時に叶える方法に、真正面から向き合って、まさにいまチャレンジされている方でした。
もちろん、すべてが思い通りいくこともなくて、きっと豊田さんご自身もそういう場面にこれまでも・これからも直面するのだと思います。けれど、きっとこの方は、自分に素直で・真正面から問題に向き合って、納得のいくチャレンジの形を模索し・トライしながら、叶えたいことを実現していくんだろうなと、短いインタビューの中で感じました。
「こういう生き方って憧れるな」だけではなくて、きちんと叶えていける人・その生き方を応援する人が、増えていく世の中になればいいなと思います。
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Q1.今、どのようなチャレンジをしていますか?
「こんな生き方もあるよね、っていう先行事例を作るぞ!」っていうチャレンジをしています。
『こんな生き方もあるよ』っていうのは、もともとハウス食品という一部上場の大手食品メーカーでバリバリ働いて、それこそ24時間仕事が第一でずっと働いていました。けれど、いろんな経緯があって、『家族との時間を大事にしたい』なと思うようになりまして、いまは家族との時間をしっかり確保するということを第一に置いて、そのためにどんな働き方をしたらいいだろうかとなって、環境と仕事を選んだという形になっています。
『家族との時間を大事にする』ということで選んだ道が、地方 = 自然豊かな所で、自分の好きなカレーを、無理をせずに家族との時間を確保することを優先して、カレー屋をやる。というようなことをやっているんです。
働くというのはいろいろな働き方があるんですけれど、大企業でバンバン働くというのもひとつでしょうし、ベンチャーとか入って社会に貢献するというのもひとつ。ぼくの場合は『家族との時間を大事に』しながら、自分のできる範囲の中で、笑顔を届けるということをやると。そんな生き方もあっていいんじゃないかなって、思っています。
「こういう生き方をしてもいいんだよ」「そんな生き方もあるんだよ」っていう事例を、自分自身の家族を通じて、皆さんにお示しできたらいいなというのが、いまぼくがやっているチャレンジだと思っています。
Q2.今チャレンジしていることがどのような未来をつくっていきますか?
ぼくが心地よく、家族みんなと仲良く暮らしていく生き方を見て、Iターン起業する人・家族との時間を大事にする生き方、っていうのが産み出せるような未来をつくれたらいい。
まずは、ぼく自身が心地よく人生を終えたいっていうのがあって、死ぬときに後悔がないように死にたいなって。ぼく自身にとっても、すごく心地よい未来をつくるっていうのがいちばん上にくるのかもしれないです。
ということをやりながら、家族が好きなので、家族みんなが仲良く暮らしていく、ということがついてくる未来がつくれたらいいなっていうのがあります。
対外的・利他的にということであれば、ぼくのカレーを通じて皆さんが「おいしい、おいしい!」って言って、エネルギーをチャージしてまたがんばってもらえる、ということがカレー屋をやっているわかりやすい意義ではあるので、それがまずひとつあります。
繰り返しにはなるのですが、ぼくみたいな生き方を見て、「あーなるほどな、そういう生き方もあるんだね」ということで、Iターンして起業するような人・家族との時間を大事にする生き方をする人、っていうのが産み出せるような未来をつくれたらいいなという風に思います。
利己的なところ・利他的なところ、両方で未来を描けていけたらいいなと思っています。
(オフトーク:クラウドファインディング内で記載があった短期移住のきっかけって?)
育休を1年も取っていたので、「せっかくだから、この1年で出来ることってなんだろうね」っていうウイッシュリストみたいなものを書き出したんですね。その中のひとつで、「長期で何かできるよね」って。
どこか1ヶ月くらいプラっと海外旅行みたいなのもありだけど、旅行行ってもお金かかるし、なにせ育休中あんまりお金もないしって。じゃあ、「ほかに何があるかな」って考えたときに、妻が「じゃあ、わたし農家やってみたい」っていうのがあったんですよね。
「農家イイね」と、そしたら農家ができるところで、なんなら自然豊かなところで、「家族マルッと1ヶ月くらい短期移住できないかな」ってリゾートバイトみたいな感じですかね。農家さんって夏が忙しいので、1ヶ月くらい働いてくれるっていうのも、農家にとってもメリットがある中で、「移住してみるか」という流れになりました。
(おふたりの地元は、地方の生まれだったんですか?)
ぼくが育ったのは千葉県が長くて、妻は神奈川県の藤沢市というところで、ふたりとも首都圏でしか育ったことがないというか、他のエリアには1度も行ったことがないくらい。
どうせなら「農家も体験したい」ということで、たまたま長野県佐久穂町に妻の友人がいて、その友人が「佐久穂町は自然が豊かだし、人もいいし、イイよ」とご紹介いただいて、町役場に「農家で1ヶ月くらい修行できないですかね」って問い合わせをしたら、ある農家さんを紹介してくれて、1ヶ月くらい住むような場所も役場の方であてがってくれて、そんな形でご縁がこの町で生まれたという感じですね。
(↑↑豊田さんが実施されていたクラウドファンディング)
(オフトーク:オープンしてからの反響は?)
反響は、ありがたいことに想定を大いに上回っています。
人口が1万人くらいしかない小さな町なんですね。そして、超高齢化が進んでいるような町なので、「こんなところでカレー屋をひらいて、どれだけ人が来るのかな」という不安がありました。
客席が10席くらいしかなくて、ランチしかやらないんですけれど、当初描いていたのは「ランチ帯で、2回転したらいいかな」と、1日20人くらい来てくれたらいいな、あわよくば30人来てくれたらハッピーって思っていたんですが、ほぼ平均40ー50人毎日来てくれているので、この地域で毎日それだけ人が来るというのは超ビッグヒット!なんだろうな、というのがあります。
(すごいですね。)
いやほんとうにありがたいことです。嬉しい悲鳴です。
(佐久穂町以外からも来てくれる人がいるんですか?)
そうですね。長野県ならではなのかもしれないですけれど、1時間くらい車を走らせてどこかに行くというのが日常的に起こりうることらしくて、都心と違って電車が全然なくて、みんな車を移動手段として持っていて、車でどこかに出かけるという慣習があるので、佐久穂町周辺のいろんな町からもお客さまには来ていただいているようです。
Q3.二十歳に戻れたら、その未来に向かって何をしますか?
いろんな人との出会いを求めて、動き回っているかなと思いますね。
ぼく自身がこうやって自分の人生を1歩踏み出せたのも、ほんとうに人との出会いのご縁が積み重なってこそ、という実体験を持っていることもありまして。出会いの数、出会いの質はものすごく重要で、不思議なものでご縁というのは巡るもので、「そこがつながりますか!」「そんな助け舟出ちゃいますか!」とかがほんとうにいっぱいある。
なので、そういうご縁を信じて、いろいろな人に会うことだったり、いろいろなところに出かけていくだとか、そういうことは20歳に戻ったら今以上にやるのかな、とは思いますね。
(国内とどまらず、海外も含みますか?)
海外はあまりイメージがなくて、グローバル志向が自分自身あまりないということもあるのですが、国内を中心にいろいろな人と会うかもしれないですね。
(オフトーク:なぜカレーと出会ったのか?)
久しぶりにこのエピソードを話すんですけど(笑)
ハウス食品にもともとは勤めていたんです。なぜ、ハウス食品に入ったのかなんですが、きっかけは、学生の頃にバックパッカーで南米をプラプラしていたことがあって、2ヶ月くらいヒッチハイクを含めた旅をしていました。そのときに、現地メシをいっぱい食べて、「ローカル飯、最高!」って思いながら、ローカルマーケットでおいしいものを食べて過ごしていたんですね。
その中で、カレーを出すローカルマーケットがあったんですよ。そこで食べたカレーがめちゃくちゃ旨くて。「このカレーはなんだ?どうやって作ったんだ?」って、現地の人に聞いて、出てきたのが “ククレカレー” というレトルトカレーだったんですよ。ククレカレーってハウス食品が作ってるんですね、海外にもレトルトカレーを出しているので。なんてことないっていうと怒られちゃうんですけど(笑)、野菜が入ったよくあるジャパニーズカレーだったんです。
かれこれ長旅をしている中で、自分の舌が感動的に美味しいと思うものが、馴染み深いカレーだった、っていうのがすごく衝撃的で。もともとカレーが好きだっていうのもあるんですけれど、「こんなカレーが世界に広まったら楽しいだろうな」っていうので、ハウス食品の門を叩いたんですよ。
カレーが好きで、ハウス食品にご縁をいただいて入ってからは、スパイスマスターという役割を担うようになりまして、スパイスの知識を仕事としてもつけなきゃいけないというのもありましたし、つけた知識をそのままにするのではなくて、まわりの人にもお伝えするというのを趣味半分・仕事半分でやっていて、その中で自己研鑽もしていって、気づいたらカレーが好きで・カレーが作れるようになっていて、「カレー屋やるぞ」ってところまでたどり着いていました。
というのが、カレーとの出会いです。
Q4.(ご紹介してくださる)素敵な人を教えてください。
ぼくの周りは素敵な人しかいないので、誰を紹介すればいいのかっていう悩みがあるんですけれど。
まっちゃん、っていう素敵な女性がいるんです。釜石っていう地名は聞いたことありますか?そこで、地域おこし協力隊みたいないことをやりながら、その地方にしかない幻の柿を絶やすことなく、次の世代につなげていくという活動をしている素敵な女性がいます。
その方がとても素敵な方なので、その方を紹介してみたいと思います。
(オフトーク:佐久エリアの魅力とは?)
自然の豊かさと、首都圏へのアクセスの良さを、両方兼ね備えている所。自然が豊かというのはたくさんあると思うんだけれども、その中でも特に災害が少ない土地と言われています。晴天率も日本で有数の晴天率をほこり、長野って山が多く盆地ばかりで夏めちゃくちゃ暑いのですが、佐久エリアは風が抜けるんですよ。
そういうこともあって、山はある・川もある・空気はうまい・野菜はうまい・晴れは多い・星空キレイだし、長野の中であまり閉鎖的ではないというので、よそ者に対してもハードルの高さというのもない。
なので、ぼくも含めて移住組はけっこう多いですね。たまたま、うちなんかは子どもが小学校に通うというのがあって知っているんですけれど、小学校狙いで来る移住者も多くて。
とても良いですよ。住んでみた実感としてもとても良い。
(行政からのサポートも厚い?)
ぼくの場合は佐久穂町で、佐久市と佐久穂町は行政対応は別なんですけれど、すごく小さな町ながら、小さな町の割にはすごくがんばっているなという印象がすごくあって、町がやっているホームページとか1万人くらいの規模の町を比べると一目瞭然だと思うのですが、佐久穂町のホームページってわかりやすくて・見やすいんですよ。
そういうのをひとつとっても、情報発信に力を入れているなと感じますね。なので、支援もすごくしてくれますね。
もし、佐久穂町に移住したいというお友達がいましたら、ぼくのことを紹介いただいても全然かまわないですし、佐久穂町の移住担当者もお友達なので、その方を紹介することもできますし、せっかくのご縁なのでご縁を大事にしていただければと思います。
(インタビュー風景:左上が豊田さん)
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豊田陽介さんインタビューありがとうございました!
インタビューを受けて、IG-FARMメンバーの感想です。
(ishihara)
『絵に描いたような幸せな家族』そんな印象を持ちました。まず大手企業から地方で自営業に踏み切ったことがすごい決断だなと思いますし、しかも豊田さんも奥様も都市近郊の生まれ育ちで、短期移住したとはいえ、地方で生活をすると決めたことも、中々簡単に出来ることではないかなと思うんですよね。でも今回は佐久穂町の方々とのご縁が背中を押したのかなと感じていて、改めて人との繋がりの大切さとか、強さを感じました。私もそういう生活に憧れてしまいます。それぐらいキラキラしてて楽しそうだなと豊田さんからすごく感じました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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豊田陽介(2020/8/12)
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