#18 〖諦めずに"想い"を持てば、縁が回ってくる。〗
みなさん、こんにちは!
IG-FARMのインタビュー企画 第18回目は、『新家多恵子』さんにお話を伺いました。新家さんは、今年の4月から市役所に在籍しながら、国際協力を行う国の関係機関で現在お仕事をされております。新家さんがどのような経緯で現在に至るのか、今どんなチャレンジをされているのか、早速お話を覗いてみましょう!
Q1. 今、どのようなチャレンジをしていますか?
私は市役所に勤める地方公務員なのですが、今年度から市役所に在籍したまま国際協力関係の機関に赴任し、新しい仕事、新しい環境、新しい人間関係に身を置いております。
また、この企画にご紹介いただいた義平さんとは社会人大学院生の同級生で、私は今年度から同じ大学院の博士課程後期課程に進学しました。学術研究(勉強)でも新しい分野に挑戦しているので、どう両立していこうかと考えていたところです。
(これまでとは)全く違う種類の仕事や研究をする中で、色んな方から「一緒にこんなことやってみない?」とか、そんなご提案をしていただくこともあり、色々な可能性を感じながら、毎日チャレンジしています。
- 国際協力関係の機関では、主にどのような活動をされているのですか?(石原)
主に日本と開発途上国の架け橋となるべく、自治体やNGO/NPO、民間企業、大学等と連携した国際協力事業や開発途上国・国際協力への理解促進のための教育や人材育成支援などを行っている機関です。
- 海外の方とコミュニケーションを図ることもありますか?(石原)
私が赴任する前から新型コロナウィルス感染症による影響が出ており、例年と異なり事務所も静かです。通常であれば、海外から来日される方々などと日頃からコミュニケーションをとる機会も多いようです。
Q2. いまチャレンジしていることがどのような未来を作っていきますか?
時間を経るごとに、新しい知識が増えたり、知らなかった人と知り合いになれたりするので、幸いにもいつも今が一番楽しいと思ってやってこれています。なので、「これから先もっと楽しくなればいいのにな」と思っています。逆に、「あれやりたかったのに出来なかったな」と後で後悔するのは嫌なので、出来ればやりたいことは全部出来るように過ごせたらなぁとは思っています。
- やりたいと思うことが沢山あるのですか?(石原)
(次の問いにつながるかもしれませんが、)20歳の頃は「やりたいこと」と「そうでもないこと」を何で線引きすればよいのか分からなかったし、自分が何が出来るのかもよく分からなりませんでした。今は新しく知り合った方や新しいコミュニティ内で「こういうことやってみない?」と話に出る内容が具体的で、自分の役割もイメージしやすいので、できそうなことはできるだけやってみようかなと思っています。
<オフトーク> ※インタビュアーのネットが途切れてしまった間に...
- 市役所→国際協力機関出向のキャリアは極めて特例であると思いますが、そのような仕事への想いが昔からあったからですか?あるいは、何か「国際協力の仕事がしたい!」と思うきっかけがあったのでしょうか?(藤沼)
庁内で募集がでていたので、応募して赴任が決まったというシンプルな経過ですが、実際に珍しいポストだと思います。そのような滅多にない機会に恵まれたことに感謝しています。
「もともと国際協力の仕事がしたかったか?」と言うと、答えはYESです。実は就職先の第一希望は外務省でした。何年か勉強して採用試験にチャレンジしましたが、残念ながら合格には至らず、同時に受験していた市役所の方から合格を頂くことができたので、お世話になることにしました。そのようなきっかけでの市役所への入庁でしたが、気づいたらもう15年も経っていました。(笑)ただ、このような形で昔から想いのあった国際協力の分野でお仕事に携われるチャンスが巡ってきたので、本当に良かったと思っています。
- withコロナという言葉が飛び交っていますが、こういった状況で今後海外へ支援をしていく際に必要なことは何だと思いますか?(藤沼)
世界中の方が不安に思っていると思いますが、日本という異国の地で暮らしている外国人の方へ、正確な情報を迅速に届けることには課題があると感じています。ただ、自分たちの力だけでは足りないところも多いので、日本に住む外国人の支援をしているNPO団体などともっと緊密に連携を取れて、きめ細やかに情報を届けることができればなぁ、、と思っています。
- 弊社の外国人社員も、在留期限の更新や家族招聘の手続きが上手く進められておらず、こういった声が国の(然るべき)機関へ届く仕組みがあればなぁ、、、と思っていたところでした。。(藤沼)
どこの誰がどのようなことに困っているのかを正しく把握する手立てが現状では十分ではないので、外国人の支援をされているNPO団体や、途上国の方を受け入れてお仕事されている企業の方と協力できたらなぁ、、と思っています。
Q3. 二十歳に戻れたら、その未来に向かって何をしますか?
「(やってて良かったなと思っていることは、)ちゃんとした大人の意見を聞くことです。」
二十歳の頃は将来への漠然とした不安もあって、「自分にはこれがある」といった確固たる能力がある訳でもなく、就職も「何でもいいので与えてもらえれば頑張ります!」みたいな気持ちで、、ただ、そういう訳にもいかないので、何をしたらいいんだろうなぁ、と迷っていました。そんな時に外務省の試験を受けるきっかけになったのは「きみも受験してみれば?」という大学のゼミの先生の勧めでした。「他の学生もチャレンジするぞ」という話に結果的には流された訳ですが、それがきっかけで「そうだな、頑張ってみようかな」と思ったので、大学の先生とか、いい大人というか、ちゃんとした大人の意見を聞くことは、やっててよかったなと思います。親でもいいのかなとも思いますが、当時の私には親以外の方が素直にアドバイスを聞けるということと、「自分がもっている能力が今の社会にどう向いているのか?」は、先生とかバイト先の上司とか、そういった大人の方が(自分のことを)客観的に把握してくれていると思います。
ただ、チャンスをくれる大人とのやりとりの中でも「鬱陶しいなぁ」と思う場面も正直何度かありました。(笑)でも、今思えば、自分にとって大きな転機となったチャンスを与えてくれた人たちって、必ずしも当時の自分が全面的に大好きな人という訳ではなかったので(自分にとって「全面的に大好きな大人」、というものが非常に稀有なことは後で思い知りました)、「あの先生が嫌いだから勉強しない」といった、他人の気に入らない部分と自分がすべきことに対する姿勢や評価を一緒にしてはいけないな、と思います。
大人の方が選択肢がものすごく広いし、チャンスを与える力もあるので、あまりにとんでもない大人は別として(笑)、クセがある人でも、チャンスがあれば声を掛けてあげようと思われるくらいには、日頃からコミュニケーションに気を付けていた方が良い気がします。誰かが「人に対して失礼な態度を取れば、君の将来の扉が一つずつ黙って閉まっていくんだよ」と仰っていましたが、まさにそうだと思います。
もうひとつは、目標がない時は、「自分がその時にあこがれている大人の条件みたいなもの」と「今の自分」とのギャップを埋める活動をすれば、結局それが(就職などに直接的に)役に立たなくても、「理想の自分には近づける」というモチベーションになると思っています。私は「英語ができる大人になりたい」と思っていたので、英会話学校に行ったり、あとは「猫背が嫌だ」ということで姿勢を良くしたり。(笑)
就職などの将来に直結するような目標をすぐに思いつかなくても、「これが出来る人になりたいな」というものを見つけて努力されるのもいいと思います。
Q4. (ご紹介してくださる)素敵な人を教えてください。
ぜひとも紹介させて頂きたい、素敵な方がいらっしゃいます。若い皆さんの将来にとても有益なお話をしてくれると思うので、正式にご承諾頂いてからご連絡させて頂きます。
- 最後に質問させて頂きたいのですが、国際協力という立場のもとで「この国を支援したい!」という思い入れのある国はありますか?(藤沼)
どの国のことも同じように大切に考えています。一方で、大学でフィリピン語を専攻していたものの、大好きな国だけど今ではなかなか行く機会もないかな、、と思っていたら、フィリピンの案件にも携わらせてもらえる機会もあるようなので、諦めずに(想いを)もっていれば、いつかそういった縁がまわってくるのかなと思います。
- 最後の最後にもう一言頂きたいのですが、、、私もこれまで様々な経験をしてきたのですが、やってきたこともバラバラだけど、最終的には何かに生きてくるな、と思える瞬間が増えてきました。新家さんはどう思われますか?(藤沼)
実は大学でフィリピン語を選択したのは、フィリピン語に特別な思い入れがあった訳ではなく、正直言うと受験対策でした。ですが、そのフィリピン語の先生から外務省の試験のお話をいただき、その努力の結果として市役所に入庁することができました。市役所では(英語は)あまり関係ないなと思ったのですが、英語を勉強するのを中断したタイミングで、たまたま外国人の方に駅で道を聞かれて英語でやりとりをするうちに、「やっぱり英語いいなぁ」とか思って。その後は仕事が忙しくなってきてしまったので、英会話学校を行って辞めて、行って辞めてを繰り返して、、、でも(英語と)つかず離れずをずっとやってきたから国際協力の仕事にも躊躇なく応募できたので、やっぱりやってて良かったなと思っています。「自分に出来ることしか出来ない」ので、結局、自分がこれまでやってきたことに対して人が声を掛けてくれているので、集約されてくるのかもしれないですが、全くやる必要がなかった事とか、そういうことは無いなぁと。自分がいまチャレンジしていることが他の全員がやっている訳ではないから、自分が選んだチャレンジの組み合わせが自分の個性になるんですよね。「●●と▲▲を両方知っている人が欲しかったんだよ」とお声がけ頂くこともあるので、石原さん(インタビュアー)も色々なチャレンジをなさってください!
(インタビュー風景:右下が新家多恵子さん)
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新家さん、インタビューありがとうございました!
インタビューを受けて、IG-FARMメンバーの感想です。
(Ishihara)
「何をしたらいいかわからない」
「特にやりたいことがない」
こんな風に思ってる高校生や大学生って結構いるよなぁって思いました。
でも将来は決めなきゃいけないし、、、
自分はこのままでいいのかなぁ、なんて漠然とした不安や焦りを持ってる人に是非聞いて欲しいお話だなと思いました。
何でもいいから何かに挑戦する、それを続けることで
また色々なことに繋がっていく。
学生のときって、こんな事して何の意味があるの?とか、こんな事してもなぁ。。とか思っちゃうんですけど、絶対意味の無い事なんて無くて、絶対一つ一つにちゃんと意味があって。
それを改めて再認識させていただきました。
(Fujinuma)
私は学生時代はとても内向的で、好き嫌いといった感情で人間関係を取捨選択していた時期もありました。ただ、20歳頃に「このままだとこれ以上は成長できないな」と思える瞬間があって、それからは自分の引き出しを自分から開ける機会が徐々に増えていった気がしていて、、新家さんのお話に共感できることがとても多かったです。市役所と国際協力機関の架け橋になってる新家さんは、まさに渡邊さんや千石先生が仰っていたイノベーター(革命家)であり、今後の社会には絶対に必要な存在であると思いました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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新家 多恵子 (2020/7/16)
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