僕の1番好きなショルダーバッグ〈ルボナー・パパスショルダー〉
正直、カバンはアホみたいに持っている。
しかも、夫婦揃ってカバン好きなので度し難い。そんな2人の相乗効果たるや、たまに「店が開けるのでは…」と思ってしまうこともある。しかし、そんな数多所有するカバンの中で不動の1位に君臨し続けるショルダーバッグ。それがこの〈パパスショルダー〉である。
このカバンは神戸にあるルボナーという店のモノで、様々な革で商品を展開している。そんな中でも僕が所有しているのは〈シュランケンカーフ〉という素材ので作られたモノ(シュリンクレザーとも呼ばれる)。
このルボナーの道具で使われているシュランケンは、ぺリンガー社というドイツのタンナーによって作られている。生後3ヶ月以内の仔牛の皮を使うため、非常に柔らかい。しかも、皮を鞣す際にクローム系の薬品に漬けるので水にも非常に強い。この独特のシボはその際に生まれる。だから、使っている革のロットや部位によって同じ道具でも表情がかなり異なるという特徴も持っている。
そして、このペリンガー社。かのエルメスにも革を卸しているメーカーでもある。つまり、革の品質は世界的メゾンのお墨付。それを価格的にゼロが1つ少なく使えてしまうのだから、心がピョンピョンするのは致し方ない。
しかも、このシュランケンカーフ。とっても優秀なのである。レザー製品を使ったことのある人なら、みな共通して持っている悩みは「水濡れ」や「擦り傷」だろう。一般的なレザーは、使い込むことで光沢が増したり色が深くなっていくという楽しみがある。しかしその反面、水や引っ掻き傷に弱いという弱点も持っている。具体的にいえば、水に濡れるとシミになるし、傷がつけば目立つ。シュランケンはこの悩みが殆どない。すばらしい。
お手入れも至って簡単。油分もふんだんに含んでいるのでクリームも塗布する必要もなく、たまに馬毛のブラシでブラッシングをしてあげる程度で十分なのです。超簡単。色はあまり変化しないが、革は柔らかくなっていくし光沢も増す。この張りのある質感としっとりとした手触りがたまらなくいい。
お出かけの際に、ちょこんと傍においても絵になる鞄。もっと自分が年を取って、頭も真っ白になったとき。このショルダーバックを提げて、ゆるゆるとお散歩していたいものである。
かくして、僕はシュランケンカーフの虜となった。
さて、次はなにを書こうかな。
店主
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