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2013年全日本選手権の話
全日本選手権のチケット申込みが始まってますね。
今年の会場はさいたまスーパーアリーナ、そしてオリンピック代表選考会でもあるという。
そこで思い出すのが2013年の全日本選手権。会場もオリンピックシーズンであることも今年と同じ。
当時学生だった私はどーーーしても観に行きたかった。おそらく大輔さんにとっては最後のオリンピックシーズンだと思ったから。
だがしかし、日程は取ろうか迷っていた集中講義と丸かぶり。何を思ったかこれは全日本に行けということだと受け取り、集中講義を諦めて(よい子は真似しないでね)お譲りチケで男子SPの日海を越えてたまアリへ行った。
確か会場内でD1SKグッズのセットを販売するとかで最初にその売場に向かった。でも当時はたまアリに慣れていないわ人多いわで結構迷ってやっと列を見つけて並んだ。そしたら私の2〜3人前で売り切れになった。普通にテンション下がった。
それはいいとして、男子SP。正直もう記憶が薄れてるけど、6分間のあの異様な空気は忘れられない。観てる自分までもが飲み込まれそうというか。今まで観戦した中であれを超える空間はなかったなと思う。
物凄く緊張しながら祈るように観た大輔さんの演技。ジャンプにミスがあった時の客席から漏れ出る声、点数出たときの何とも言えない重い空気。まだ試合が終わった訳じゃないけど落ち込んで会場を出た。
帰りの電車内でTwitterを見た。会場でキスクラの表情がよくわからなかったので上がってたキャプチャを見てハッとした。今にも泣き出しそうな、今まで見たことのない大輔さんの不安げな表情だった。
もうダメだった。涙を堪えるのでやっとだった。どんどん心が沈んでいった。本人が一番辛いのにな。
FSの日は結局チケットが手に入らなかったので実家に戻って観た。フィギュアスケートに全く興味がない母も側で観ていた。
母は私が大輔ファンだと言っているのに、いつも大輔さんのことを「チビノ○ダーに似てる」と言っていた(伊藤さんに罪はない)。むしろ他のスケーターのことは「〇〇くんは顔が小さい」とか言う人で、顔小さいのはわかるけどなんだその差は、と思っていた。
なのでできれば1人で観たかったけど仕方ない、感情を抑えて観ることに徹した。
満身創痍のビートルズメドレー。心が苦しいけど最後まで見届けなければ。
腕を前に出し指先が映った。
「血……」
思わず声が出た。感情が込み上げてくる。
ここで泣いちゃダメだ。母の前で泣きたくない。
最後のSlst。大輔さんは何かを悟ったようなとても穏やかな表情で滑っていた。私にはそれが「今まで応援ありがとう」と言っているようにしか見えなかった。後にグレゴリ青山さんの本にも同じようなことが書かれていて、私のこと書いてるのかと思ったぐらい。
涙が溢れた。あまりにも"これで最後"を漂わせてるもんだから「まだ終わりじゃないよ!オリンピック行くんだよ!」と心の中で叫んだ。
涙が止まらない私を側で見ていた母。小さい頃から人前で泣くことがほとんどなかった私の姿に動揺したのか、突然
「やっぱり…この人は華があるよね」
と呟いた。ずっとチビノ○ダー言ってきたのに。
今思えば嬉しい言葉だけど、当時は頷きつつ「今更フォローしても遅いんじゃーー!」と叫びたかった。
あれから8年、またオリンピックシーズンを迎えた。
フロリダでのトレーニングや試合の様子を見ているとその充実ぶりが伺える。心身ともに充実して迎えるオリンピックシーズンなんて久々?初めて?なんじゃないかと思ったり。
ファンとしてはオリンピックに行ってほしいという気持ちはもちろんあるけど、それ以上に全日本で2人が晴れやかな表情で演技を終えてくれたらいいなという気持ちの方が強い。
大輔さんが6年前スケートから離れた時期を思えば、今はスペシャルボーナスステージ、いやほぼ夢の中だと思っているので、滑ってくれているだけで本当に嬉しい。生きてるだけで丸儲けじゃないけど、滑ってくれているだけでありがたい存在。とは言いつつもっといろんな姿を見たいと願望を抱いてしまうオタクの性。ありがたく今を楽しませてもらいます。
この前地元紙のNHK杯の記事を頼もうと母に連絡を入れたら、
「男子と女子観てきたの?」
今だに娘の推しには全く興味がない模様。いつか生で観てほしいと思ってるんだけどな。