見出し画像

復学支援を受ける親御さんから学んだ日。

「不登校は誰にでも起こりうる」

と、文部科学省は言っています。
世間的にも2017年に教育機会確保法が施行されたりして、ちょっとずつ不登校に対する認識が広がってきているような気がします。

(教育機会確保法については、このNHKページが分かりやすいきがするぞ。他にもあったら募集中!)

とはいえ。

こう言われていても大半の人は「まさかうちの子は大丈夫」と思うこともあるかもしれないなぁ....なんて、思ったりします。

----------------------------------------------------

2週間程前、ご縁があって一般社団法人ペアレンツキャンプさんが主催する不登校親の会 in 関西に参加させて頂きました。
本当に懐の深い団体の皆さまに感謝です。

その時に出会った親御さんで、

「まさかうちの子が不登校になるなんて信じられなかったから」

と話してくださいました。

本当に、心からの素直な感想だなぁと思います。

今回は、その「親の会」に参加させて頂いて、感じたことを私なりに伝えられればと思っています。

【復学支援という不登校支援】

まず、今回参加させて頂いた親の会は「復学支援」を受けていらっしゃる親御さんが集まるところ、という所を紹介させてください。

ちょっと質問ですが、学校外の不登校支援と聞いて、どんなものを思い浮かべる人が多いでしょうか?

「フリースクール」とかが有名かもしれませんね。定義はまだまだ曖昧かもしれませんが、不登校生徒にとっての「居場所作り」に力を入れていらっしゃる団体さんも多いと思います。

今回、私がお邪魔した「一般社団法人ペアレンツキャンプ」さんは復学支援、さらに中でもカウンセリング訪問支援を行なっているという点で、ちょっと独特のポジションから不登校支援に携わっている団体さんです。

もちろん、どうしても学校が合わない生徒の場合もあるので、その時は別の道を探すこともあるそうですが、復学支援なので、基本的には「本当は学校へ行きたい生徒が、もう一度行けるように」という方針の支援を行なっていらっしゃいます。対象は小・中学生です。ですので、代表の水野さんも挨拶において「不登校支援といえど、ある意味フリースクールとは水と油のような関係」ともおっしゃっていました(もちろん協力関係も考えているそうですが)。

【大切なのは、支援の目的が「復学」ではなく、「自立」にあること】

ペアレンツキャンプさんの方針だそうです。
復学支援といっても、復学が目的ではなく、年相応の自立をしてゆくことを目指す。

その「自立」に対する意識を、親の会に参加させていた不登校の生徒を持つ親御さんはとても強く意識されていたように感じました。

たとえば、朝雨が降りそうなとき。

「傘持って行きなさいよ!」

という一言を、頼まれてもいないのについ、子どもへ言ってしまう。

年相応の自立を目指すには、本人に出来ることは本人に判断してまかせることが大切だと参加していた親御さんから教えて頂きました。傘を持っていくかどうかは、本人が決めること。必要以上に干渉しない態度が大切だそうです。

これを聞いて。

「私が親だったら普通に言ってそうだなぁ」

なんて、素直にそう思いました。。
良かれと思って言っちゃいそうですね。笑

親の会に参加された親御さんも、「不登校になるまで普通に言っていて、それが過干渉だとは思っていなかった。そうだと知ってからも、言うのを我慢するのは結構大変だった。」とおっしゃっていました。

【「傘持って行きなさいよ」を言うのをやめるひと、やめないひと】

ちょっと考えてみました。

『「傘持って行きなさいよ」という一言は子どもの年相応の自立には繋がらないから、言うのやめた方がいい』

と、言われて。

もし自分の子どもが不登校じゃなかったら、本当にそれを見直すだろうか。

もちろん「傘持って行きなさいよ」と言われていても、全てのお子さんが不登校になるなんてことはないと思います。そう言い続けても、不登校にならず育つお子さんはきっと現にいると思っています。

ただ、本人の性格や考え方、周りの環境など色々な要素が重なって、その小さな一言が「自分で考えるのをやめてしまい、自立しにくい」状態を積み重ねて作り上げてしまうこともある。

それが、不登校という状態になって見えてくる場合もあるのかもと思います。

今回お会いした親御さんは、みなさん真剣に自分達の言動一つ一つをカウンセラーの先生と見直していらっしゃいました。

想像以上に細かな対応まで話している印象を受けました。誤魔化すことなく、丁寧に。

ある意味自分の子育てを見直していくような作業は、身を切るような心の痛みを伴うものかもしれないと思いました。過程で味わうショックも大きいのではないかと正直思います。

それでも、やりきった人の顔は何だかぶれない芯が一本通っているように見えました(中には支援を卒業していた方もいました)。そして今は、家庭教育の大切さをすごく実感していらっしゃるようでした。

その姿に、何というか。
圧倒されてしまいました。
上手く言葉が選べないんですが。

大切な人のためなら、これだけ真剣に人は自分にも向き合えるものなんだなぁと、心の底から感じました。

そんな中、一人の親御さんの一言が印象に残っています。

「子どもが不登校になってから子どもとの関わり方を見直した。それから不登校のや生徒を持たない人の子育てとか聞いてると、すごく過干渉しているなぁと、正直聞いてて感じる人もいる。ただ、人の子育てに何やかんやなんて言えないからね。」

聴きながら、
「もっとオープンに、経験から言えることがシェアされたらいいのになぁ」
なんて思いました。

【経験するまで、分からないこと】

子どもが不登校になってから初めて、家族のあり方や教育のあり方に気がついたことや教わったことがたくさんあると、多くの方がおっしゃってました。

逆を言えば、不登校にならなければ不登校についてなかなか考えない人もいるのかもしれません。

でも、不登校になってもなっていなくても、不登校について色々な角度から話を聞いたり、考えたりする方がいいんじゃないかなと、私は思っています。
綺麗事に聞こえるけど。

でもそれは、
社会のためにとかじゃなくて、
自分のために。

「不登校は誰にでも起こりうる」くらいに、ばらばらの要因で起こり、結果ばらばらの感情を抱くものだと思うから。

復学を目指すのか、別の道なのか。
本当は学校へ戻りたいのか、戻りたくないのか。

「ばらばらなんだ」ってことを知って、色んな事例や経験を知っておいた方が、考えやすいと思います。

だからこそ、今回のこのような「一つの経験」を聴くことのできる不登校親の会のような存在は貴重だなぁと思いました。

今回参加させて頂いた親の会は、子どもが不登校になった親御さん達のみの集まりでしたが、世間的にもっと情報交換が広まったらいいなぁと思っています。

今回は、親の会に参加して一番印象に残ったことを書いてみました。

ただ。

こんな、ちょびっとの文章では表せきれないくらい、本当に沢山のモヤモヤと、いっぱいの感情をもらいました。

まだまだ書きたい感情や情報はたくさんあるので、そのうちまた書いてみようと思います。

不登校の生徒も持った親御さんが、最後に私に話しかけて言ってくれました。

「若い人が、こういうことについて考えてくれるのは嬉しい。頑張ってね。」

最近年取ったなぁなんて考えちゃうんですけど、まだまだ「若い」なんて言ってもらえるもんですね。笑

嬉しいです。
やるしかないなぁと思います。
寄り道もするかもしれないけれど、
私らしく。

今回は、ここまで。
今回も読んでくれた人、
どうもありがとうございます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?