やすみと体力と演劇
6月29日(土)は公演本番前、仕事も稽古もない最後の「やすみ」だった。
もともとは買い出しなどが必要になったときに備えての予備日にしていたのだが、特に必要もなさそうなのでのんびり過ごすことにした。
出来るだけ自宅にいたくない(汚いから)ので、朝から外に出る。
家の近くに友路有というモーニングがそこそこ有名な喫茶店があって、そこで和定食を食べた。最近ボリュームダウンしてしまったのだが、ごはん系の朝メニューが多いのでちゃんとした一日の始まりを迎えたいときには重宝する。
8月に資格試験を控えているので、そのまま1.5時間ほど勉強を進めた。
今の世の中、スマホアプリひとつで参考書と講義動画と問題演習が全てできるので便利なもんである。喫茶店とかで「勉強してる感」が出ないのも良い。これが受験生の時にあったらなあと強く思う。暗記系の科目が進みやすいので、世界史とか日本史とか、親和性高いんじゃないか。
テンションが上がってきたので電車に乗る。
この日は新宿でJA全農が全国11種類のご当地牛乳・乳飲料の飲み比べイベントをやっていた。200円で各地の色んな牛乳・乳飲料が25分間飲み放題になるという内容で、食べ比べや飲み比べが好きな人には楽しいイベントである。
定期的にやっているようなので、牛乳がお好きな方はぜひ出かけてみてほしい。
せっかく新宿まで来たのでコクーンタワーの地下にあるデカBook1stに寄った。
ここは演劇関連の書籍が割と多くあるのと、なぜか店の一角に家具屋が入っておりかわいいソファやテーブルが見られるのでつい立ち寄ってしまう。さすがに家具は本のように手軽には買えないが、見ているだけで楽しい。大きくなったらかわいい家具で揃えられた家をつくろう。
外に出るとついつい歩きすぎてしまう。
翌日30日(日)は丸一日の長丁場の稽古なので、疲れすぎないよう、早めに帰ることにする。
ここまで全部嘘で、起きたら普通に15時だった。
どうして……?
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やすみを満喫するには体力がいる。これはもう間違いない。
ロングスリーパーで過敏性腸症候群でストレートネックで猫皮屑アレルギーの自分にはつらい真実である。
一方で演劇をやっている(そして生き残っている)人々の中には「体力オバケ」の割合が有意に高い。
劇団員に限ってみても、俳優・舞台監督のヒガシさんは仕事の合間に野球まで嗜むなど処理能力がシンプルに高いバーサーカー型の体力オバケだし、脚本の式部くんは寝てなくても這いずりながらタスクを無理やり進めることができるゾンビ型の体力オバケであるように思う。
今回お世話になる客演メンバーでも、サミゾノタカシさんは釣りなどのアウトドア活動を毎週のように楽しまれているし、水木彩也子さんは仕事も含めて日本狭しとばかりにあちこち飛び回られているようである。
演劇やってんのにですよ……?みんなすごいな……。
本業を持って、そのやすみで演劇を作っている以上、休みの日の体力マネジメントは重要な課題となる。
体力弱者として、やすみを楽しむため、そして演劇を継続するための対処としてやっているのは、とにかく人前に出ることである。
なんだかよくわからないのだが、人前にいるとエネルギーが湧いてくる性質らしい。
最近はよその演出家さんの稽古場を見る機会が少ないのでちゃんと比較はできないが、自分は割と口数の多い(よう喋る)タイプの演出家なのではないかという自覚がある。
なので稽古場でべらべら喋っている自分と、15時に起きた上に18時まで死んだ魚の目をしてYouTubeShortを見ている自分が同一人物に思えないということがしばしば発生する。
おれは一体……?と思うけれども、稽古場マジックというか、人間関係マジックというか、たぶんそういうものがはたらいているんだろう。
演劇ではなく、小説家や漫画家などのソロ創作活動を選んでいたら、こんなに続いていないだろうなぁ。
とりあえず布団から出よう。人前に出ればなんとかなる。やすみも楽しめる。体力がもらえて、演劇も面白くなる。
みなさまに支えられて生きております。
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ということで次回公演は「やすみ」がテーマです。
残りのやすみも全部使って、体力の続く限り、面白い作品が作れるよう精進いたします。
どうぞよろしくお願いします。
ポッキリくれよんズ
主宰・演出 石橋 啓太郎
(以下、公演案内です)
ポッキリくれよんズ 第8回公演『いっかいやすみ』
@下北沢・シアター711
[DATE]
7.12[金] 14:00 / 19:30
7.13[土] 14:00 / 19:00
7.14[日] 13:00 / 17:00