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【レポート】ポケット大学「文化講座:今だから、一服」に参加して

今回も研究会メンバーTさんがレポートにまとめてくださいました!
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2020年10月17日(土)20:30~22:30
講師:宮崎南海子様 (表千家不白流師範・natural茶道教室主宰)
https://nekofunjatta201.wixsite.com/naturalsado
インタビュアー:五島優子(渋沢ドラッカー研究会)
テーマ:たかが一服、されど一服

(はじめに)
お茶の話は、日本人の心得として、気になっていましたが、知ってはいてもなかなか敷居が高く感じていて、渋ドラで講演を聞いたり、『茶の本』(岡倉天心著)、『日本人の心、伝えます』(千玄室著)を読んで、それこそお茶を濁しているぐらいです。今回、ポケット大学で、あらためて、お茶に関することをお聴きすることができるチャンスを得て、わくわくして参加することにしました。

(講演のメモ)
(井坂さんへの質問) 最近、どんなことで秋を感じましたか?
田んぼ、彼岸花、人生の秋、40代後半

「喫茶去」 お茶でもいかがですか?

亭主:井坂さんの高校時代の友、宮崎南海子(宗萌)先生
秋を感じたのは、金木犀の香り。マスクは嗅覚が鈍ります。お風呂の温度を一度上げた時に秋を感じました。
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会記 〜本日の内容〜
黙想
禅と茶道
身辺の音に耳をすませば
茶道由来の言葉~日本語の豊かさ~
 ~休憩~
 美しい所作
 お道具の謎
 点ててみる(実演)
 いただいてみる
 呼吸法―心の静め方
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黙想  たっぷりと、指先、足先までいい空気を

<禅と茶道 現代人との共通点>
 1191年~ 栄西禅師 
 「茶禅一味」 禅=無 コンセプト 自力の思想
 無 = 有は、無から生ず
 スティーブ・ジョブズ 曹洞宗
 松下幸之助 松下村塾 茶室
 ミハイルエンデ 『モモ』 禅の思想

<お茶に来る人のきっかけ>  
大河ドラマを見て。 「日々是好日」を観て。
五島さんは、お行儀がよくなりたくて。

<競馬騎手と茶道>
 裏千家、原先生が、甘いものを食べさせたくて。
 3期生の武豊 「美しいお辞儀」今度見ることがあれば要チェック!

身辺の音に耳をすませば
 五感を研ぎ澄ます
茶の空間
 1.静かな空間
2.茶室は薄暗い(自然光) 大きな動きはしない。視覚は少しお休み。
 水の音(かたい音)、お湯の音(とろとろ、やわらかい音)、足音(畳をする音)、
茶筅を振る音、日常的な音(虫の声、セミの声、小鳥の声)

五感とともに
1.視覚 茶碗、お菓子 めでる
2.嗅覚 お茶の香り
3.聴覚 お茶を入れる工程
4.味覚 お茶のおいしさ。お菓子のおいしさ。
5.触覚 お茶碗の肌触り・温かさ・冷たさ(夏・冷茶)
コロナ ボーっとしてる
マスク 判断が鈍る

茶道由来の言葉~日本語の豊かさ~
 “茶“のつく言葉、いくつ知っていますか?
 茶寿 108歳
 侘び寂び 不完全の美 インパーフェクト・ビューティー
 わび わびしいこと。見所。いいなあ。
 さび 欠け、われ。動じない。ゆったり。湖面のような精神状態。
 序破急 単調にならない
 守破離 修業の段階

季節の言葉
 茶道手帳
 鹿の声 錦繡 木守(きまもり:柿の木の実を一つ残すこと) 神楽歌 
夜長 初紅葉 薄紅葉 山里 杣人(そまびと) 蓑虫

その日 その時だけのためのお菓子
 お菓子は、ただ「見てきれい、食べておいしい」だけじゃない。
 お菓子一つ一つにも、名前があるのです
 銘(めい)
 <春>花筏 花衣 ウグイス
 <夏>青梅(みそあん) 清流 星逢
 <秋>栗ひろい 庭すずめ 吹き寄せ
 <冬>冬至る 埋み火(うずみび:灰の中に炭を埋めておく) 雪華

思い出に残っているお稽古の話 おけいこのエピソード
 富士山のお茶碗だけ、青いの? 他の山は、茶色なのに。
 
 お母さんが先生
  お点前の所作 
 お茶を茶碗に入れるときに、コンコンと二度、縁でたたく。
 コンコン 陰陽の意味がある
 二十年たってから、教えてくれた。教えるタイミングがある。
 その前だと、薄っぺらにしか、理解できない。
 母は、20年、待っていた。 【待つ】

学び?修業?
茶道は、趣味、特技でもない。
資格としては、表千家茶道師範。
教会のミサに行く気持ちと同じ。
茶道は、修業。

(五島さんからの質問)
1.不安な時は、どうしていますか?
 茶人として、お答えします。 
 良寛(越後の人) 「覚悟を決めなさい」
  災難にあう災難。不安を抱えたまま生きる。このままでいい。

2.変化と向き合うのが怖いです。
変化にはどうやって対応したらよいでしょう?
  いま、ここを一生懸命に生きる
  お茶をやっている人は強い。
  季節の移り変わりに対応している。
  過去も未来も、頭の中だけのこと。
3.お茶の世界は、相手のことを思う。人を大切にするってことは?
  その人を大切にする。その人の家族を大切にする。その人の大切にしているものを大切にする。
4.大切にしているものは? 
  静かな時間

~ 休憩 ~
<準備するもの>
・お茶碗
 (持ち手のないものであればなんでもOK。 お気に入りのものだと嬉しくなります。
  できれば、正面がわかるとよりやりやすいです)
・飲み物 (お茶等なんでもOK。今、飲みたいものご準備ください)
マナー
 時計をはずす。指輪をはずす。金目のものはつけない。

今日のしつらえ。 “渋ドラの秋”
ドラッカーのしつらえ。 青磁の茶碗。四君子の柄。お菓子:渋ドラのロゴのような栗のイガ。

美しい所作
1. お茶碗の正面を自分に向ける。
2.押しいただく。
3.45度ずつ、2回、まわす。(正面は南)
  茶碗の正面をはずす。(東から飲む)
   一回目で目礼。あと二回で飲み切る。
4.正面に戻す。返す時は、正面を相手に向ける。

呼吸法―心の静め方
 黙想
 
(感想)
宮崎先生の優しい語り口の中にも、厳しさと姿勢が凛としている美しさが終始伝わってきました。細やかでいて、思いやりにあふれるお茶の世界に、普段、意識していない感覚が際立ってくるようで、わくわくしていました。一つ一つ身につけることは多いですが、日本人として、教養というよりも、日常生活に活かす素養として身につけたいと感じました。
【待つ】いまのわたしに、一番、響く言葉として、受け止めました。ありがとうございました。

(お知らせ)
次回のポケット大学は、11月21日20時30分〜
「強みの上に築くマネジメント」
講師 : 大塚三紀子氏
https://tsuyomi-sanmi.peatix.com/

お楽しみに‼️

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