止まっていた時計が動き出した
世の中には、人知を超えたものがあると思う。
でも、大抵の人は『そんなことあるわけない』と思い込む。
人は、
信じたくない
見たくない
と思うものは、簡単に無かったことにできる生き物だから。
逆に、
こうあって欲しい
と思うことは、信じ難いものでも、無理にでも信じようとする。
現実だと思いたがる。
それでいいんじゃないだろうか。
僅かでも、
今日が
明日が
希望ある日になると思えるなら。
訳あって、長く家を空けていた。
私がやるべきことのために。
でも、その場所は私にとって
我慢や、無理をしないと居られない場所だった。
結局、私はやるべきことを放り出し
元いた場所に戻ってきた。
不思議なことに
私が居なくなってからいつのまにか止まってしまっていた、
『電池を変えても動かない、壊れてしまったんだな。』
家族がそう思っていた時計が
私が帰ってくる決心をし
戻ってきた数日後、再び動き出した。
その事実を
私は、私の都合の良いように解釈した。
ここが私のいる場所なのだと。
時計が
『おかえり』
と、言ってくれたのだと。
あぁ、そういえば
ここを離れてからの私は
ずっと自分を殺して生きていた。
心を殺して。
私の時間は止まっていたのだ。と。
光が射した気がした。
私はまた、ここで生きることができるんだ。
自分らしく。
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