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心では泣いてるのよ

カウンセリングや誰かの話を傾聴するとき、「そんなことで悩まなくても」と思ったとしても、その人自身の悩みなのだから、相手の世界で、その人になったつもりで話を聴く。

日曜の午前中、携帯が鳴った。
叔母(母の弟の妻)だ。

出てみると意外に明るい声で、元気そうだ。

Mちゃん(私の兄の妻)に電話したんだけど、出ないから私にかけたのという。

道徳を学んでいる叔母の用件は、Mちゃんに話してあげたいことがあるというものだった。

Mちゃんも電話に出たらいいのに、大抵出ないらしく、コールバックもしないのか。
きっと面倒な話を聞きたくないのだろう。
わからなくもないけれど、お世話になって心配もかけたんだから…。

というわけで、1時間はかかる叔母の話の傾聴が始まる。

最初は近況を話しているのだけれど、叔母の話は必ず私の母と祖母の話になる。

どれだけ自分が苦労したか、それを乗り越えて自分が成長できたという内容だ。

それだけに、同じような苦労をしているMちゃんを可哀想に思うらしい。

私の母は、叔母にとっては小姑、Mちゃんにとっては姑だ。
苦労したという点で、思いが共有できるのは理解できる。

しかし、私の母はそんなに鬼か?
それにこの世にはいないんだから、もうよくない?

叔母もMちゃんも、直接母のことを悪く言われたら私がどう思うかまでは、考えないらしい。

二人とも、耐えて我慢したのは自分で、可哀想なのは自分だという主張が強い。

胸に湧いてくるものをやり過ごしながら、相槌を打って聞く。

でもさすがに今日は、いやんなっちゃった。

Mちゃんも姉さんでは苦労したから…と言う叔母に、母も随分悩み、心を砕いていたことを話した。

叔母は意外な様子だった。

それはあなたのこともですよと言いたかったが、高齢の叔母にそれを言うのはやめた。

もう今度母を悪く言われたら、私は悲しい思いになりますと、わかりやすく言おう。

弱い、傷ついたと言って攻撃する人もいる。
黙って平気な顔をして、心で泣いてることだってある。

鬼のいなくなった今、同じ思い出すなら俯瞰してみたらどうかな。

そして夫たちよ、妻の話をもっと聞いてあげてと言いたい。
外に出せない話は、あなたが聞いてあげなくちゃ。

私じゃダメなのよ、鬼の一味だから。
鬼も悲しむんだよ。

夫が無理なら、共感して聴いてくれるカウンセラーに話せば、過去を何度も引っ張り出して嫌な思いをしなくて済む。

嫌な気持ちは伝わり広がる。
誰かに癒してもらおうね。

あら?それを言ってるあなたは?
え?私ですか🥺

最後までお読みいただき、申し訳ありませんでした。

傾聴は世の中を救う。

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