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侵入者に備えよう

ようやく帰宅後にエアコンを入れなくても済むようになった。

昨夜は時折雨がパラつく天気だったが、網戸にしてちょうどいい気温だった。

夕食後、ダイニングテーブルで新聞を読んでいると、サッサッと軽い足音が玄関の方へ行く気配がした。

うちは門扉から入ると、ダイニングの前を通って玄関へ行く間取りだ。

時計は9時を回ったところで、夫が帰ってきたのかなと思った。

すると足音は再び門扉の方へ。

そういうのは夫が自転車で帰って来た時、よくある。
自転車を停めたあと、もう一度、伸縮門扉を閉めに行くのだ。

しかし、いくら待ってもキュルキュルと門扉が閉まる音がしない。

夫じゃなかったんだ。

もしかして、置き配?
でも最近Amazonは注文してないしなぁ。

なんだか急に怖くなって、網戸にしていた掃き出し窓を閉めて施錠した。

念のため玄関周りを確認し、ロックした。
夫の帰るころにはロックを解除していることが半々だが、これからは施錠しよう。

30分ほどして、玄関で音がした。
今度は夫だった。

「さっき、一回帰ってきた?」と聞いた。
たまーに、帰宅してからビールがないかもと気づいてコンビニに行くことがあるのだ。

でも昨夜は、なんでそんなこと聞くの?とポカンとしている。

じゃあ、あの足音は何だったんだろう。

普段私は車で出勤する時、一旦道路に車を出したあとで門扉を締め、再び車に戻って発進する。
自動門扉じゃないから。

一日家にいないと、近所のオバちゃんで入ってきちゃう人が以前いたので、閉めるようにしていた。
でもこの時期は残業もないし、早く帰ってくるつもりで門扉は開けっ放しだ。

車を発進させるとき、ちょっとだけ躊躇するけれど、昼間だし、まいっかと思っている。

やっぱり閉めた方がいいかな。
人専用の門扉は、家の者以外が開けると、なんとなく誰か来たなとわかるから。

それにしても、昨夜のあの足音は何だったんだろう。

この家に来てから、泥棒に二度入られた。

一度は施錠を忘れた勝手口から入られ、夫がうたた寝していた茶の間のすぐ傍にあるカバンから、お札だけが抜かれた。

朝起きると、奥の和室に夫と私の鞄が並べてあった。
不審に思って見てみると、私の鞄からは前日給料日で下ろしたばかりの封筒が顔を出していて、そこで初めて「やられた」と気づいた。

縁側の掃き出し窓が少し開いていて、そこから逃げたらしい。

警察が来て現場を調べていったが、盗られたお金が戻るわけもなく、泣き寝入りだった。

その時に警察の人から、網戸にしないことと、侵入者に気づいても知らないふりをするよう言われた。

至近距離まで来た泥棒を捕まえられなかったどころか、気づかず爆睡していた夫は悔しそうだったが、命まで取られなかったのは幸いだと思いたい。

電気が煌々と点いて在宅だとわかる一軒家に、侵入するやつがいるんだと思うと恐ろしい。

もう一回の被害は、家族で釣りに出かけ帰宅が夜10時過ぎになった日のこと。

奥の部屋の窓が割られ、あちこち物色されていた。
母子手帳入れが(金めのものに見えたのか)全然別のところから出てきたが、盗られたものはなかった。

その夜、侵入された窓と隣り合う家では、友人と宴会をしていたそうで、何も気づかなかったと驚かれた。

割られた窓は火災保険が下りて助かったが、しばらくは気分が悪く落ち着かなかった。
近所の友達から、数万円ほどを見えるところに置いて、セーフガードにするといいとアドバイスされた。
しばらくやっていたけど、そんなお金があれば家の者が使うから(笑)、結局それもやらなくなった。

こんな恐い経験、あまり役に立たないかもしれないけれど、思い出したので書いてみた。

そう言えば、ワンコのいた10年近く、防犯のことは考えたこともなかった。
ま、誰にでもフレンドリーで番犬には向かない子だったけれど、犬がいるというのはそれだけで防犯になるのだろう。

あとひとつ感じたのは、泥棒はお金持ちの家を狙って入るんじゃなくて、ガードの甘そうな家の、さらに防犯の抜け穴からやってくる。

今日は玄関も施錠し、窓も開けずに過ごしている。

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御手洗 育/暮らしのエッセイスト
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