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おいてきぼり感

朝起きると、夫がいなかった。

一応信頼関係はあるので、仕事なのだろうと思うが、それにしても6時前にもういないなんておかしい。

何かあった?

昨夜のことを思い出す。
10時か11時だったか、夫が帰宅して、
でも眠すぎて台所に立つ気力がなく、
「そこにあるよ」と言いながらリビングで寝てしまった。
1時半ごろに気づくと、お風呂から出たらしい夫が、茶の間で寝ていた。

それを見ながら2階へ寝に行き、朝起きるといなかった。
エアコンは28度でついたまま。

トイレのドアをあけ、お風呂をのぞき、奥の部屋を見る。

車はある。

玄関を出ると、自転車がない。

昨夜は雨が降らなかったから、自転車で帰ってきたはず。
ということは、もう出勤したんだ。

朝からこれだけの推理をさせられるなんて、もう。

もう行くよと声をかけるなり、LINEするなり、しないか?

しない。

結婚以来、今日は帰りが遅いとか早いとか、夕ご飯要るとか要らないとか、何も言わない。

それでいて深夜に、急行で3つも先の駅まで迎えに来てほしいと頼まれることもある。

一応危機管理として、今日は会社にいるのか遠くの街に行くのかを、朝送り出す短い間に聞く。

今朝はそれもなかった。

LINEで朝のあいさつをする。

既読まで時間がかかるのは、いつものことだ。

出勤の準備をしていると、着信音がして返信だった。

「久しぶりに始発に乗りました」とある。
遠くの街まで行くらしい。

何もなかったのならよかったよ。

LINEのスタンプに向かって、もう!!と言ってみる。

スタンプくらい使えば?と、プレゼントしたやつ
このキャラクターちょっと気に入ってるので
まいっか…、となる

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御手洗 育/暮らしのエッセイスト
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