『舞いあがれ』に見るキャリア形成⑨
朝の連続ドラマ『舞いあがれ』が最終回をむかえた。
朝ドラはドラマなので、ストーリーを楽しむ。
それと同時に、誰かの台詞にハッとさせられることも多い。
朝の慌ただしい時間。
出かける支度をしながら、朝ごはんを食べながら、耳だけはドラマに向いている。
そんな時、誰かの台詞に力を与えられて出勤することが、よくある。
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逆境にありながら、それを創作につなげていった貴司くん、よかった。
もちろん脚本家が書かれているのだけれど、随筆の文章が貴司くんらしく、端正で美しかった。
深海の星を知らない魚のため
かささぎがこぼした流れ星
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浪速バードマン時代の刈谷先輩
「今日のために俺たちは生きてきた」
「全てをかけられたことを誇りに思う」
「スワン号をお前に任してよかった」
夢みたいな話と思っていたけれど、アビキルのモデルになったスカイドライブの新聞記事を読んで、空飛ぶクルマが夢ではないんだと知った。
先輩の名前が、刈谷さんってところも(豊田さんではちょっとね)隠しネタだったのかな。
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おにいちゃんの
「おやじ、夢かなったな」にもグッときた。
夢のかない方はいろんな形があって、思い描いたとおりでなくても、自分がいなくなってからでも、かなうことがあるんだ。
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大河内教官は、本当にカッコよかった。
「プロになれば君たちはまた苦しむかもしれない。
だが答えはひとつではない。
大切なのはこれからどう生きるかだ」
どんな世界で生きている人にも通じる言葉だ。
新しいキャリアを描いていくのに、こんな素晴らしいはなむけはない。
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大瀬崎灯台が見えたとき、
梅津母「舞ちゃんと久留美ちゃんが、貴司を見つけてくれた場所やな」
久留美ちゃん「貴司くんが、自分を見つけたとこです」
本当にそうだよね。
時々、自分を見失うことってある。
どうしたいんだ自分。
でも、こたえは何気ないところにあったりもするのだ。
朝ドラはそのひとつでもあると思う。
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ばんばが幼い舞ちゃんに言った
「バラモン凧ごた、どがん向かい風に負けんと、たくましく生きるとぞ」
孫に、こんなこと言えるおばあちゃんになれたらいいなぁ。
そして、「舞、向かい風に負けんかったねぇ」。
おばあちゃんはいつも強くて優しい。
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そしてラストは岩倉舞さん
「こちらカササギ、まもなく、ひとつ目の目的地に到着します」
ひとつ目の目的地というのが、このドラマの締めくくりにふさわしいと思った。
人のキャリアは、一つのゴールだけを目指すのではない。
あっちに行ったり、こっちに行ったりする。
私など、何の考えもなく生きてきてしまったように思う。
もっと何かできたんじゃないかと。
でも、人生何が役立つかはわからない。
それは舞ちゃんや周りの人たちが教えてくれた。
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若いころ、博物館で4年半ほど働いたことがある。
収蔵庫の整理を手伝っていると、標本カードに「Makino」とついた学名をよく見かけた。
最初はマキノさんって誰?と思うような私だったが、それが何かで読んだことのある牧野富太郎だと知った時は、日本の植物は全部牧野富太郎が分類したのか!?と驚いた。
そんな経験も、今の仕事に生きることがある。
そして、人生に無駄なことはないのかもしれないなと思う。
舞ちゃんロスから次へのステップ、行けるかな。
新しい世界に進む時、いつも小さな戸惑いがついてくると感じる春だ。
PS 柏木くん、見に来てくれて、変わってなくて嬉しかった。
少し丸くなった雰囲気も、順調にいってるのを感じられて。
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