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お餅つき

夫の実家でお餅つきするんです。

そう言うと、大変だね〜と言う人と、わぁ楽しそう!って言う人と。

毎年お正月は、夫の「家」優先で、昭和どころか江戸時代だよと、悶々と行事をやってきた。
30日の餅つきはそのひとつ。
何があっても、休むのはありえない。

両親が高齢になり、ここ10年ほどは本当に私が行かないと始まらなくなった。
臼と杵を使う餅つきは、つき手2人と手返し1人は必要だ。

長い間、義父にうるさく指示を受けながらの餅つきは、ちっとも楽しくなんかなかった。

至上最高は、4升餅を14臼。
30日にそれをやると、元日は確実に筋肉痛で、手がブラブラに…。

親戚の分までついて配るなんて、ウチは餅屋じゃないー!と何度心で叫んだことか。

でも、年月が嫁を強くします(笑)

まあ今年も、楽しくウキウキお餅つきとまではいかないけれど、義父母が喜ぶならと、義兄と私達夫婦で6臼を搗き上げた。

鏡餅もまあるく丸めて。

私の友人や親戚にも、お裾分けできた。

へえ!今でもペッタンペッタンやってるのー!?と驚いてもらえると、少しだけ誇らしくもなり、疲れも飛ぶ。

あれだけ餅にうるさかった義父も90歳。
今年は現場監督に出てこなかった。
喉に詰まらせてはいけないと、義母もお餅をセーブしているようだ。

息子たち夫婦には、お餅つきに来るよう声をかけていない。
同じ思いをさせるのが可哀想な気がして。

でも、今夜来ると言うから(来るんかい!嬉しいぞ!)お餅を持たせてやろうと思っている。

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御手洗 育/暮らしのエッセイスト
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