「わかる〜」は、わかってない
カウンセリング実習に参加した。
15分の傾聴は、うなづき、相槌、リピートのみ、というお約束。
クライエントの相談内容は、かつて私が経験したことがあるものだった。
はい、ええ、そうなんですか。
心配なんですね。
そんな応答をしながら、話を聴いていく。
クライエントは同年代の女性、話の内容は自分も経験済みとなると、途中からはもうすっかりわかった気になってくる。
相手の話に集中しながら、自分の心がそんな風に動いていることを感じていた。
そして、あるところで思わず言いそうになってしまった。
「わかります〜!」
でも、直前で止めた。
友だち同士の会話でもないだろうか。
自分の悩み事やショックだったことを話しているとき、相手に「わかる〜!」って言われたこと。
一瞬気持ちいいようで、でもその後に続く相手の話に、何にもわかってないじゃん!と思うこと、
私は経験がある。
そこまでいく前に、あなたにわかるわけない、なんて心で思っちゃうことも。
そして、信頼して話す気がなくなっていく。
友だちならまた修復できるけれど、相手がクライエントではそうはいかない。
相談内容は同じでも、その人の準拠枠は私とは違うはずだ。
共感するのと、同感や同調するのは違う。
今回、まだまだ自分が未熟者だと感じ、それに気づけたことはよかった。
職場でも家庭でもない、お互い研鑽しあえる場があるのは有難いこと。
カウンセラー修業は、気づきの積み重ねだ。
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