いつでもwelcome
日曜の夜、大河を見終わり次のドラマを見始めたころだから、もう9時を回っていた。
息子から電話で「今から行っていい?」と。
何かあったの?と心配になったが、実家の両親からのお土産を届けに来てくれたのだった。
夫婦揃って来て小一時間、お土産を分け合ってお茶を飲んだ。
お腹が少し目立ちはじめた息子の妻。
大事にしてねの後、息子には「出来ることを自主的にやるんだよ」ひと言付け加える。
夫が横から「うちはワンオペだったからね、頭上がらないよ」と言う。
息子が小学生のころだった。
夕方帰って来るなり「ねえねえ隣のS君さ、お父さんとキャッチボールしてるよ!」と話してくれた。
お父さんが家にいる、それも一緒に遊んでるというのに驚いたようだった。
「なんか不憫だなと思ったわ」と言うと、さほどでもなさそうに息子は子どものころの思い出を話した。
小学生のころ、お父さんと交換日記をしていたこと。
ノートに描いてくれる間違い探しの絵が楽しくて、自分も描いてみたけど上手くいかなくて全部間違いになっちゃったこと。
ミッキーマウスのパズルがどうしても出来ずに、途中で放ったまま寝たら、朝テーブルの上で完成していたこと。
(それって子どもを育てる点でどうなの?というツッコミ入りで)
「毎日終電で帰ってきてさ、ご飯の後にあれやってたとしたら、大変だったと思うよ〜」と息子。
もうそれだけわかっていてくれてたなら充分だと、じわっときた。
高校の進路決めのころになっても、お父さん成績表を見て「一日も欠席してなくて偉いな」って言うから、「そこじゃない!」とよく怒ってたんだよなんて話も出て。
どうやら息子の妻も、両親から成績のことで何か言われたことはないらしかった。
自由に育った者同士、気が合ったということかな。
たまにはお父さんからガツンと怒ってと言っても、夫が大きな声をしたことはなかった。
(その分、私が怒りまくりだったが…)
息子の話を聞きながら、いいところもダメなところも、いいんじゃない?と思ってくれてるようで、子どもに褒められたような嬉しい夜だった。
二人の乗ったクルマを見送り、家に入ろうとした夫が「来たの9時半だよ?よその家に行くとは思ってないんやな」と笑う。
それでいいんじゃない?
自由な子たちなんだから。
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