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チームの状態を可視化する
こんにちは。スクラムマスターの@junichi_m_です。
普段はSRE活動に専念しているのですが、
久々にスクラムマスターに復帰する機会があったのでチームにジョインしました。
チームにジョインするのは半年ぶりくらいだったので、まずはチームの状態を知るために、ベロシティやタスクを分析しました。
その中で今回初めてのアプローチとしてgilotというツールを使ってアウトプットの分析を行ったので紹介しようと思います。
気をつけること
今回の分析は生産性を上げるのが目的ではありません。
アジャイルの生産性は「付加価値生産性」だと考えているので「コードのアウトプット=生産性」ではないです。
また、アウトプットを分析して評価に繋げるわけでもありません。
この目的はチームの現状を理解して、理想とのギャップを埋めるアクションを考える材料にするためです。
分析ツール
冒頭でも紹介しましたが今回は「gilot(ジロー)」というツールを使っていきます。
簡単な説明をするとgilotはバージョン管理システムのログを使って、チームの活動情報を分析し、結果を4つのグラフで表現します。
詳細な説明はこちらの記事をご覧ください。
グラフの見方や目安が分かりやすく説明されています。
分析結果
ツールの説明が少ないのは、GitHubにしっかり説明されているからです!
ここではさっそく分析していきます。
今回の分析では、チームに変化があった期間を分けて行いました。
下記のような3つの期間です。
1. メンバーが安定していると言われる時期
2. チームを再編成した時期
3. チームメンバーが減った時期
それでは各期間の結果を見ていきます。
1. メンバーが安定していると言われる時期のgilot分析
安定している認識がある期間なだけに、ジニ係数も良好で、コードのアウトプット分布もピークがなだらかなので活動が安定しているようです。
2. チームを再編成した時期
チーム再編成後に、新しいリズムを作るのに苦戦しているように見えます。ジニ係数が上がり、コードのアウトプットも一時期にスパイクがあるので大きなリファクタリング等が発生しているようです。
3. チームメンバーが減った時期
チームメンバーが減って、なんとなくペースが落ちたのではないかと体感している時期のようですが、ジニ係数はいたって良好になりました。
また、コードのアウトプット量は減少しているものの、分散が少なく安定した量を提供できているようにも読み取れます。特に注目すべきなのはメンバーが減っているにも関わらず「Actual Authors」があまり減っていないことでした。
わかったこと
データから読み取れることは、
「メンバーは減ったが安定したコード出力は出来る」
「アウトプット分布の分散から現状のチームに大幅なアウトプット量を求めることが建設的ではない」
ということでした。
メンバーが減りアウトプット量が減るのは自然なことであり、これが事実ということを可視化出来ました。
実際にこの結果をプロダクトオーナーに共有すると、もっとプロダクトのリリース戦略を考える必要があるので、作戦を立てようということになりました。
私はプロダクトは「開発チーム × プロダクトオーナー」でより良い効果が表われると考えているので、今回の分析結果がチームの現実を見つめて、理想とのギャップを埋めるためのカイゼンや戦略を立てるきっかけになりそうで良かったです。
まとめ
チーム分析をしようと考えたタイミングで、素晴らしいツールに出会えてよかったです。
「チームの現状を見てカイゼンするなんて当たり前じゃん!」
「OutputよりOutcomeが大事なんて当然でしょ?」
と思う方もいると思います。
しかし、頭ではわかっていても無意識に期待してしまいそれが結果的にチームへのプレッシャーになり心理的安全性を損ねてしまうこともあります。様々なアプローチでチームの状態を可視化して、そこからみんなでカイゼンを考えていくと「ONE TEAM」として良いプロダクトが提供できるので、
何からやろうかと悩んでいる方は是非試してみてください。
ちなみに今回はgilot以外にもタイムラインで発生した事象と合わせて分析しました。外的要因等が明確になるので、オススメです。
読んでいただきありがとうございました!