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46 予定より全然可愛くない登山


私、可愛い女性でありたいんですよ。(超唐突)


スポーツばかりしていて、感情表現が乏しくて…「可愛い」ってポジションにいたことが無いから、可愛い女性に物凄く憧れている。


本当は「苺柄のスカートを履いているピンクが似合う女子」になりたい。

ロリータとか似合う子になりたかった。

これ大マジ!!!!!

お人形みたいな可愛い女性になりたかったな〜。って。

完全に可愛いの具現化じゃん!


ちゃんと似合わないのはわかっているので手は出せなかった。

もちろん今では年齢規制にも引っかかる。

自分の姿を想像しただけでも悪寒が走る。笑

もう年齢的に「可愛い」という言葉が痛い。

残念ながら「可愛い」には消費期限があったようだ。



だから私は「愛嬌のある女性」でいることにした。

いるじゃないな。笑

目指すことにした。






これからの出来事は、愛嬌のある女性という意識を持った人物(私)のこと。



先日、彼氏と登山に行った。


彼氏が登山にハマり、毎週どこかしらの山を1人で登っていて充実感満載なので、私も一緒に行っても良いか聞いてみた。

友人とたまに登山はしていたが、毎週登っている彼にとって私は完全に足手まといである。

趣味に対して強制することは好きでは無いので、可能なら参加させて頂けたら幸いくらいの気持ちで。



「遅かったら、俺待てないよ?」


それは重々承知。

この男は、私のペースに合わせてくれるような男ではない。

待っててくれたとしても気だるそうにしているのは想像出来る。

想像しただけで、表情がムカつく。笑


ということで、別々に行動することを念頭に入れて登山に連れて行ってもらえることになった。

一人行動大好きなタイプなので、常に一緒でいなくて良い。

この時点で可愛げが無いのは否めない。笑

でもあんなに楽しそうにしてたら、少しでも共有させて欲しいって思った。

あと…車出して欲しかった。(あなたの車、私は運転出来ない。笑)




登山当日。

私は久しぶりということもあったので、自分の体力が心配だった。

水分・行動食・非常食も多めに持った。

楽しんでる相手に迷惑を掛けるわけにはいかないから。

何でも食べ物で解決出来ると思っている節は否めない。笑



彼の趣味の邪魔にならない程度に、自分なりに楽しもう!という気持ちで登山を開始した。


最初はペースを知るために、私が先に歩いて彼が後ろを歩く。

自分のストレスにならない程度には一緒に登ろうと思ってくれたんだと思う。予想だけど。

優しい所あるじゃん。予想だけど。



思ってたより余裕で登れる。

足取りが軽く、急な登りも、岩登りも、結構簡単にこなせた。


「登山って楽しいな~!」とルンルン気分な私。

そういえば、暫く後ろを振り返って無かったことに気が付いた。


彼も自分のペースで登りたいだろうと思い「抜かして良いよ!」と言おうと思った。

遅くて不機嫌になっていたら嫌だな~。





…あれ?



振り返ると数m後方に彼の姿。





…やってしまった。笑





自分が体力お化けなことを忘れていた!!!!!

歩くスピードがとても速いことも忘れていた!!!!!





息切れしながら、私に追いついた彼が「休憩しよう。」と声を掛けて来た。




…休憩するの忘れてた。笑

…何も気にせず驀進してた。笑




小中高のスポーツで「水飲むな!」「休憩するな!」で育ってきたから、休憩するという感覚が著しく乏しい。

現場で仕事している時も、いつも休憩しないから職人さんに怒られている。

「休んでくれないと、こっちが休憩取りづらいから!」って。


喉が渇いていても、限界値よりも遥か手前なのでお水を飲みたいという欲求が芽生えない。

部活では限界を突破した時、トイレで水を唇に塗りたくって喉の渇きを防いだことが1度だけある。(もちろん便器ではない。笑)

それくらい窮地にならない限り、私は水分補給も休憩もしたいと思わない。

だから休憩は人に声を掛けられて、水を飲めと言われないと出来ない体質。




肩で息をしてベンチで休む彼と、立ったまま遠くを眺める私。


…この構図、ダメじゃない?笑

可愛さの欠片も無い。笑

そして何か気まずい。笑




彼はまだ呼吸が乱れた状態で「何で息切れしてないの?」と聞いてきた。


何か勘違いしているけど、私も息切れはしている。

ちゃんと心拍数も上がって、鼓動が早いのも確認している。


ただ、息切れしてないように見せるのが上手いだけ!笑

中学の顧問の先生は、走り込みをした後に膝に手をついて前屈みになって呼吸を整えると怒鳴り散らし、追加で走らせてくる人だった。

だから上半身は上げたまま。

腰に手を当てて腕の力で上半身を支える。

そして一呼吸をゆっくり深く大きくすることで、早く呼吸を整える癖がついているだけ。

生きる術だった。笑




加えて彼は「しかも汗も全然かいてねえじゃん。」と言った。


いや、物凄く汗かいてる。

基礎代謝爆高いので、他の人よりかいてる。

アンダーシャツはビショビショだし、帽子の中も洪水状態。

ただ顔に全く汗をかいていないだけ。


これは販売員時代に習得した「顔に汗をかかない」という女優魂。

この能力は本当に重宝している。

頭も体もビショビショなのに、顔だけ汗が出ない。

化粧も崩れない。

傍から見れば、汗を全くかいてなくて平気そうな女。





声を大にして言いたい。





まじ可愛くねえ女!!!!!!!!!!!!





休憩後は、前後を交換して私が彼にペースを合わせるようにした。

うん。これが普通のペースね!おっけー!と心の中で呟いた。

体力おばけは、まだまだ元気いっぱい!笑



難なく頂上に付き、一緒にお昼を食べ、少しのんびりして下山した。


体力が有り余っていた私は、頂上でも下山中も饒舌。

比べて彼は元々寡黙なのに、拍車がかかって静か。

人は疲れると黙るらしい。笑



登山時間が4時間くらいなら、お水を1ℓは飲みきれないことがわかった。

心配性なので2ℓ持っていて重かったので、もう少し頑張って飲めば良かったな。




私の中では置いて行かれて、頂上で合流して「本当に置いていくの酷い!」って不貞腐れる予定だった。

ちょっとキャッキャする予定だった。

岩も1人で登るのが大変だから、手を貸してもらう予定だった。

そして笑顔で「ありがとう!」を言う予定だった。


下山後も「迷惑掛けちゃうけど、楽しかったからまた連れて行ってね!」って言う予定だった。

渋々ながら「まあ、良いけど。」って言ってもらう予定だった。





糞が!!!!!

私の体力、糞が!!!!!(口悪い)

あと予定多いな!!!!!




可愛い所が全くなかった彼氏との登山。

彼の感想は「体力すげえな。」でした。


そんなの凄く無くていいから、私は可愛げが欲しいです!!!!!!!


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