《モネの池》と呼ばれる「名もなき池」もいいけれど (旅で★深読み)
うだつの上がる美濃の街から、長良川の支流である板取川に沿って、30分ほど上流に車を走らせると、ここ数年話題になっている通称《モネの池》があります。
今年の板取川は6月4日が「鮎の友釣り」解禁で、街道沿いのあちらこちらに、
《おとり鮎あります》
という看板が出ています。
橋の上からながめれば、清流におとり鮎を泳がせている釣り人の姿。
よく見えませんか?
ズームアップしてみましょう。
中学生の時、友人2人と板取川の河原にテントを張り、飯盒炊爨をして泊まったことがあります。
問題は夜、川の音がやけに大きいためいつまでも眠れず、そのうち、そういえば、とこうした川では上流のダムで放流があると一気に水量が増して川遊びの子供が流されるそうだ ── と誰かが言い出し、怖くなってテントをたたみ、近隣の農家の納屋に「避難」したことがありました。
通称《モネの池》はそんな板取川の傍ら、根道神社の参道脇にある、もともとは湧き水が流れ込むただのため池でした。
すぐ隣にある花屋さんが池を掃除したり、睡蓮やコウホネを植え、近隣の人が鯉を放ったりしているうちに、まるでモネの絵のようだ、と評判になってきたのだとか。
今は睡蓮の花が咲き始めたところで、季節的にもこの池に合っているようです。
モネ云々がなくても、杉林や古びた神社を背景に、なかなか味わいある光景です。
それに、個人的にはむしろ、こんな看板に目が行きます。
左下の、
《モネ名物にしちゃいました!》
という「便乗の告白」がいいじゃありませんか。
そもそも、
この「モネの池」自体が便乗なんですから!
おそらくは花屋のご主人かその関係者が書いたのでしょう、池についての手書き説明(↓)もいいですね。
英文併記も親切です。
「スループレイでクタクタ→温泉と鮎刺し→うだつ→モネ池と看板」という1泊2日のいい旅でした。