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ジジイはどこで踊る? (街で★深読み)

季節が限られるため、親しい友人にもあまり知られていませんが、私の数少ない趣味のひとつが《盆踊り》です。
小学校のグラウンドで開催される学区の盆踊り大会はもちろん、毎夏、郡上八幡に出かけて踊っていました。

数年前、運のない若者が私を訪ねてきて、
「娘さんと結婚させてください」
と言うので、
「特に反対はしないが……」
に続いて、
「盆踊りは踊れるんだろうね?」
《本題》に入りました。

ひと月後、彼は粋な浴衣と帯を新調し、一家と郡上踊りに出かけることになりました。
「よし、合格だ」

トルコからの留学生も、タイからの留学生も、娘の浴衣を着せて郡上踊りに連れて行きました。
「よし、合格だ」

ところが、ご存じのように昨年から、町内も、学区も、そして郡上踊りも取り止めになってしまいました。

踊る場所を失ったジジイは、空しく2回目の夏をやり過ごした後、運動不足でもあり、スポーツセンターで開催されている《エアロダンス教室》に参加することにしました。

ところが、30人ほどの参加者は、意外なことに、あるいは当然のことに、全員が女性でした。
教室は11月から始まっており、ジジイは途中参加なので、クラスメイトはなぜこの《黒い白鳥》が紛れ込んで来たのだろう、とさりげなく怪訝そうに、いや、少なくとも歓迎している気配はありません。

しかも、インストラクターの先生(もちろん♀)が繰り出す、ダンスフォーメーションの複雑怪奇な組み合わせに、にわか参加のジジイはついていけません。
ワンテンポ遅れて飛んだり跳ねたりするジジイを、女性たちは(気のせいか? 自意識過剰か?)冷ややかに見ているようなのでした。

踊りたいジジイは、どこで踊ればいいのでしょうか?

なお、表紙の写真は、宿泊体験のある「ホテル郡上八幡」の公式サイトから拝借しました。ここに御礼申し上げます。
郡上踊り開催日程<新着情報|ホテル郡上八幡 公式サイト|奥美濃温泉郷・郡上温泉 (chitora.co.jp)

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