「吉川赳国会議員問題」の《本質》はそんなところじゃなくって、月額100万円支給される《文通費》を「パパ活」に使っていたのかもしれないこと (家で★深掘り)
政治的な問題、特に特定の政党や政治家個人に関わる問題は極力取り上げないことにしているのですが……
衆議院議員である吉川赳氏のスキャンダルについて、マスメディアの報道や一般意見の多くが取り上げている「問題」が、私の視点とは大きくすれ違っています。
その差異を、記事にまとめてみました。
代表的な報道は、
問題点として最も多く挙げられているのは、➀18歳の女性に酒を飲ませた、という部分です。
「未成年者飲酒禁止法(現在は、二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律)」に関する問題ですが、これは、親権者や酒類提供者を罰する法律です。
吉川氏に社会人としての道義的責任はあるでしょうが、誤解を恐れずにいうならば、「よくある話」でもあります。その程度のことで、例えば会社員が辞表を書け、と言われるでしょうか?
対象が政治家だったりジャニーズタレントだったりした時のみ大騒ぎするのは、おかしいんじゃないの?── と思うのです。
次に、「パパ活」で「4万円渡してホテルに行った」ことによる、➁「買春」疑惑を問題に挙げる人も多い。しかし、管理売春や勧誘・斡旋などの売春助長行為ではないため、「売春防止法」の刑罰の対象にはなりません。
実際、このnoteでも、パパ活に類する経験記事を見かけますが、この人たちに社会的制裁が加えられた話は聞きません。
➂「妻子がありながら……」という非難もそうですが、それはAgain、人類共通のテーマであり、政治家と有名タレントばかりが《道義的責任》を追及されるようなことでしょうか?
私は、このスキャンダルに「国会議員特有の問題」があるとすれば、それは、
吉川議員は、
「国政に関する調査研究、広報、国民との交流、滞在等の議員活動を行う」(国会法第38条)ために支給される《調査研究広報滞在費(いわゆる文通費)》を「パパ活」に使っていた
── かもしれない
点だと思います。
吉川氏は週に1-2回のペースでキャバクラにも行っていると自分で話していたそうなので、ひょっとしたら、所得税の対象にならない《文通費》は、相当額がそちら方面に使われていたのかもしれません。
だとすると、国会は議員さんに、税金からパパ活代やキャバクラ代を融通していたということになります。
「そんなことはない! その4万円は自分の貯金箱から出したものだ!」
そうおっしゃるかもしれません。
ならば、それを証明してください。
それは「ないことの証明」、つまり「悪魔の証明」であり、不可能だ!── とおっしゃるかもしれません。
自由民主党参議院幹事長の世耕弘成氏は、吉川氏の議員辞職を求めていますが、このように言っておられます。
世耕参院幹事長の論法と同じく、
「パパ活で女性に渡した4万円が、月額100万円支給される《文通費》から支払ったのではないという証明ができないということは、《文通費》から支払った可能性があると推測する」
ではないでしょうか。しかも、
「パパ活費用4万円が《文通費》から支払ったのではないと証明することは、簡単なはずだ」
── だって、《文通費》で使った費用の領収書を全て見せるだけのことなのですから。
つい3日前の報道です:
この記事によれば、「調査研究広報滞在費」の使途公開に関しては、
とのことでした。
現時点では「使途公開する必要はない」かもしれませんが、自らの疑惑を晴らすために「使途公開」をしてもいいのです。
《文通費》の使途を自発的に全て公開することによって、
「疑惑」の費用は《文通費》から支払ったわけではない
ということを、ぜひ証明していただきたい、と思うのです。
今回の吉川議員の場合だけではありません。
コロナ下で緊急事態宣言が発令中の深夜に東京・銀座のクラブを訪れた自民党の3議員についても、もし「《文通費》からの費用支払い疑惑」を持たれたら、同様に使途公開すればいいのです。
なお、《文通費》の使途を自発的に全て公開している政党もあります。
こうした党に所属する国会議員は、たとえ「パパ活」にお金を使っても、それは歳費(給料)・ボーナスあるいはそれまでの貯金などから支出している、と証明されているわけで、今回のような事案が発生しても、
非難されるようなことはない
と私は思います。
吉川議員は資産家だそうですので、《文通費》の使途を自発的に公開していれば(私からは、ということになりますが)非難されることもなかったのです。
こうしたお金を《文通費》から出していなければ、
《国会議員としての道義的責任》など感じる必要はない
皆さんはどう思われるでしょうか。
もっとも、奥さんや娘さんなど、家族から非難されることはあるかもしれませんが……。
*************
ということで、《新釈ことわざ辞典》の項目がひとつ、生まれました(次回)。