ちょっと怖いドア(街で★深読み)
織田信長関連の史跡を巡って歩いていたら、不思議なドアを見かけました。
4階建て建物の2階に突然、玄関らしきドアがありました。
隣が空き地になっていたので、そのスペースに別棟があったのか、あるいは2階玄関に至る階段を取り壊した跡かもしれません。
いずれにせよ、その別棟なり階段があった頃のつもりで向こう側から出てきたら、えらいことになりそうです。
私なら酔っぱらってやりそうで、ちょっと怖い。
その昔、南伸坊さん、赤瀬川原平さんらが「路上観察学会」を作り、『東京路上探険記』を上梓していましたが、世が世なら、このドアは採用されたかもしれません ── あ、東京じゃないか。
そして突然思い出したのが、高校時代の友人の家。
なんでもない二階家だったのですが、階段がなく、2階に上がるためにはエレベーターを使わなくてはなりません。
しかし、そのエレベーターは、どう見ても扉の無い押し入れで、つまりは押し入れ状の空間に入ってその外側の柱にしつらえたスイッチを押す。
すると、ガガガガ-ッとエレベーターが動き出し、急いで手を引っ込める(扉の無いエレベーターから手を出していたらどうなるか、想像されたし)。
エレベーターの中から眺めていると、1-2階の間の構造物を経て2階にたどり着く、という状態でした。
「もし、停電中に火事でも起こったら、2階からどう逃げるの?」
尋ねると、
「2階から飛び降りるだけさ。死ぬこたあないよ」
と。
この家を設計した彼の父親がまた《謎》の多い人物でした。
この人の職業は一体何だろう ── ずっと不思議でしたが、友人が10数年前に父親についての本を上梓し、何十年ぶりかに謎が解けました。
── その話はいずれまた。
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