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【待てば海路の日和あり】(新釈ことわざ辞典)記事版

「……ってお前が言うんでただグダグダしてたらこうなっちまったじゃないか!」待ち続けたあげく難破直前になって責任を押し付け合う時に交わされる怒号。

実際、困難な状況でただ風向きが変わることだけを待っていたら、ほとんどの場合、事態は悪化する一方でしょう。
企業でも、国家でも、家庭でもそうでしょうね。

この国で1990年代にバブル経済が崩壊した時も、
「これは一時的なもの」
と希望的に観測して、
「早く元に戻ってくれ」
とただ祈り、待つだけの経営者、いたでしょうね。

似たことわざに、
【果報は寝て待て】
がありますが、こちらは、
【人事を尽くして天命を待つ】
ほどではなくても、対処すべきことはひと通り行い、あとは結果について気を揉むのではなく、あとは待つしかない、というニュアンスです。
【待てば海路の日和あり】
の『ノー天気楽観主義』とはかなり異なります。

家庭内も同じで、配偶者の機嫌が悪い時も、
(よくわからんが……そのうち戻るだろう)
態度を改めないと、事態は悪化するだけかもしれません。

この国自体も同じで、課題であった、
・少子高齢化
・東京一極集中と地方の疲弊・過疎化
・既得権益死守勢力の構造改革妨害による低生産性

が、かれこれ長い間、ずっと課題のまま ── いや、一層悪化しています。

世界はドラスティックに変化しているのに、ただ待っていれば昭和中期の高度成長時代に再び戻るとでも思っている?

……やはり、『世襲』以外の政治家若返りが必要かもしれませんね。
老人は過去の成功体験が頭から離れないし、世襲政治家は若くても取り巻きが守旧派です。
「世襲にも優秀な人はいる!」── よく聴くセリフです。
でも、世襲政治家が選挙に強いのは、先代からの強固な支援者がいるからで、この人たちを裏切ることはできません ── たとえ、その『優秀な』世襲政治家が国全体を前に進めるために彼らを切り捨てなければならないとわかっていても。

あとは、『官↔民流動化』とセットで行う『外郭団体天下りの禁止』、でしょうか。

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