《夫からの電話》に関するマーフィーの法則
夫からの電話は、手が離せない時に限ってかかってくる。
「あんたねえ、どうしていつもいつも、私が忙しい時に電話かけてくるのよ!」
「いや、……用があるからかけてるんだけど」
「今日だって、ちょうどスーパーのレジで電子マネーで支払うのに、店員がもたついてもめてる時にかかってきたんだから ── しかも、くだらないことで」
「くだらないことって……爪切りがどこにあるか聞こうとしたんだけど」
「くだらないことじゃない!」
「いや、爪を切るのは人類にとって重要な……」
「そんなに重要なら、金庫にでも入れておいて、いちいち私に聞いてこないようにしてよ! ……まったく、もう……ややこしい道を運転している時とか、友だちの込みあった相談に乗ってる時とか、電器屋で返品交渉をしている時とか、手が離せない時に限って電話してくる! ホント、嫌がらせじゃないかって思うくらい!」
「嫌がらせって……それ……」
「ホント、あんた、どこかで私のこと監視してて、一番忙しいタイミングを狙ってかけてくるんじゃないでしょうね?」
「はあ? ……ストーカーじゃないんだから」
「あんた、だいたい、昔からそうだったわ。子供が小さい時、苦労してやっと寝かせた、という瞬間を狙ってかけてきて、『今から帰る』だの『今日は吞んでくる』だの、どうでもいいこと言うだけでさ、寝そうになってた子供はまた起きて目が冴えちゃうし、ホント、|嫌《いや》がらせ以外の何物でもなかったわよ!」
(……くわばらくわばら。退散するに限る)
《マーフィーの法則》には、
「起こる可能性のあることは必ず起こる事象」
という狭義の定義もあります。
そこは気にせず、広義の《マーフィーの法則》、すなわち、
「必ず」「いつも」「……に限って」「誰でも」「どこでも」「……の確率で」「……の割合で」「……に比例して」「……の瞬間に」のような言葉が入った断定的な文で、
「こんなのあるある!」
と共感をいただける(……かもしれない)《法則》を書いています。
皆様の《マーフィーの法則》があったら、ぜひ教えてください。
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