potti
心に刺さった言葉を勝手に入れさせて頂きます。きれいな言葉、心に響く言葉、素敵な価値観、切実な想い、正直な気持ち、潔さや重さ、素敵な人達の素敵な言葉。ご興味あれば是非ご堪能下さい。(私が忘れっぽいだけという理由を拡大解釈してみました。え?)
【蛇足】2020年3月に蛇足を付記した11本を収録。
【蛇足】2020年2月に蛇足を付記した10本を収録。
【蛇足】2020年1月に蛇足を付記した15本を収録。
過去に上げた詩のようなものに、蛇足(解説というか、エッセイというか)を付記しています。こちらには蛇足部分が無料のものを追加していきます。
言葉を 紡ぐ。 ひとつ ひとつ 丁寧に 誰かのため 自分のため 頭の中を ひらり舞う 言の葉を つかまえる 目や 口や 鼻や 皮膚 体全てを通して 受け取り 感じ 想い 混ざり合ったものたち その混沌から ひとつ ひとつ つかまえては 並べていく ひとつ ひとつ 丁寧に 伝えるために 伝わるように そこに完璧はなく あるのは 祈りにも似た 想い
お前は何のために生きている 私は私に問う 私の中の大勢は 何を問われたかもわからず ただ 明滅をくりかえす 火が燃やさんとすれば 熱いと避け 広がろうとすれば 危険だと消し 遠ければ見つめ きれいだと つぶやく ただ それだけ ただ それだけなのに 何のために生きるのかと問う その愚鈍さが まだ ある
終えるということも 続けるということも まるで 同じ決断であるかのように 動くということも 留まるということも 自分の意思であるかのように 平然と 無数の選択肢を なかったことにする 気づかないだけ 気づかないふり 決めたつもり 選んだつもり そうやって 生きていることを 選び 何もしないことを 決める たまに浮かぶ あるいは 思い出す 何かを 見なかったことにして まるで何かに 縛られているような ふりを
夜のしじまに ふと 沈殿している 自分を 見つける どれだけ とどまれど 流れは 止まらず 濁りきりも 澄みきりも しない 隙間に 夜と 朝の 隙間に 落とす 落とす 落とす 置き去る すり抜けた自分が 抜け殻を見つける 抜け殻が こちらを みつめる どうしたって そちらの方が わたしであるのに すり抜けた何かが また わたしに
曇った窓 くすんだ床 散らかった机の上 回り続けた換気扇に フィルタに 排水溝 水回りに 家電 気がつけば ひととせ 気づかぬうちの 汚れと埃 時の流れか 生きた証か 当たり前のように 積み重なったものを 当たり前のように 片付け 磨いていく 始まりを 迎える前の 束の間の 無心 【蛇足】2020.12.30
何かを 探して ここまで 何かを 求めて ここまで 来た気がするけれど 何か が 何だったか 気づくと 思い出せない 果たして それが 明確であったことが あったか 形のない 何か 掴めない 何かを 求めてきたのかもしれない 最も欲するものが 決められなかっただけかもしれない 否、 その時最も欲するものを 求めてきたはず ただ どれが最も欲しいものかと
もとは ばらばらであったもの 都合が良い それだけの理由で 集まっていただけ 情報と 価値の 交換 エネルギーの 生産と 供給 集まれば 都合よく ひとところに ひとときに もとは ばらばらで それぞれで 師走だからなんて 通じない それぞれの 都合と 事情で 集まらず 離れて 必要最低限の ネットワーク上の 交換と 共有とで それぞれの
目を瞑り 心を退き 当事者としての 自らを 置き去りに 一歩 外へ 一段 上へ 呼吸や 心音は 自らのものでは ないかのように 観る 触れず 感じず 観る もう一段 また一段 視点を 高く 視野を 広く 視界を クリアに ただ 視ることで 点と点は 繋がり また途切れ 行動と 行動が 繋がり
未だ 道の 途中であると 気づかされるたびに どこまで と 自らの 終着に 想いを 馳せ 終わりを 夢想する 整理を つける 整理など つくはずがない しかし 可能な限り きれい で ありたい 否 きれい に なくなりたい ただ あまりにも 途中で 否 そう 考えたいだけ どこかで まだ と
明日 あなたが 終わるのなら 何を 話すだろう 明日 あなたが 消えるなら 何を 伝えるだろう 最後なら 言えること 最後に 伝えねばならないこと 伝えたい 人 もしも その人が 明日終わるなら 明日消えるなら それはきっと エゴでもなく 優しい嘘でもなく ただ 相手のためを 想い 願った 心根。
動かない こころが ひとつ 揺れ ない 何を 見ても 聞いても 動かない 比べ 考え 予測し 少し先の 未来から 閉ざす 揺れない 触れない 響かない 干からびた 乾ききって 割れた そこに どんな水を そそいでも 元どおりには ならない 大量の水を そそぎ 捏ね 形の変わった こころが 違う景色を 見せるけれど
ふわり と 膨らんだかと思えば いつのまに 霧散し ふわり と 浮かんだかと思えば いつのまに 重く のしかかる ふわり と 軽く ふわり と 重く 幻想と 現実の あいだ 浮かび また 沈む いくつ 数えただろうか ふわりと 軽く 生まれたものたちが 人生の質量を 重くする 今日もまた ふわり を 数える
黒い 雫が ぽつり 肌を 濡らし 黒い 点を つくる わたしを 見つめる 黒は 音もなく 静かに 広がり 私を 飲み込む 主体と 客体は 入れ替わり 闇 私となった 真っ暗な闇は 音もなく あらゆるものを 飲み込んでいく なにもかも すべて 消し去るように 黒は 白を求め 触れることで 染め
紙一枚ほどの 隙間に すっと 言葉を 通す 辛うじて 開けてくれていた その隙間に 通る 言葉を 伝わる 言葉を 通して もらえる 言葉を そっと 贈る あわよくば それが 通るだけの 言葉ではなく 少しでも 開いてもらえるような 言葉であることを 願って これは わたしの エゴではないかと 問い続けながら
暗闇に 突如として 現れる それは 網膜に 眩しさと 知覚に わずかな 痛みを そして 温かさと 安堵を もたらす 光源が 大きければ 大きいほど 光が 強ければ 強いほど 目が眩む が それも いずれ 慣れ 皆 そこへ向かい 手を伸ばす 光に 届かんとするものの 手が 体が 背後に また 影を作り 光を 覆い尽くす
寝食を 忘れて 何か したい そう 思うほどには 老いている 寝食を 忘れるほど 熱中など そう 思うほどには 順応してしまっている 幾重もの フィルタを通り 繰り返された ノーマライズ 否 繰り返してきた 最適化 その結果としての ノーマライズ 気づけば 熱中し 寝食を 忘れ 没頭し その度に 新しい 景色を見た