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「電気椅子取りゲーム」の面白さの分析
はじめに
テレビを見ていたら「水曜日のダウンタウン」で「電気椅子ゲーム」というゲームをしていた。これが面白かったので、そのゲーム的な面白さを分析してみた。
ルール
しかける方(攻撃)と座る方(守備)が1対1で、12個の椅子を取りあう。
12個の椅子には①~⑫の番号が振られている。
[攻撃]は、椅子のどれかひとつにビリビリをしかける。
[守備]は、ビリビリを予想して椅子に座る。
・はずれ→座った椅子の番号が得点となる。
・あたり(ビリビリ)→今までの得点すべて没収。座った椅子は撤去する。
交互に6回繰り返して得点の多い方、または40点先取した方が勝利。
ただしビリビリを3回受けると強制負けとなる。
ゲームとしての面白さの理由
理由1:操作がかんたん
先攻後攻ともに操作は<選択>(座る/しかける椅子を選ぶ)+<決定>のみ。取っつきやすい。見ている側も今なにをしているかわかりやすい。
理由2:選択にバイアスがある(☆)
点数差のある椅子を早い者勝ちで入手できるルール上、座る/しかける<選択>の判断にバイアスが生じる。
選択という自由行為のなかに、一長一短となる要素(高得点だけどビリビリがしかけられているかも)を加えることで自由への足かせを心理的にはめる。結果、懊悩を彩ることができる。
理由3:勝利条件が複数ある
①点数の高い方、②40点先取、③相手を3回ビリビリ。これら勝利条件は同時進行で狙うことができる。これは複数方向から攻めるイメージであり、将棋や五目並べなどの全体俯瞰による攻防に近いように感じる。
さらに当該理由は、ゲームが進むにつれどれか1つの条件が優勢、もしくはその条件しか勝てない状況になる(相手にもそれがわかる)。
これもまた理由2に近く、時間経過とともに選択にバイアスがかかっている。
その他の理由(ゲーム以外の要素):
・対人特有の駆け引き(守備側が座るまえのやりとり)
・演出が派手(ビリビリを受けたときのリアクション)
自作ゲームへの適用
上記理由を踏まえると「選択にバイアスをかける」ことで面白さを適用できるということが分かる。どのキャラクターを使おうかな。どの武器を装備しようかな。どっちを花嫁にしようかな。
選択を悩むことがゲーム。たとえゲームを操作していなくても。
そう考えると、ゲームを買うか悩んでいることもゲームなのかもしれない。
なお、再考してみるとこれは賭博系に多くみられる要素でもある。(ex:捨て牌から配牌・あたり牌を予想する麻雀、札の約25%が10となるブラックジャックなど)
最後に
面白さを分析してみた結論としてはギャンブルの面白さ(=原始的面白さ)に帰結してしまった。
が、これは骨折り損のくたびれ儲けではなく、分かり切った明快な理屈が導きだされたとして大いに喜ぶところである。
以上