2022年4月16日
その日は深夜まで非常に楽しく過ごしたが、深酒とお調子者がひょっこりと顔を出し、午前3時に家路についてから眠るまでの間、幾分か反省した。
午前8時には目を覚まし、定期検診のため病院へ向かう。
主治医から、規定内ではあるが、いくらか血圧の上昇がある、と指摘され
「夜中の2時までぐでんぐでんに酒呑んでましてん」と正直に告白したところ、年齢を考えろ、あなた一体おいくつなんですか?等の非常にありがたいお言葉をいただき、足早に病院を出た。
お昼時であったため家に帰る途中で、非常にボリューミーで美味しそうな唐揚げ定食とビールをたしなみ、のんびりと家についた。
家についてからもどこか落ち着かず、ゲームをしたり書きかけの原稿を書いたりを交互にするもどうにも腰が座らず、散歩がてら少し早めに家を出た。
19時までに寺田町に着けば十分に間に合うのだからと、天満橋で電車を降り、そぞろ歩き川沿いを散歩した。
空気が初夏の匂いを放つ。春よ、お前は何処へ。。。なぞと少し感傷的になりつつ、過ぎていった時間、そして過ぎていく時間の流れを思い、また少し歳を重ねたことを改めて噛みしめる。
音楽は不思議だ。
匂いや記憶のように感情に侵食し、その時々の鼓動を喚起させる。
抗えないと諦めかけた世界への抵抗や、愛を告白できず悩んだ日々を消しさる勇気や生きていくことへの覚悟。そして、残酷なまでの日常を垣間見せることで自問自答の沼で溺れるものへ、厳しくも手を差し伸べたり。
そんな思いを抱えながら、2年ぶりとなるwash?とのツアー「Two hearts beat as one」でmy funny hitchhikerを感じるため会場へ向かった。
開場前にマイファニファミリーであり、映像監督でもある河合さんと遭遇。
他愛もない話がアイドリング状態の気持ちを少しずつ高ぶらせていく。
配信ライブは鑑賞していたが生身のmy funny hitchhikerを今から見れることに否が応にも期待している自分がいた。
この未曾有の事態の中、誰よりも見に来てくれる人達を思うことから
LIVE中止の決断をしていたが、立ち止まることなく動き続けてきたmy funny hitchhiker。そしてLive再開を決めてからの日々。彼らはその期間、何を見つけ何を失い何を思ったのだろうか。その答えを今夜のLIVEで見せつけてほしい、と強く願い開演を待つ。
そして演奏は始まった。
そこには1匹の怪物がいた。
感情に猛り、叫び、語り、美しいメロディーがノイズやハウリングにまみれのたうち回っていた。
ベーシストは着地点を冷静に見極めながらハンドルを握る。
ドラムスは全ての感情を絞り出すようにロールしエンジンを担う。
そしてギタリストでありボーカリストでもある彼は、壊れることなぞ絶対ありえないとばかりに、アクセルを踏み続ける、かと思えば一転して薄暮の先の光を集めるように、丁寧に音を一つずつ紡ぎ出す。
圧巻の一言しか出てこないLIVEだった。
今まで何百本ものLIVEを見てきたが、こんな夜は片手で数えるほどしか記憶がない。
しかし、確信できたことがある。
これがmy funny hitchhikerなんだと。
この感情を呼び起こす塊こそがmy funny hitchhikerだと。
そして、ジャンルとしてのBruceではなく、語源である悲しみや抱えきれない思い、そして綻びかけた喜びが魂を救う言葉が「ブルー(blue)」。
そう、Bruceならば、果てしないBruceをmy funny hitchhikerからは感じる。
異質にして王道。
この日のようなLIVEを、あと何度見れるのか。
いや、この日のようなLIVEを毎回見せてくれていたんだ。
時代が追いついた、なんて安い言葉はいらない。
俺がmy funny hitchhikerに追いついたんだ。
底なしのmy funny hitchhiker。
最高のBAND。
★最後に
リリース時に私が書かせていただいた、my funny hitchhikerの1stAL「Two muffs beat as one」とスペシャルAL「Funny party」のレビュー、LIVEDVDのリンクを載せております。できるのならばヘッドフォンではなく、空気の振動を感じられるスピーカーで(大きい音で)聴くことをおすすめいたします。
また、最後にmy funny hitchhikerの楽曲からインスパイアを受け作成した「Birth of a prison 〜 Including my funny hitchhiker 〜」というSpotifyのプレイリストも興味があれば是非聴いてください。
my funny hitchhikerはLIVEと音源では全く違う表情を見せてくれるBANDです。LIVEをみて気になった方は音源を、音源で気になった方はLIVEを体感してほしい。
☆my funny hitchhiker 『Two muffs beat as one』 (2020)
☆my funny hitchhiker 『Funny party』 (2020)
映像DVD版「20201220251」
「Birth of a prison 〜 Including my funny hitchhiker 〜」