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魅惑のRiddim!華麗にまわるこぶしと、ムーディーなコーラスに酔いしれる。今宵はあなたとトロット気分!


あなたは知っているだろうか?韓国歌謡・演歌であるトロットを。

トロット(트로트、트롯)は、韓国の音楽のジャンル。演歌から派生したものであり、日本では韓国演歌とも呼ばれる。「成人歌謡」「伝統歌謡」「ポンチャック」とも呼ばれる。

そのトロットの魅力に魅せられた私が、極私的ではありますが、熱く紹介させていただきます!

1.黄色いシャツの男

1961年に、一曲の後世に残るルーツトロットナンバーが生まれた。ハン・ミョンスク(韓明淑 / 한명숙)の「黄色いシャツの男」(노란 샤쓰의 사나이)である。

歌詞の「オッチョンジー」の語呂の響きや、メロディーの伸びやかさも重なり、当時16歳の、パンチパーマでヘビメタキッズだった私のハートを撃ち抜き、初めて聞いたときは「なん?」と、思いながらも知らぬうちにSwampにズブズブとハマっていたのでした。

ハン・ミョンスクさんの「黄色いシャツの男」

2.偉大なるトロット歌手

そして1960年から1970年にかけて、日本でも知名度のある、偉大なるトロット歌手たちがデビューをしていく。

はい、皆さんご存知ですよね。ミリオンセラーが50曲以上ある「トロットの帝王」「トロットの皇帝」こと、高嶋政宏さんではなく、羅 勲児(ナ・フナ)さんでございます。

ナフナ

羅 勲児さん

さらに、紹介するのもおこがましいですが、カントリーグループ「エトキンズ」のギタリストから、華麗にトロット歌手へ転身し、「釜山港へ帰れ」が日本でも大ヒットしましたね。ちょっとファニーな梅沢富美男フェイスのチョー・ヨンピルさん。

チョ_

チョー・ヨンピルさん

そして、1円玉を1枚作るのに2円かかるというパラドックスや、アポロ11号とファミコンの容量は同じ、なぐらい世間の常識過ぎて、紹介するのもおこがましいのですが、紹介しざるを得ないのだ!ということで、ご勘弁いただきたい。

トロットアルバム「歌の花束」が韓国のレコード史上最大の360万枚の売上を記録した、現代韓国トロットのスーパースター、キム・ヨンジャさん。

キム・ヨンジャ

キム・ヨンジャさん

このように、偉大な先人たちからトロットスピリッツを受け継ぎ、現在も韓国トロット界は日々、進化し続けているのであります。

3.虎だ お前は虎になるのだ!

「おれさぁ、貧乏でもやっぱバンド続けたいんだ」「インディーズでがんばってさ、いつかさ、スタジアムバンドになろうぜ!」いつの時代も、祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響あり である。

ピラミッドの頂点に、トロットスーパースターがいるように、アンダーグラウンドにも明日のスターを夢見て、自主制作に勤しむトロットジャンキーたちがいる。

ただ、そのトロットジャンキーたちと、夢見るバンドマンたちには、超えられない壁がある。それは「経済力」だ。資本主義の残酷さよ。。。

その理由は、トロットジャンキーの大多数は、定年を迎え、隠居した「爺さん、婆さん」の老後の楽しみなのだ。「死んじまうんだから金は一切、残さねー」Mindである。

よしんば、自主制作したカセットテープが売れたりしたら「あらやだよー、あたしスターになっちまうんでないかい ほほほ」なのである。

このヒエラルキーは、日本の演歌界でもすでに顕現しており、老齢化したインディーズスターがメジャーシーンへ殴り込みをかけた例として、近年では、そこはかとないトロットスピリッツを感じる、平野雅昭さんの「演歌チャンチャカチャン」や大泉逸郎さんの「孫」などが記憶に新しい。

同様に、昨今のバンドマン高齢化問題に一石を投じる意味でも、非常に夢がある例ではないでしょうか。

平野雅昭さんの「演歌チャンチャカチャン」

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大泉逸郎さんとお孫さん

4.トロットの魅力

トロットと言っても、現代のトロット界においては、ジャンルごとに細分化されており、演歌系トロット、歌謡曲系トロット、アイドル系トロット、そしてEDM系トロットと大きく分けることができると思います。今回は私が好きなEDM系トロットを紹介させていただきます。

EDM系トロットといってもメロディーは、日本の演歌のような「ヨナ抜き音階」が多く、そのバックトラックがスカスカなEDMであるのを、ここではEDM系トロットと呼ぶことにします。

4つ打ちにチープなシンセのバックトラックに、むせび泣きくサックスやギターのペンペンした単音が合わさり、ムフフな女性コーラスとこぶしが効いた、ヨナヨナなメロディーが、聴く人すべてをダンスの、その先に導くようなセレブレイション空間を作り出します。

言葉ではなかなか伝わらない、だって、音楽なんだもん、という訳で私の作成したプレイリストをお聴きください。

許されるなら、ウェッサイイッサイ、ウーハーズンズンな車で是非、商店街の中を大爆音で鳴らしながら走っていただきたい。そして、トロットバージン&チェリーボーイな爺婆に聴かせたい!そんな妄想が駆け巡りますね。

5.最後に私の好きなトロットシンガー

ここまで、素晴らしきトロットの魅力を、見えない霊に語るが如く書き連ねてきましたが、最後に私の好きなトロットシンガーを紹介して終わりたいと思います。

・ホン・ジニョンさん

ほ

好っきゃわー。結婚でけへんかしらん。でけへんわな。。。って妄想するぐらい好きなトロットシンガーです。韓国では「トロットの女神」と呼ばれているそうです。あぁ女神様!「チョワヨー」のコール&レスポンスとバックのダンスにも注目です。

代表曲の「愛のバッテリー」

・クム・ジャンディさん

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私が一番好きなトロットシンガーです。韓国では「トロットクィーン」「高速道路の女王」の名でも呼ばれ、ファンクラブでは「公主様」の呼び名で親しまれているそうです。あぁ公主さま!


名盤「トロット国家代表」シリーズがSpotifyに入っていないのが残念ですが、是非、私のプレイリストも聴いてみてください。

これを機会に皆様がトロットに興味を持っていただけましたら、これ以上の喜びはございません。


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