渚のリーチ 黒沢咲 読後感
和歌山しぶにぃファミリーオフの帰り際、Mリーグショップに立ち寄ることが出来た。
ごみりさんの運転する車内、Yeaohさんと俺との三人で今回の旅や、これまでのしぶにぃのチャンネルのこと、Mリーグのこと、それぞれの麻雀感なんかをゲラゲラ笑いながら話した。
サプライズで大阪迄ヨッシーさんが見送りに来てくれて、Mリーグショップまで案内してくれた。ヨッシーさんはコナミのファンで、コナミの応援団長のYeaohさんに会いにやって来た。そのついでに俺もニヤニヤしながらくっついて行ったのだ。
そこで、R.M.Oパーカーと共に、渚のリーチを購入した。
俺は、Mリーグ初年度からドラフトも含めて、Mリーグに齧り付いていた。
これまでもプロの対局をチラチラ見ていたことは有ったが、Mリーグは明らかに趣が違っていた。藤田社長が人生を掛けて、麻雀そのものの魅力をもっと沢山の人達と分かち合いたい、という思いが物凄い規模で実現しようとしていた。
一麻雀打ちの立場から、麻雀自体に大きな変革が起きる予感に、勝手に興奮しまくっていた。
チーム戦というコンセプトは当初ピンと来なかったが、一際俺の目を惹き付けるチームが有った。
チーム雷電。
麻雀番組でよく目にしていた、強いと評判の萩原聖人。個人的には教祖誕生の演技は秀逸だった。
連盟の瀬戸熊直樹。鳳凰位を三度目獲得したときの麻雀を見てから、その人物像に触れ、麻雀打ちとして畏敬の念を抱いていた。
もう1人が黒沢咲だった。その存在は良く知っていたが、麻雀の印象は正直薄かった。宮内こずえでも、二階堂瑠美でもなく選ばれたのは少し意外でもあった。
黒沢咲をMリーグに連れて来た、全ての事象に感謝したい。
渚のリーチを読み進めていく中で、何度も思った。
今や、雷電の心臓は彼女であるのは間違い無い。
渚のリーチはフィクションの作品だが、明らかにノンフィクションといってもおかしくはない場面の描写もあった。
麻雀というゲームの性質上、全ての起こりうる事象は偶然と片付けてもイイものである。
その偶然の重なりが、きっと彼女をここ迄連れて来てくれたのだ。
配牌は、一期一会である。
麻雀を打てば打つだけ様々な配牌と巡り会う。
打ち手はその無情な牌の並びに翻弄され続けなければならない。
Mリーグ開幕当初、比較的フラットに見ていたつもりだったが、いつしか雷電の勝ち負けに一喜一憂する様になった。萩原聖人は負け続けていた。瀬戸熊直樹も負けていた。その中で黒沢咲は、己の麻雀を貫いていた様に見えた。彼女の自摸ってくる牌は特別だった。
ニコニコ微笑み、少しだけやり遂げてホッとした表情で勝利者インタビューを受ける黒沢咲は頼もしかった。
今迄のシーズン、雷電ファンは悲しく辛いときを過ごしてきた。
昨シーズン(2011-2022)なんかは、負け過ぎてファン同士で言い争いになっていたりした。
今シーズンこそ。
昨年加入した本田朋広は本来の輝きを取り戻しM.V.P争い。瀬戸熊直樹は最強位を連覇してこれから。萩原聖人は忙しかった俳優業で参戦数が少ない中、年末に初勝利を上げて個人最下位から浮上。
黒沢咲が後半からセミファイナル、ファイナルで今迄の麻雀を打てれば、きっと。
2022THEわれめDEポン、萩原聖人が優勝したと速報が入った。通算20回目の優勝だそうだ。
年明けのMリーグ、楽しみだ。おもしろい麻雀の集大成だ。負けたら、来シーズンはこのチームは解散。
負けないさ。
R.M.O! (了)