【まちづくり3.0とは?】 まちDAOが地方を救うかもしれないお話
まちづくりってなんか地味。
まちづくりについて、皆さんはどのようなイメージを持っていますか?
「地元の特産品をリブランディングして売り出そう!」
「ボロボロの空き家をリノベーションしてカフェを作ろう!」
「ガラガラの観光地にどうやって人を呼ぶか考えよう!」
「まちの景観を良くするために緑を植えよう」
全部地味!!
大変な割に儲からなさそうだし、華やかとは言えないですよね…
(現在着手されている方にとって失礼な表現になり申し訳ございません。)
でも実はまちづくりだって少しずつ進化しているんですよ!
みなさん、よく考えてみてください。
そもそもまちを自分の手と頭を使ってプロデュースするなんて
なかなか壮大で面白そうだとは思いませんか?
そこで今回は新たな手法となる「まちづくり3.0」という概念を紹介します。
「まちづくり3.0」を知れば、最新のまちづくりがいかに興味深く、可能性に満ち溢れているか、思い知ることになるでしょう!
まずは新しい概念を理解するために、
まちづくりが辿ってきた現在までの道程を見ていきましょう。
まちづくり1.0とは? ー都市開発ー
まちづくり1.0とはズバリ、都市開発です!
都市開発の特徴は、行政や大企業がインフラ整備やハード面の開発など、大規模な資金投入によって都市の利便性や集客性を向上しようとする点です。
【都市開発のメリット】
商業施設や観光資源など大きな収入源を生み出せる
大量に事業委託されるため開発段階での経済波及効果も大きい
住民が直接的にアクションを起こさなくても開発が進む
【都市開発のデメリット】
既存の地域資源が破壊されるため住民の愛着が減衰する
莫大な資金が必要なため財政に余裕がないと遂行できない
トップダウンの意思決定によって民意が反映されない
もちろんメリットもあり、大規模開発によって豊かになった街はたくさんあります。しかし同時にデメリットも大きく、諸刃の剣と言った印象です。
そしてこのデメリットを受けて誕生した概念が「まちづくり2.0」なのです。
まちづくり2.0とは? ーエリアマネジメントー
まちづくり2.0とは、エリアマネジメントです!
エリアマネジメントとは、地主・事業者・住民(+行政)など、自治体構成員によって行われる、地域の価値を維持、向上させるための取組みのことを指します。
理にかなっている…
確かに魅力的なまちになれば生活も商売もしやすそう!
まさに win-win な手法です。
【エリアマネジメントのメリット】
莫大なコストをかけずともまちのリノベーションが可能になる
既存資源の活用が促進されるため地域の魅力を再発見できる
住民自らまちの設計に携わるため地域への愛着が深まる
ビジョンの共有や活発な議論によって信頼関係が構築される
素敵なメリットの数々。
住みやすいまちに生まれ変わりそうな予感がしてきました!
いや、ちょっと待った! まだ早まってはいけません。
これには落とし穴があります。
続いてデメリットも見てみましょう。
【エリアマネジメントのデメリット】
まちづくり会社が儲けて住民は搾取されるリスクがある
善意に依存する部分が大きく積極的な住民参加が見込めない
住民主導のまちづくりと言えば非常に聞こえは良いですが、
地域内から善意と資金を搾取して外部流出させる装置を
作りかねないのも事実です。
例えば住民協力のもとカフェをオープンし、地域ににぎわいを生み出したとします。しかし実態は、域外の仕入先にお金を支払い、協力してくれた住民からお金を受け取る。そして差額分の利益は経営者の元へ消えていきます。
これはまちにとって最悪のシナリオです。
また、エリアマネジメントでよく目標として掲げられる「にぎわい」や「住みやすさ」は、住民にとって中長期的にメリットをもたらしますが、直接的かつ短期的に住民が恩恵を受け、満足できるような事業はほぼありません。
果たして我々人間は、
将来の間接的な利益のために一致団結できるでしょうか?
ついつい目先の善し悪しで判断してしまわないでしょうか?
これらのことからわかるのは、エリアマネジメントはあくまでも、
「 "ホモエコノミクス" を前提としたまちづくり」ということです。
人間も組織も毎回合理的な答えを導き出せたら苦労はしません。
最近トレンドとなっている行動経済学という分野では、
人間を「感情や欲望によって意思決定をコロコロ変えちゃうお茶目な生命体」と認識し、より実態に近い経済活動を記述しようとしています。
あくまで「将来の間接的な利益」という名の合理性を活動の動機とするエリアマネジメントではヒューマンたちはワクワクしないし、一致団結も実現しないような気がしてきました。
そこで新たなソリューションであり、今回の核となる、
「まちづくり3.0」という概念を紹介します!
「 "ホモエコノミクス" を前提としたまちづくり」から
「 "ヒューマン" を前提としたまちづくり」へ
キーワードは「インセンティブ設計」と「分散型」です。
まちづくり3.0とは? ーP2Pコミュニティー
では、エリアマネジメントの欠点を補完するようなまちづくり3.0とは、
一体何が該当するのでしょうか。
それは、P2Pコミュニティです!
イメージはDAOをまちづくり仕様にアップデートしたものです。
P2PとはIT用語であるPeer to Peerの略語で、「機能に違いのない端末同士が対等な関係で直に接続し、互いの持つデータや機能を利用しあう方式」と説明されます。
これをまちづくり風に意訳すると、
「中央管理者を無くし、横のつながりを活発化させることでビジョンを達成しよう!」です。
要するに中央集権型では何かとリスクが大きいから
各構成員(IT用語ではノードと言う)に負担を分散して、
統治面や財政面、持続性などのリスクを最小限にしよう!
さらに横同士のつながりが活発化すれば
付加価値の総量が蓄積されていくので、
マクロ視点で見てもしなやかで強い組織として成長できそうじゃないか!
分散型最高!! P2P最高!!
と思いきや、
はいはい、また綺麗事か、と思ったそこのあなた!
お見通しですよ。安心してください!
P2Pコミュニティではインセンティブ設計が緻密に行われます!
参加者に対する直接的な利益分配(インセンティブ)こそが、
能動性への訴求であり、エリアマネジメントとの差別化ポイントなのです。
つまり、
住民が参加したくなるようなメリットを作ることで組織化するのです!
ここで言うメリットは報酬であり相互作用によるプラス効果です。
報酬制を実現するためには、
事業がきちんと収益化できている必要があります。
またその収益については、
出資者もサービス提供者も顧客も全て貢献度に換算され、
コミュニティが決定した報酬アルゴリズムによって分配されます。
相互作用の効果はサービス内容によって大きく変わります。
住民の需要を汲み取り、インセンティブになりうる
P2Pサービスを事業化して初めてP2Pコミュニティが実現します。
要約すると、
これがP2Pコミュニティなのです!!
リーダーを志す人には少し酷かもしれませんが、
正当に評価されればリターンは大きいですし、
それこそweb3.0をうまく活用できれば可能性は無限大です。
ここでは詳細を割愛しますがweb副業やクラウドファンディング、NFTなど、外部から資金を流入させる手段も整備されつつありますしね!
ちなみに私の中でのP2Pコミュニティ構築のカギは、
学習コミュニティ、つまり教育事業にあると睨んでいます。
最後に
現状、P2Pコミュニティ(≒ DAO)を成立させることは困難です。
誰かが旗振り役となって仕組みを作り上げ、その後ただの一参加者に退く。
これができるリーダーの出現を待つことしかできません。
私はこれからその儚きリーダーを演じようと思います。
現在、教育事業を通じたP2Pコミュニティの構築を提唱し、実現に向けてアクションを起こしています。
まちDAOを作ってまちづくり業界に一石投じます。
進捗は逐一共有しますので、次回以降の記事も乞うご期待!!
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