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法外な安価のイラストお仕事を受けてしまった場合の、自分へのデメリット
「イラストの仕事を無料や安価で受けたら、ほかのイラストレーターの報酬にまで悪影響を及ぼすので、やめましょう!」
と書いてあるHPをよく見かけます。
あれはホント。
会社内部のみではありますが、みなさんが個人的に「このくらいかな?」と思っているよりも悪影響があります。
でも…正直、自分が納得してるならいいやって思っちゃいません?
自分が功績を残すことの方が大事だと思っちゃうのは人情です。
でも実は、業界水準を下回った安価のお仕事には、自分にもしっかりデメリットが発生します。しかもすぐに、長期的に。
今回はどういったデメリットが発生するのか、ざっくり内容をぶっちゃけようと思います。
①どんな会社が安価?
おおむね2つに分類されます。
●業界の水準をよく知らない素人の会社
イラストに関わったことのない担当者やプロジェクト。
相手は初めて携わる業務も多いので、やり取りの内容や指示書など、支離滅裂なことが多いです。
つまり、イラストが出来上がるまでのやり取りに時間がかかりがちです。
●昔から低賃金で働かせていた古参会社
名の知られた大企業だけど低賃金というパターン。
業務がすでにルーチン、簡素化されてることが多いです。
指示内容が滅裂だけど求められるクオリティも滅裂に高いということが多いです。
②修正回数
実は低賃金のイラストの場合、高賃金のお仕事よりも修正回数がおおむね多いです。
高賃金=だいたい限度2回。ポスターやパッケージイラスト等になると~10回程度。
低賃金=見たことあるもので最多は20回。1から租ラフの描きなおし指示も多いです。
③修正内容
低賃金ほど、担当者が素人か業務に時間を割けない人が担当者のため、修正内容がよく分からないことが多いです。
そもそも何を修正してほしいと言っているのか、よく分からない。
修正することでどういったイラストにしてほしいと思っているのかが書かれていない。
ちょっとした修正にも、やり取りの時間が増えてしてしまいがちです。
④功績にならない
著作権の譲渡はもとより、著作者人格権の行使をしないよう求められるケースが多いです。
ここを差し止められると、SNSや同人誌等で「このイラストを描きました!」と紹介できなくなります。
つまり、傍目には描いてないことと同じになってしまいます。
功績が残せないため、お仕事が増えないという悪循環…長期的に続けるほどに損失が大きくなります。
⑤功績を取られる
著作者人格権を行使せず、著作権を全譲渡した場合に起こる最悪のケース。
描いた人は自分なのに、作画名が企業名や他者の名前に入れ替えられる。
たとえばイラストではなくても、キャラクターとか。
低賃金のイラストが世に出て人気が出た時、もし描き手さんの外注費が上がっていたらこういった事象が発生することがあります。
ほかの低賃金のイラストレーターを雇い、そっくりに描いてもらう。
恐ろしいことですが、実際業界では起こってしまってます。
⑥著作権
著作権全譲渡の低賃金イラストの場合、あまりイラストを大切に扱ってもらえません。
具体的に言うと納品後、他社や海外に売り飛ばされたりします。
じつは結構メジャーな方法です。
悪質な企業だと、売られた先で首から下を挿げ替えられ、年齢規制のゲームに使用されたり。
前途項目も著作権がらみでしたが、ほんとにここらへんは問題が多いですね…。
⑦まとめ
なんだか全体的に脅すような内容になってしまいましたね…。
低賃金でのイラストお仕事だったとしても、自分のイラストでお金がもらえるなんて夢みたいに嬉しい。
どんな大御所でも、初めてのお仕事はみんな感激したと思います。
でも極端な低賃金もしくは無料のお仕事は、自分の質を下げるだけでなく、正直経験しなくても良い余計な経験をしてしまうリスクが高いです。
そういった依頼は素直に受け取らず、まずは周囲に相談したり納得がいく交渉を行ったりすることをおススメします。