一、 出ない出ない出ない。 自室のフローリングを芋虫のように転げまわっても、ヘビメタみたいにヘッドバンギングしても、上半身裸で窓から「あんどろぎゃのーす!!」と叫んでみても出てこない。おっと、俺は別に変なクスリをやってるわけではないぞ。その点は安心してほしい。 それにしても出てこない、ホントここまで出てこなかったら、逆に清々しいわ。 別に便秘のせいで一週間ウ○コが出ないとか、そんなオチじゃあないぞ。分かっているだろうけれど、一応言っておく。 じゃ、
※2/21 本編の後にあとがき追加しました! 「美味しい!!」 網の上のタン塩を口に運ぶとミチルは感嘆の声を上げた。 「やっぱり焼肉って最高~ 特に他人の奢りで食べるタン塩は」 そう言って意地悪そうに俺のほうをちらりと見る。 「……じっくり味わって食べろよ」 そう返すのが精一杯だった。 ミチルはクッパを頬張りながら、俺に声を懸ける。行儀悪ぃなぁ。 「そのカルビ焦げちゃうよ。あっ こっからここまで私の領地ね」 「分かってるよ。うるせぇな」 本日九
最初に作者より どうもこんにちは pnohito(ぴーのひと)です。 本作は小説を書き始めてから、二作目に書いたものです。 もう三、四年前くらいになるのかな……? あなたが昔読んだこともあるかもしれない『あの』怪談の現代版アレンジです。 まだ小説執筆に慣れていないころで(今も慣れたとはとても言えませんが^^) 最初は、完成したら某投稿サイトにアップする予定でした。 でも書き上げてから、ストーリーのあまりの平坦さに嫌気がさし、アップするのを止めました。 そ
「アキラ、あんたいい加減にしなさいよ」 私は布団を頭から被った幼馴染にそう言った。 「あんた一体どうしちゃったの? おばさんやハルカちゃんも心配してるよ?」 私は続けて言った。 「昨日ハルカちゃんからメールが来てね? 『お兄ちゃん、学校で何かあったんですか?』って、私びっくりしたんだよ? あんたもう三日も学校休んでるんだって?」 ……何の反応もない。 「ねぇ、学校で何かあったの?」 布団の中で、アキラの首が横に振られる。 「じゃあいったいなんで……」