ズルルン滞在記1:思い出せ
どーも、社会の歯車です。
と言うわけで、以前タイに赴任したことがあり、忘れぬうちに書いておこうと思ったクズ系マジメなおれ。
とはいえ行っていたのはコロナより前なので、既に都合よく忘れていたり、都合よく美化されていたり、自分の記憶が都合よくネットの情報と置き換わってる可能性があるのでご了承いただきたい。
まず行った経緯である。
タイ拠点の偉い方から「日本人社員に手伝ってもらいたい」と要請があり、その場で社長から「1番ヒマそうなお前行ってこい」と言われた。
21世紀のこの世で、何ともパワーワードをダイレクトにぶつけてくる。
ヒマそうに見えるかもしれないがヒマではない。
「それは仕事が早いからや!」と言いたくなったが、そんなこと言ったらタイどころか火星に飛ばされるくらい怒られそうなので、「英検3級だけどいいっすかねー」と素直に従った。
そこから中期滞在のために就労ビザを取らなければならなかったが、人事部の「任せてください」という言葉を信じていたら出発直前に「やっぱ自分でやって」とブチかまされた。
この恨みはいまだに残っている。
ビザとパスポートの違いもよくわかってないヤカラに自分で取れとはよく言えたもので、そこからネットで調べて、卒業した学校の卒業&成績証明書も手配して、なんとかタイ大使館に申請に行った。
もちろん当日にすぐできるはずもなく、手配していた飛行機には間に合わなかった。
※そして上司に成績証明書見られて、よく卒業できたなと感心された。
初っ端からズッコケた状態でタイに渡航したが、おれの気持ちは複雑だった。
それまで欧米、リゾート系でしか海外に行ったことないのに初めての東南アジア。
昔見たワールドダウンタウンの記憶しかない。
タイの有名人は、チャーリー・ウィラポンしか知らない。
タイ語もトムヤムクンとナンプラーぐらいしか知らないので、旅行好きの会社の先輩にガイドブックを借りて、超絶基本的なサワディーカップ(こんちわ)、コップンカー(あざす)を必死で覚えた。
こうして予習する姿勢、ほんまリスペクトやわ。
さて、そんなこんなでフライト。
空港までのなんやかんやもあったが、そんなにアレなので割愛する。
空港でタイの通貨バーツに両替したが、後で「現地で替えた方がいい」と教えてもらった。
高速道路のガソスタみたいなもんで、空港だと割高なのかもしらん。
※通貨や時期によっても違うと思うから鵜呑み厳禁
日本を夜中に出発し、現地には早朝に着く便だった。
真夜中にも関わらず機内食もしっかり食って、おれは早朝スワンナプーム空港に降り立った。
気分は「ガンダム大地に立つっ!」的な感じで、そりゃ立ちますがなとツッコまれようが、こうなんかここから始まる感があるわけであります。
そこかしこに書かれた訳わからんタイ語の文字が、もはや日本ではないことを強烈に意識させた。
おれに対する悪口が書かれていても一生読める気がしない。
空港のクセしてタイっぽい装飾やら仏教っぽい像なんかもあり、なんかもう「タイです」感がハンパない。
奥ゆかしさだけでこれまで生きてきたおれにとっては微妙に居心地が悪く、一刻も早く外に出ようと歩を進めた。
車の発着場に出て、現地の偉い方が手配してくれた運転手のプロットさんを探した。
ちなみにおれが帰国するまでずっと「スポット」さんと間違えていたという可哀想な方である。
事前にLINEで連絡を取っていたが、お互いに英語テキトーレベルのコミュニケーションなので、本当に来てくれているか不安。
湘北の不安要素の1つに数えられる。
指定の時間にLINEして返信が来るまでの5分くらいがめちゃくちゃ長く感じた。
このまま迎えに来てくれなかったら、おれの人生はここで終わるくらいに思った。
トム・ハンクスあたりに主演してもらう感じで絶賛映画化の企画を練っていると、スポットさんから電話があり、周りを見渡すと出口から少し離れたところで手を振っていた。
もう少し出口の近くにいてくれやと思ったけど、よくわからん英語でサンキューアイムオレ的なことを言い、スポットさんのマツダCX-5に荷物を入れてもらい、乗り込んだ。
おれよりいい車に乗ってるとはコヤツなかなかやりおるという第一印象。
空港からバンコク市内まではアホみたいな広い高速道路を飛ばして行った。
朝方5時前後だったと思うが、車が大量。
お前らこんな時間からどこ行くんだよ、全員おれ迎えに来たのか!?と錯覚を起こさせるほどのもので、朝日のまぶしさと共にものすごく印象に残っている。
また、日本の車が大量に走っていることや、日本の家電メーカーのクソでかい看板を見て、日本ってすげーなとも思った。
これまで行った国ではそんな気付きはなかった気がする。
そしてしばらく走り高速を降りると、なんかテレビで見たことあるようなカラフルな屋台やら、掃除は15年前にやりました!と言わんばかりの建物、洗濯は来週やります!と言わんばかりの出立ちのお兄さんやらがいる通りに出た。
これまでのイメージに近いタイの街並みという感じ。
しかし、すぐその後にバカでかいビルやホテル、日本で見たことないようなバカでかい屋外サイネージやらが連なり、その上をモノレールみたいな電車が走っている。
日本よりすごくね!?とおれは脳みそがクラッシュして激しく混乱した。
日本の70年前と30年後が共存してる感じ。
不思議な国タイ。
ワケわからん国タイ。
そして目的地に着いた時、スポットさんにチップを請求された。
あれ?同じ会社の人じゃないの?
不思議な国タイ。
ワケわからん国タイ。
今後乗る度にチップを払うことになるとは、この時はまだ知る由もなかった。
〜もしかしたらつづく〜
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