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PMI Bureaucrat Community 運営メンバーインタビュー【後編】


前編のnoteはこちら↓


公共は、霞が関だけのものではない

ー PMIに参加してみていかがですか?参加して感じたことや入る前と後で心境の変化があったら教えてください!

木下
参加して1番の変化は、「公共」が霞が関の専売特許ではないと実感として学んだことです。
社会課題にチャレンジするスタートアップや弁護士の方などとの関わりの中で、霞が関と永田町だけの関係だけではない、公共のイシューに関する幅広い関わり方を知りました。

堀田
真面目な話や近況の話ができるなど、話せる場が広がったのが、個人的にはとても嬉しかったです。公共の担い手が霞が関と永田町だけではないという教科書的な知識は持っていましたが、省庁との関係性やリボルビングドアなど、PMIに来て初めて、目の前にいるメンバーが日々発信をしながら動かしていっていることを見られたのが貴重でした。

それぞれの専門分野の活動に直接携わるわけではないですが、こんな方法で社会を動かしてくれる人がいることを身近なものとして知りました。



2022年6月に開催したPMIのオフラインミートアップの様子

安水
個人的にはこのまま省庁で働き続けるだけではなく、別のかかわり方もありだなという気持ちが強くなった気がします。

世の中をよくしようとするやり方は、民間やNPOなどいろんなチャネルがあるわけで、官僚であることが唯一の手段であるわけでもないので、予想していた以上にあっさり辞めてしまいました。ステイクホルダー同士がフラットにあるというのが、PMIの良いところではないかと。

窪西
「政策に関わるのは官僚だ!」と思っていたけど、弁護士さんやロビイスト的な人がいることを知りました。それは一番大きな学びですね。実はPMIに入った時、本業では結構苦しい時期でした。立場的にも経験的にも知識的にも、日々の業務の忙しさに負けて、いろんなことを考える余裕がなくなって。

一方、通常の官僚機構での政策形成プロセスを通さなくても、アンジュさんような別のルートやプロセスで政策を通せる人がいて、そういうところに自分も関わっていることで心理的安全性が担保されるようになりました。PMIがあったからこそ官僚を続けられていると思います。


公共を考える多様なメンバーと、議論のしやすさ

ー活動していて感じるPMIの魅力を教えてください!

木下
少人数でしっかり議論できるのは魅力ですね。特徴の1つとして官僚ばかり、弁護士ばかり、というのではなくしっかりとしたバランスがあるのかなと。みなさんの人となりとセットで議論などができるので、教科書的ではない学びがあります。よりリアルで、より自分ごととして感じられることが多いです。

また、役所にいると肩書きという役割があり、基本的に組織としてミッションを背負っていますが、PMIのメンバーは組織ではなく個人でミッションを背負って生きていると随所で感じられます。それがメンバーに通じる魅力かなと。

堀田
どの人も議論を頭ごなしに否定しないなどの基本姿勢がしっかりしていて、心理的安全性がすごくありますね。コロナ禍での団体参画でしたが、やりにくさを最初から感じなくて、ウェルカムな雰囲気。

議論や意見もまずは受け止めてくれます。また、いい意味での楽観性があると思います。自分達のU40世代で声を上げることで、「何らか社会に対してインパクトを与えられる、与えていこう」という前向きさが議論の中にありますね。

安水
PMIに関して平たく言えば、みんな賢いなと思います。結局は最終的には世の中のいろんなルールをよくしたいという思いがあるから、そこの方法論というものの再現性や確度を高めるといった意味での抽象と具体の行き来ができる人が多いという感覚です。

日々の仕事においても、あまりそういった具体⇔抽象の話をスムーズにできる集団はいないので、そこはPMIの魅力であり強みなのかなと思います。

窪西
官僚や弁護士、ロビイストなどPublicにおいていろんな役割をもたらしている人がいることが他にない魅力だと思います。ここまでいろんな人が集まって公共を考える機会がないと思うから、極めてレアな団体だなと。だからこそ、個人的にも霞が関にとらわれずにPublicを考えられています。

ー公共を考えるメンバーが多様であることと、議論の質がとても高いということはインターンとして参加していても常に感じております!



PMI のオフラインミートアップにて、Bureaucrat Communityを紹介する木下(写真右)


変化し、問い続ける官僚コミュニティへ

ーBureaucrat Communityの今後について、考えをぜひ共有いただければと思います!

堀田
省庁横断的なコミュニティにしたいですね。官僚同士が省庁別のステレオタイプを持ち込むことのないコミュニティであってほしいと思います。想像力の限界を議論で補い、人を互いに知っていける場所にしていきたいです。

具体的には、交流は言わずもがなですが、公共部門に勤める者としての共通の語彙の獲得や共同学習をしたいなと思っています。例えば、最近では占部先生をお呼びしたイベントによって、社会的共通資本の概念が私を含む参加者にインプットされました。講師をお呼びしたイベントや読書会を共同学習の装置としつつ、互いの省庁の仕組みについて知ったり、それぞれの読みや考えを共有したりしていきたいです。

木下
縦割りの視点から脱却して、国家公務員としての役割を話すことできる場にしたいと思います。役所はなかなかの縦割り社会ですが、一段高い視野から、政官民学の中でも国という機関の一員としての自分の役割を定めていける。そういう視野を持った人が集まってほしいし、そういった人たちを霞が関に増やすための触媒でありたいと思います。

また、皆で展覧会に行ってみるなど課外活動もやると楽しいのではないかなと。例えば「公共とは何か?」といった問いに関わるものでも良いし、全く関係ないものでも良いし、普段とは異なる切り口で学びに行くのも面白いと思います。

安水
常に変化し続ける官僚コミュニティにしていきたいなと思います。「PMIはこうあるべき」というものはあまりなくて、皆がその時々のタイミングやメンバーに合わせて変わっていて、その変化もダイナミクス。


トピックも大きなフィロソフィーとして「社会を変革する」ということを掲げており、ポリシーに関連するアクティビティの多様性を持ちながら、その時代やタイミングに合わせてコミュニティが変化していければと思っています。

窪西
国家のあり方を考えると言うことが1番の目的としてありますが、その答えを見つけようというよりも一緒に議論して考え続けるコミュニティにしたいなと考えています。受け売り的に国家のあり方を語ることはできると思いますが、そこには信念がともなっていないというか。


答えは本当はないかもしれないし、考えるプロセスに意味がある気がしています。でないと、同じような問題意識を持った人たちが自分達の前の世代にもいたと思うんですけど、答えを見つけようとすると、時代は違えど同じことをしちゃうのかなと。そうでなくて、そういうことを考え続ける触媒になったらいいなと思います。



Bureaucrat Communityの交流会


官僚としての役割を問い直す

ー個人としての今後についてもお話いただければ!

堀田
基本姿勢として、行政で抱え込んでいなくても良い仕事は何か、逆に行政が何をすべきか、というのを考え続けながら仕事をしたいと思います。とにかく民営化するという意味でのNew Publcは一昔前の話ですので、他のステークホルダーと手を取り合っていけるものを見分けて、PMIの学びを活かしていきたいと考えています。

木下
変化を拒絶するのではなく、変化と向き合って仕事をしていきたいですね。最近感じるのは、世の中の動きが複雑になっていて予測不可能な時代に私たちが生きているなと。例えば規制改革を初めとする様々な要望などに対しても、頭ごなしに「意見が合わない・否定する」といった姿勢ではなく、なぜその要望が出てくるのか?といったことに想像力を働かせて業務に従事したいと思います。

安水
僕は官僚を離れて2年くらい経つので、あまり官僚とはもう言えないかもしれないんですが、引き続きその周辺には生息しています(笑)年齢的にも中心的に動いているメンバーよりも経験が少なからずあると思うので、「こういう人を紹介するよ」など、より官僚コミュニティが充実したものになるように支援できればと思っています。

窪西
国家として、行政として、何をすべきなのかを考え直せたらいいなと考えています。「日本は行政がめちゃくちゃ面倒を見る社会なんだな」とアメリカに来て相対的に思います。シカゴでは、道路にぽっかり穴が空いていたり、来るはずの公共バスが突然ルートから消えたりして(笑)それでも、人の生活は回っています。
上が大号令的に方針を変えることもありますが、今この瞬間に変えることは難しくて。ミクロに変わっていくものを積み上げていくしかないと思っています。


さいごに

ーこの記事を見ていただいた官僚の方へ、メッセージをお願いします!

木下
霞が関に入って、どういう役割を果たせばいいかなど自分の存在意義について疑問を持っている人に、公共の広い視点から、自分の役割を見つけられる場にしてほしいです。逆に、強いパッションや生き方を持っている人は、それを他の若い官僚に広げていきましょう!

堀田
悩みながら、考えながらも公共に従事する仲間を募集しています!!

安水
霞が関は結構クリエイティブな仕事もあるなと思っていて、もっといろいろ主体的に動けば、立場をいい意味でハックできることがあります。政策に関しても、言われるがままにやるのではなく、主体的に動くことで、ある程度方向づけを自分自身で行うこともできます。本来いろんなことができるはずだから、皆で考えていきましょう!

窪西
日々の業務の中で、もやもやしている人はぜひ。その上で、深く国家観について議論したり、読書して互いに考える時間を取りたいと思っている人におすすめです!


あとがき(Bureaucrat Community インターン生)
インタビュアーとして、とても考えさせられる内容ばかりでした!(古川)
日本を作る最前線の熱い想いを感じられましたね〜(谷一)

いかがだったでしょうか?
少しでも興味を持った方は、ぜひイベント等に参加して実感いただければと思います。

PMI Bureaucrat Communityでは、定期的に講師をお招きした勉強会を開催しております。来月は8/8(月)20:00-、大阪大学准教授 安田洋祐先生に「市場とルールメイキングを考える」をテーマにご講演いただき、ディスカッションを行う勉強会を開催予定です。

イベント詳細はこちら↓

Bureaucrat Community 参加(有料)へはこちら↓


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