コロナ融資の出口戦略|別枠への対応
こんにちは。
元銀行員の岩瀬 好史|財務コンサルタントです。
現在は主に、元銀行員による資金調達支援を中心とした「社外財務担当者サービス」という名前で、財務面から中小企業の経営を支援しています。
銀行から融資を受けている方なら、一度は銀行から借換の提案を受けたことがあるかと思います(以下のようなケースが典型的です)。
ポイント
融資残高は増えていますし、完済予定も先送りになっていますが、月返済額は変わらずに(または減って)、手元資金が増えるため、悪いことばかりではありません。
では、こういった借換ができなくなってしまったらどうなるでしょうか?
その部分がコロナ融資の出口戦略の肝になってきます。
融資の種類
中小企業向けの融資はざっくりと以下の3つに分かれます。
融資限度額
融資の種類ごとに融資限度額があります(例外もあります)。
コロナ融資は融資限度額の例外
上記の融資限度額以上に融資を受けている企業も多いかと思いますが、それが可能なのは、「コロナ融資は上記の融資限度額の別枠」とされているからです。
ここからが重要なのですが、信用保証協会のコロナ融資は2024年6月末に、日本政策金融公庫のコロナ融資は2024年12月末に終了する予定です(これまでは何度も終了期限が延長されてきましたが、今回はこの記事を書いている時点ではまだ延長するという情報は出ていません)。
コロナ融資が終了するとどうなるのか?
現在融資を受けている総額が、保証付き融資8000万、日本政策金融公庫4800万を超えない企業は、これまで通り通常の融資限度額の範囲内で借換できるため、大きな問題は起きないと考えています。
ただ、融資限度額を超えている企業は、別枠の部分の借換ができなくなるかも知れません(プロパー融資や、コロナ融資以外の別枠融資で借換することも可能ですが、かなりハードルが高いです)。
これまで借換を繰り返すことによって資金繰りを安定させてきた企業にとっては影響が大きく、借換ができなければリスケを検討することも視野に入ってきます。
そして、一度リスケを行うと、その後の新規融資は難しくなります。
どのように対応したら良いのか?
結論としては、手遅れになる前に行動するしかありません。
説得力のある事業計画書などを作れば、多少の追加融資は受けられるかも知れませんが、それだけでは根本的な資金繰りの改善にはならないと思います。
かといって、簡単に収益性を改善できるわけでもないため、施策を行ったり、そのための時間を確保するための支援を、メインバンクから受けられるようにするための銀行対応も重要になります。
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