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決算分析の役割と限界
こんにちは。
元銀行員の「岩瀬 好史|財務コンサルタント」です。
現在は起業して、資金調達支援(リスケ交渉支援)・事業計画策定支援・伴走支援(財務コンサルティング)・経理事務代行などを行っています。
この記事では決算分析の役割と限界についてお話ししていますので、最後まで読んでもらえると嬉しいです。
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決算分析の役割
決算分析≒健康診断
決算分析は企業の健康診断と言われることがあります。
健康診断では体重や血圧などを測定して大まかな健康状態を把握するように、財務分析では粗利益率や在庫の回転率などを計算して大まかな経営状態を把握します。
決算分析の利点
決算分析の優れているところは、簡単に比較できることです。
なぜ簡単に比較できるかというと、国家資格を持った専門家(税理士など)が内容を確認して、日本中の企業が同じルールに基づいて、毎年必ず決算書を作成しているからです。
もちろん厳密に言えば決算書の作り方は企業によって違いますし、作成していないこともありますが、各企業が社内で独自に作成している資料などと比べれば、決算書は誰でも理解しやすく、資料としての信頼性も高いです。
自己資本比率は〇%以上を維持したいとか、同業他社と比べて労働分配率が高いとか、そういった話ができるのは、決算書が同じルールに基づいて作られ、ある程度の信頼性も担保されているからです。
だからこそ、銀行は決算書に基づいて融資の審査を行っています。
決算分析の限界
健康診断だけでは治療できない
健康診断の結果を見て、適正体重を超えているとか、血圧が高いとか、そういったことは分かりますが、どんな病気なのか、どうやって治療したら良いのか、といったことまでは分かりません。
財務分析も同じで、同業他社と比較して利益率が低いとか、人件費が高いとか、そういったことは分かりますが、何が原因なのか、どうやって解決したら良いのか、といったことまでは分かりません。
税理士や銀行の担当者から、あとこれだけ売上を増やさないと損益分岐点を超えないとか、粗利益率をこれだけ改善しないと利益が出ないとか、そういったことを言われることもありますが、どうしたら良いですかと聞いても答えが返ってこないことが多いのは、単純にどうしたら良いのか分からないからです。
誤診の可能性がある
体重や血圧を測るときに、どの病院で測っても、どの看護師さんが測っても、どのメーカーの機械を使っても、結果はほとんど変わらないはずです。
それに対して財務分析の場合は、経営者や税理士の判断によって決算書の数字が大きく変わることがあります(もちろん合法的にです)。
建設業などが典型的なのですが、決算書を作るタイミングで、もう少し売上が欲しいからこの工事の売上は今期に入れようとか、今期は必ず黒字にしたいからこの工事の経費は来期に入れようとか、そういったことが行われることもあります。
決算分析の計算方法などは簡単に調べたりすることができますが、単純に計算するだけだと信頼性の低い分析結果になる可能性もあり、その結果に基づいた判断の質も落ちてしまいますので、できれば専門家に相談することをお勧めします。
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