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なぜ、人は他人を「食い物」にするのか?
他人に利用されている気がしてならない…
そんな風に感じてしまうあなたへ~
ギバー、テイカー、マッチャーとセルフ・ハンディキャップ~
「また、あいつに都合よく使われたかも…」
「私ばかり、損しているような…」
「なんで私だけこんな目に…」
「もう、誰も信じられない…」
「こんなことなら、もう誰とも関わりたくない…」
そんな風に感じることが、もしかしたら、あるかもしれません。
生きていると良かれと思ってしたことが、いつの間にか利用されていたり、都合よく使われていたりする経験をしたことがある人は少なくないのではないでしょうか。
私も、過去を振り返ると、そういう苦い経験がないわけではなく、よくあった方だとも思います。想像するだけで、胸が締め付けられる思いです。
なぜ、人は他人を「食い物」にするのか?
アダム・グラント氏の著書『GIVE&TAKE』では、人間の行動特性を「ギバー」「テイカー」「マッチャー」の3つに分類しています。
ギバー: 他人に与えることを惜しまない人
テイカー: 他人から奪うことばかり考える人
マッチャー: 与えた分だけ、相手からも返してもらおうとする人
「食い物にする」人は、この中の「テイカー」に該当します。
彼らは、自分の利益のために、平気で他人を利用します。
ギバーの優しさに付け込み、マッチャーには相手が返してくれないと不満を抱き、人間関係を壊します。
具体例:ギバー、テイカー、マッチャー
たとえば、会社で新しいプロジェクトが始まったとします。
ギバー:
「何か手伝えることはありますか?」と積極的に声をかけるAさん。
自分の仕事が終わっていなくても、困っているBさんがいれば「手伝おうか?」と声をかける。
プロジェクトが成功するように、自分の知識やスキルを惜しみなく提供する。
たとえ、自分の手柄にならなくても、プロジェクト全体の成功を喜ぶ。
テイカー:
「この仕事は私には合わないから」と、面倒な仕事を他人に押し付けるCさん。
自分の手柄を大きく見せようとするDさん。
他人を利用して、自分の利益を得ようとする。
プロジェクトが成功しても、自分の利益にならなければ不満を抱く。
マッチャー:
「お互い様だから」と、困っているEさんがいれば助ける。
自分が何かをしたら、相手にも何かを期待する。
与えられた分だけ、相手にも与えようとする。
相手が何もしてくれない場合は、不満を抱く。
「食い物にされる」側の特徴とは?~ギバーの陥りやすい罠~
「食い物にする人が悪い!」
それは、もっともな意見だと思います。
ただ、「食い物にされる」側にも、いくつかの特徴があるのもまた事実です。
それは、決してあなたを責めているのではありません。
むしろ、あなたを守るために、知っておいてほしいことなのです。
特に、ギバーは「食い物にされやすい」傾向にあります。
なぜなら、彼らは他人に与えることを惜しまないため、テイカーにとっては格好の標的となるからです。
たとえば、
人が良すぎる人:
頼まれたことを断れない
困っている人を見ると、つい手を差し伸べてしまう
相手の気持ちを優先しすぎて、自分の気持ちを後回しにしてしまう
断れない人:
「NO」と言うことに罪悪感を感じてしまう
相手の期待を裏切りたくないと思ってしまう
嫌なことをされても、我慢してしまう
NOと言えない人:
相手に嫌われたくないと思ってしまう
自分の意見を言うことに自信がない
相手の言いなりになってしまう
相手に期待しすぎる人:
相手も自分と同じように考えていると思ってしまう
相手に過剰な期待をして、裏切られたときに深く傷つく
相手の気持ちを確かめずに、自分の思い込みで行動してしまう
依存心が強い人:
誰かに頼りたいと思ってしまう
自分で決めることに自信がない
相手に依存して、自分の人生を委ねてしまう
当てはまるものはありましたでしょうか?
もちろん、これらの特徴を持っているからといって、必ず「食い物にされる」わけではありません。
ただ、これらの特徴を持っている人は、そうでない人に比べて、「食い物にされやすい」傾向にあるということです。
自己呈示のセルフ・ハンディキャップとは?
心理学では、自己呈示という概念があります。
これは、他者に対して自分をどのように見せたいかという欲求であり、人は様々な方法で自己呈示を行います。
その一つに、セルフ・ハンディキャップがあります。
これは、失敗したときに言い訳ができるように、事前にハンディキャップを背負っておくことです。
たとえば、テスト前に「全然勉強してない」と言ったり、試合前に「体調が悪い」と言ったりする行為が、セルフ・ハンディキャップにあたります。
なぜ、セルフ・ハンディキャップをするのか?
セルフ・ハンディキャップは、自尊心を守るために行われます。
失敗したときに、「能力がないからだ」と思われるのを恐れる人は、事前にハンディキャップを背負っておくことで、「今回はハンディキャップがあったから仕方ない」と、自分を慰めることができるのです。
セルフ・ハンディキャップと「食い物にされる」ことの関係
「食い物にされる」人の中には、このセルフ・ハンディキャップの傾向がある人がいます。
彼らは、「どうせ私なんか…」という気持ちから、無意識のうちに自分を不利な状況に追い込んでいることがあります。
たとえば、
「私には無理だから」と、最初から諦めてしまう
「どうせ失敗するに決まってる」と、努力をしない
「やっぱり私にはできなかった」と、言い訳をする
このような行動は、周囲の人から見ると、「この人は何をしてもダメだな」と思われてしまうことがあります。
そして、その結果、「この人なら、何をしても許されるだろう」と、テイカーに利用される可能性を高めてしまうのです。
「食い物にされる」人生から抜け出すために~ギバーがテイカーから身を守る方法~
「食い物にされる」人生から抜け出すために、まずできることは、「自分を知る」ことです。
自分の長所と短所
自分の価値観
自分が大切にしているもの
これらをしっかりと理解することで、おのずと「食い物にしてくる人」が見えてきます。
また、「NO」と言う勇気を持つことも大切です。
もちろん、すべてを断る必要はありません。
ただ、「これは違うな」と感じたことは、勇気を持って「NO」と言う。
そうすることで、あなたは「食い物にされる」人生から、少しずつ抜け出すことができるはずです。
具体的な対策例
境界線を引く:
自分の時間やエネルギーを、どこまで相手に与えるかを決める。
「これは私の領域だから」と、毅然とした態度で伝える。
相手の言葉を鵜呑みにしない:
「もしかしたら、何か裏があるかもしれない」と、疑う目で見る。
相手の言葉だけでなく、行動もよく観察する。
自分の気持ちを大切にする:
「本当はどうしたいのか?」
「これは本当にやりたいことなのか?」
自分の心に問いかけ、正直な気持ちに従う。
NOと言う勇気を持つ:
「今回はちょっと難しいです」
「ごめんなさい、今は手が離せないので」
理由をつけて、やんわりと断る。
助けを求める:
信頼できる人に相談する。
専門家のサポートを検討する。
セルフ・ハンディキャップに気づく:
「どうせ私なんか…」という気持ちに気づいたら、それを打ち消すように意識する。
「私はできる」と、肯定的な言葉を口にする。
小さな成功体験を積み重ねる:
小さな目標を立て、それを達成することで、自信を取り戻す。
成功体験を積み重ねることで、セルフ・ハンディキャップの傾向を克服する。
自己肯定感を高める:
自分の良いところや好きなところを認め、受け入れる。
他人と比較するのではなく、自分の成長に目を向ける。
ありのままの自分を愛する。
周りの人に感謝する:
いつも支えてくれる家族や友人、同僚に感謝の気持ちを伝える。
感謝することで、周りの人との良好な関係を築くことができる。
感謝することで、自分自身の幸福感も高まる。
自分を大切にする:
十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を心がける。
自分の好きなことや楽しいことをする時間を作る。
心身ともに健康な状態を保つことが、セルフ・ハンディキャップの克服につながる。
最後に
今回は、「他人に利用されている」と感じている方に向けて、その原因と対策について記してみました。
少しでも前向きな気持ちになって、明日からの人生を力強く歩んでいけることを願っています。
そして、もしあなたが、「やっぱり一人では不安だ…」・「誰かに話を聞いてほしい…」などのように感じましたら、いつでも、ほんわか倶楽部にお越しいただきましたら幸いです。