『あなたはだんだん』感想

めっっっっっっっちゃ楽しかったです。

印象に残ったとセリフとかそこから考えたこととかを書きたいのでネタバレがあります。大丈夫な人だけ続きを読んでください。

いろいろと思うところがあったので感想をしたためている。まずは、今日観に来られてよかったなという思いが強いです。チケット販売開始してすぐは見送ろうかななどと思っていたんですが、何かこう気になって行ってみたらいい体験をしたなーと思っています。

階段をテーマにしている演劇で、会場が階段の下にあるのが本当によいなと思いました。臨場感が増すというか。あとやっぱり観客の近くを役者さんが通ったり、観客側に働きかけてきたりするの本当に楽しかったです。わたしたちが舞台装置の一部になるの、普段は絶対に交わらない世界が手をとった感じがしてうれしい。


死後を司る演目と生前を司る演目、現在にいる我々と手をとる演目の3つで構成されていた、という捉え方をしている。
あの時間のわたしたち観客は、階段の上の住民、あるいは生前と死後の狭間に漂う存在であった。
通常、演劇というものは我々の存在を念頭においておらず、舞台上の世界に我々が入る隙はない。それが、今回の舞台においては我々の存在が「意識されていた」。実際にコンタクトをとってくる場面もあったし、面白い試みだなと感じた。でもなんだろう、ちょっと気恥ずかしいというか、違う世界にいる存在がこちらの世界に実在していることへの驚き(たとえるなら普段ファンとして見ている人が地元の街を歩いているのを見かけたときのような)があった。

なんていうんだろうな、人間として生きていくことの苦しみと喜びを、どちらも思い起こされるような舞台だったな。今の状態のわたしに強く刺さったというか、生きている喜びを全身では感じられないけれど、それでも、今日まで生きていてよかったとは思えるし、この先ももう少し生きてみようかと思えた。安易に救われたとか肯定されたとか言ってしまいたくないけれど、お守りにはなった。

あとは久しぶりに会うみんなの演技がやっぱりすごくて、わたしも戻りたいな、このみんなと一緒にものをつくりたいなと思っちゃったな。公演が終わってわたしとみんなが落ち着いた頃、きっと戻ろうと思います。

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