10代男子の半数近くがダイエット経験あり! Z世代は何のためにダイエットをしている?
早くも春が近づいてきていますね。今年の冬を振り返ると、コロナ禍と年末年始が相まって、体型の変化が気になった方が多いのではないでしょうか。一方で世間に目を向けると、コンビニでは糖質オフ食品が続々と登場し、アルコール飲料では糖質ゼロのビールが流行り、SNSをきっかけに主食の置き換えでオートミールが注目され...と、健康維持に着目した商品が盛り上がっています。
そこで今回は、世の中の健康志向が高まる中でZ世代のダイエット経験やその方法に迫ります!
1月の調査ということで、まずは年末年始にいわゆる「正月太り」をしたかどうかを聞いてみました。
「年末年始で太ってしまった…」と感じるZ世代女子
Z世代(15~19歳、20~24歳)の女性の半数以上が年末年始で「太った」と感じています。男性では全世代で「変わらない」が最多で約半数となっています。あくまでも自身の体感の話なので必ずしも実体重が伴っているとは限りませんが、女性の方が体型の変化を感じやすく、気にする傾向があるようです。また、この傾向は20代よりも10代で強くなっています。
ダイエット経験者はどれくらい? どんなダイエットをした?
まずはダイエット経験について。先ほどと同様、女性の方が経験がある人の割合が多く、Z世代に限っても約7~8割と多数が経験があります。また、男性でも約半数がダイエットをした経験があり、体型維持への意識の高さがうかがえます。
では具体的に、どのようなダイエット方法を実践しているのでしょうか。こちらは男女で特徴が出る形となりました。
<男性>
最も多いのは「ランニング/ジョギング」で、全世代で4割強。次いで「規則正しい生活」と「ウォーキング」が3割前後と、かなり健康的なダイエットをしているようです...!「食事の量に気を付ける」は世代間で約10%の開きがあり、若い世代ほど多く、15~19歳では38.5%と大きな割合です。同様に「自宅トレーニング」も15~19歳で43.6%と20代よりも多く、10代男性は日常習慣の中にダイエットを組み込む傾向があるようです。冒頭でお話ししたように世間的に注目されている「糖質オフダイエット」は、15~19歳と20~24歳で約2割と、Z世代男性の間でも一定数実践されているようです。
<女性>
女性では全世代で「食事の量に気を付ける」が最多で半数以上となりました。次いで「自宅トレーニング」がZ世代(15~19歳、20~24歳)で4割強と多く、Z世代女性は食事に気を遣いつつ日常的にダイエットを意識しているようです。「炭水化物抜きダイエット」は特に15~19歳では27.7%、20~24歳では37.9%と共に男性の倍の割合ですが、「糖質オフダイエット」は男性と同水準に。女性の間では糖質オフよりも炭水化物抜きの方が支持される傾向があると言えます。その他、昨年YouTubeやSNSで流行った「2週間で10キロ痩せるダンス」が10代女性のみ26.2%と飛びぬけて多い点からは、情報源としてSNSが重要な役割を担っていることや、彼女たちの流行への敏感さが垣間見えます。
ダイエットの目的は?「モテる」よりも…
ここまででダイエット経験の多さやその方法について深ぼってきましたが、彼らがダイエットを頑張る「目的」は何なのでしょうか。
男性では全世代で「健康のため」が最多に。「モテるため」は15%前後に留まり、「自分に自信を持つため」が2番目に多い結果となりました。特に15~19歳では35.9%と、他の世代に比べて高くなっています。
一方で女性では、全世代で「自分に自信を持つため」が最多、次いで「好きな洋服を着るため」が多く、「健康のため」は25~29歳を除いて男性よりもかなり少ないです。また、女性は「モテるため」が男性以上に少なく、全世代で10%を切っています。
以上のことから、Z世代は誰かのためでなく自分のためにダイエットをしているようです。人の目を気にして人によく見られるため、ではなく、自分で自分のことをより好きになるためにダイエットをする、という自分軸の価値観はまさにZ世代の特徴を表しています。
まとめ
ダイエットについて、ポイントは以下の通りです。
Z世代男子の美意識を研究する身として、メンズ美容拡大のようにZ世代男子が女性に近いダイエット習慣を持つことは大変興味深い発見でした。美容に気を遣う意識があるなら体型にも気を遣うでしょ!というのは当たり前といえば当たり前なのですが、それが思春期で学校生活や部活もある10代で強い傾向が出ているからです。思い返してみてください。男性ならご自身が高校生だったころにダイエットを意識した食事をしていましたか?女性なら、周りにそんな男性はいましたか?私が思い返す限り、少なくとも3割なんて多くの割合ではなく、居ても2、3人といったところでした。大きな変化を感じますね。線が細い中性的な男性が一つの理想像となっていたり、ファッションでも細身のスキニーを着こなせるほうがオシャレとして捉えられるようにといったことが、要因として考えられます。
しかし彼らの根底にあるのは、誰かと比べて痩せたい、憧れのアイドルに近づきたい、という気持ちではなく、「自分に自信を持ちたい」という自分に向いたモチベーションです。ダイエットに関わる訴求をする際には、ただ「痩せる」だけでなく、ダイエットによってどんな自分になれるのかをイメージさせることの重要性を念頭においておきましょう。