結婚=安定? Z世代でも意見が割れる今どきの「結婚観」
仕事にやりがいを感じる人や趣味の充実を最重視する人など、人生の楽しみ方や価値観が多様化する中、結婚についても自由な意見が増えてきています。前回の恋愛観のリサーチにおいても、趣味などの優先度が高く、恋愛は3番目でした。このような時流の中で、Z世代はどのような結婚観を持っているのでしょうか。前回の恋愛観に続き、今回は結婚観について調査していきます!
Z世代は結婚に前向き! 20代前半は8割弱が「結婚願望あり」
はじめに、結婚願望の有無を見ていきます。
男女全体で見ると、73.4%が「いずれ結婚したい」と考えており、大半の人が結婚願望を抱いているようですね。
次に、男性に絞って見ていくと、「いずれ結婚したい」という回答がもっとも多いのは20~24歳、次いで15~19歳と、25歳以上よりもZ世代の方が結婚願望が強いという結果となりました。特に20-24歳はそれが顕著で、「一生結婚しないつもり」の値も唯一10%を下回り、最低の9.8%となっています。
コロナ禍でおうち時間が増えたことにより、孤独感を感じる人が増えて婚活市場も盛り上がっている、と言われています。そこで、家で過ごす時間が増えたことは結婚願望の強さに影響したのかどうか、を聞いてみました。
「強くなった」と答えた人は全体で約29%と思ったほど高くはなく、半数以上の人が「変わらない」と回答しているものの、男性に限って見てみると、ここでも20-24歳のみが全体の値よりも高い33.3%が「強くなった」と回答し、特出する結果となりました。
ここまでの結果を踏まえると、結婚に対する意識や結婚願望は、Z世代、特に20-24歳が高いと言えます。
「結婚したい理由」はZ世代でも割れる?
結婚願望についてはZ世代の方が高いことがわかったところで、なぜ結婚をしたいと思うのかを深掘りしていきます。自発的にそう思っているのでしょうか。それとも外圧により結婚を意識させられているのでしょうか。
全体では上から「精神的安定」「経済的安定」「子どもが欲しい」と続き、自分主軸の理由が多い結果となりました。世間体や親といった外圧により受動的に結婚を意識するのではなく、自分のために結婚したいと能動的に意識しているようです。
男性は、若いほど自分のためという意識が強くなっており、20-24歳で極端に「子どもが欲しい」と「社会的体裁」が少ないのは興味深いですね。昔の日本であれば「経済的安定」はどちらかというと女性が結婚に望むことでしたが、ここに関して、男性を含めた全体の数値と大きな乖離が生まれていないのは、共働きが当たり前になってきた現代社会の特徴かもしれません。
自分のための結婚を望む人が多い一方で、25歳以上になると「社会的体裁」が全体よりもかなり多くなっています。30-34歳では「親を安心させたい」も高い割合です。やはり年齢が上がるごとに外圧を感じることが多くなるようです。
結婚をしたい年齢について、全体では約6割が「20代」を望む結果となりました。男性で年代別に見ていくと、その時の年齢+5歳くらいを想定する傾向にあります。今すぐというよりも、少し先の未来を見据えているようです。
これまでとは反対に、結婚願望がない方々に、結婚したくない理由について聞いてみました。すると、結婚後の生活に不安を抱えているというよりも、自分自身の生活を大切にしたいという傾向が見えてきます。自分の時間が充実していて結婚の必要性を感じていなかったり、そもそも結婚に憧れを感じていなかったりと、こちらに関しても外圧というよりは自分の意志で結婚は不要と考えているようです。
男性の回答を年齢別に見ると、全年代で「趣味や娯楽を楽しみたいから」が全体よりも多く、25歳以上では特に「自由や気楽さを失いたくないから」という回答が多くなっています。女性よりも男性の方がより自分の時間を優先したいと考える人が多いと言えます。
最後に、結婚の決め手となることを聞いてみました。全体では、「外見」も少なくありませんが、「性格」や、「価値観」、「金銭感覚」といった内面的な部分が多くなっています。結婚を夢見るというよりは、現実的に、地に足のついたものとして捉えている人が多いようです。
男性に限っては、性格と外見の割合については全体と大差ない結果ですが、10代男性では「外見」が73.5%、「趣味」が47.1%と高い結果となっています。価値観と金銭感覚については年齢が上がるほど高い割合となっており、年を重ねるとともに、より現実的に考えるようになるのだなという印象です。
恋愛観と結婚観を連続で見てきましたが、改めて「趣味」は日々の生活だけなく各人の人生観に大きな影響を与えるようになっています。結婚観については、結婚をしたい理由もしたくない理由も自分基軸での考えで、外圧によるものは少ないというのが興味深いところです。親や親族からのプレッシャーも、いまや昔の話なのでしょうか…ミレニアル世代の自分自身はかなり感じていますが(笑)。様々な生き方を尊重する社会に変化しつつある中で、人々の考え方も変わってきているな、と実感した調査でした。