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軽いうつの症状におすすめの漢方薬を紹介

「なんだか、一日中気分が落ち込んでしまう」
「何をしても楽しめない」

他にも眠れない、食欲がない、疲れやすいなど、毎日のストレスが溜まり体がだるくなることはありませんか?

人によって、やる気が起きず不安や悲しみを感じ流ことも。

もしかしたら自分の体が、うつ病のサインを出している可能性があります。

この記事では、精神面における「こころの病気」の種類や、こころの病気のひとつである「うつ病」、治療法や対策について説明します。

また、気分の落ち込みや軽いうつに効果的な「香蘇散(こうそさん)」「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」について解説。

こころの病気について理解を深めていきましょう。


うつ病はこころの風邪

うつ病の悪化を防ぐためにも、症状を感じたら早めの対処が大切。

うつ病は「こころの風邪」とも呼ばれます。
風邪のように誰でもかかる可能性がありるからです。

うつ病を含む、精神的な疾患を「こころの病気」とも呼びます。
また、メンタルヘルスという言葉を聞いたことはありませんか?

厚生労働省では、以上のようにメンタルヘルスを定義。

こころの病気は、メンタルヘルスが弱っている時に起こります。

うつ病などのこころの病気とは?

実は、こころの病気に明確な定義は存在しません。

心理的ストレスやその他の原因により、脳の働きが変化し心理的な感情や身体的な行動に偏りが見られる状態のことであったり、一部の精神疾患を現す意味で使われたりすることが多いです。

こころの病気といっても、種類も症状も様々です。

こころの病気の種類

以下に、主な種類と特徴を紹介します。

こころの病気は他にも、

  • 認知症

  • パーソナリティー障害

  • 発達障害

  • パニック障害・不安障害

  • PTSD など

様々な種類があり、同じ病名であっても人によって症状は異なります。

こころの病気かなと思ったら

こころの病気は、本人が気づきやすいものから、周囲の人が気づきやすいものまであります。

治療法に関しても、薬が効果的な場合やカウンセリング、心理療法が効果的な場合など様々です。

気になる症状が続くときや生活に支障が出るなど、つらい状態が長引く場合は、早めの受診をおすすめします。

こころの病気で病院に通院や入院をしている人たちは、平成29年の統計では国内で約420万人。
日本人のおよそ30人に1人の割合です。[1]

また、生涯を通じて5人に1人がこころの病気にかかるともいわれています。
こころの病気は特別な人がかかるものではなく、誰でもかかる可能性のある病気なのです。

まずは正しくこころの病気を知ることから始めましょう。

こころの病気であるうつ病のサインについて、こちらの記事で詳しく解説しています。

>>うつ病のサインを見逃さないためのポイントを解説

こころの病気やうつ病とどう向き合う?治療法を解説

正しい診断と治療を適切に行うことで多くの場合は、症状をコントロールしながら安定した生活を送ることができます。

治療方法として、

  • 薬物治療

  • 精神療法・カウンセリング

  • 生活指導

これらを併用しながら生活習慣の改善指導なども行うことになります。

こころの病気についての治療法について、薬物療法に関しては西洋医学の視点から解説します。

①薬物療法

有効性の高い向精神薬がいくつかあります。

向精神薬とは、薬が脳内の神経伝達物質に働きかけ、偏りが起きている脳の働きを調整します。

症状にあわせて分類され、うつ病の治療に使用されるもは抗うつ薬です。
他にも抗不安薬や気分安定薬などが使われます。

よく使用されている種類の抗うつ薬は、以下のものです。

②精神療法

精神療法とは、医師やカウンセラーとの対話を通じて、考え方や物事の捉え方の偏りを修正していくことで心理的な問題を解消する治療法です。

本人が直面している問題の原因に自身が気づき、対処法を自分で考え、それを実行できるよう手助けします。

精神療法を通じて得られる感情的気づきなどによって、態度や行動に変化が生じ、以前より充実した満足のいく生活を送れるようになるのがポイントです。

③生活指導

生活指導は、ストレスの少ない生活習慣を身につけるための指導が行われます。

軽症のときは、生活の見直しだけでも症状が改善する場合もあります。

また、休養が大切。
うつ病に対しては、まずは心と体を休めましょう。

ストレスや症状のために心身ともに消耗している場合は、治療とあわせて休養も重要です。
心身ともに休めるためには、ストレスの原因から距離を置き、しっかりと休養しましょう。

休養により低下していた体力や意欲、判断力などが徐々に回復してきます。

早期の治療開始が重要

うつ病は、適切な治療を早期に開始するほど改善しやすいと言われています。

その後の経過も良い場合が多いとされているため、異変を感じたら早めに医療機関を受診することが大切。

また、適切な薬物治療のためには専門医の受診が不可欠です。

受診の前にセルフチェックをしてみるのも良いでしょう。

漢方薬でうつ病にアプローチ

  • 一時的な気分の落ち込み

  • なんとなく気分が塞ぐ

  • 憂鬱になっている など

軽い症状の場合、休息に加えてセルフケアとして漢方薬を取り入れてみるのもおすすめです。

日々の自分の健康状態を見直す良いきっかけになるかもしれません。

ここでは、おすすめの漢方薬2つを紹介します。

胃腸が弱く、神経質な方のうつ症状に使える「香蘇散」

香蘇散(こうそさん)は胃腸虚弱者の風邪の初期によく使用されます。

軽度のうつやイライラにも効果的です。
神経質な人に向く薬とされ、女性ホルモンの変動に伴って現れる体と心の症状にも利用可能。

香蘇散は芳香性の生薬で構成されており、香りの力で気分がスッキリするのと似たような効果が期待できます。

マウス動物実験レベルですが、香蘇散の作用機序が解明されてきています。

神経症の傾向がある人におすすめ「半夏厚朴湯」

半夏厚朴湯は、緊張する場面で咳払いをよくする人や神経症的な傾向がある人、器質性異常のない喉の異物感を訴える場合に使える漢方薬です。

西洋薬にはないユニークな薬効です。
ランダム化比較試験でも証明されている効果です。

また、円形脱毛症に応用されるケースもあるようですが、こちらに対するエビデンスはありません。

構成生薬に半夏、生姜、茯苓を含み、妊娠時のつわりにも使用されることもあります。

臨床報告研究において、「半夏厚朴湯は、咽喉頭異常感およびその背景にある精神的要因の双方に対応可能」と示唆されています。[2]

こころの病気や軽度のうつが気になる人には漢方薬がおすすめ

この記事では、こころの病気の種類と対策について解説しました。

3つの大事なポイントがあります。

  • 誰でもかかる可能性のある身近な病気である

  • 早期発見、早期治療が大事

  • 休養をとることが重要

受診するまでもないな、と思う軽度なうちは、まずはセルフケアとして漢方薬を取り入れるのもひとつ。

気づかないうちに進んでしまう前に対策をしましょう。
まずは自分の状態を知るきっかけが必要です。

【参考】

[1]厚生労働省メンタルヘルス総合サイト

[2]半夏厚朴湯の臨床研究報告


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