No.08【日本の3DCGの需要について】

どうも！CGデザイナーの松林です。

前回はモデリングのポートフォリオについて
3回に渡って書きました。

『日本で働きたい方』という極端な書き方に
なりましたが
これは色々な意見があると思います。

そしてポートフォリオの内容も
「アニメキャラ」に限定しました。

ポートフォリオに関して同じテーマで
まとめている方が他にもたくさんいるので
自分に合うものを探しましょう。

さて今回は『日本の3DCGの需要』について
書いていこうと思います。
「アニメキャラ」に特化した方がいいというのは以下のCG業界の現状があるためです。

◾️日本の3DCGの需要について

みなさんは映像に関して普段どんなものを見ていますか？

“ゲーム”
“アニメ”
“映画”
“Youtube”

主にはこんなところかと思いますが
ここ10年くらいで爆発的に増えたと感じるものがありませんか？

そう、『アニメ調に見える3DCGです』

上記に挙げたもの全てでアニメ調の3DCGが
展開されています。

我々はこのアニメ調に見えるCGを

“セルルック”

と呼んでいます。

ちなみにこのセルルックという単語は造語です。
いつの間にかスタンダードな言葉になっていました。

ひと昔前はトゥーンシェーダーと呼んでいましたね。

一番有名で分かり易いのは

“プリキュアのエンディング”でしょう。

さて、この“セルルック”で制作しているCG会社
もしくは“セルルック”も扱っているCG会社について

個人的な体感ですが

日本のCG会社の7割〜8割

はセルルックでの制作を行っています。

僕自身もかれこれ5〜6年くらいセルルックオンリーで仕事をしています。

では、なぜここまでセルルックCGが増えたのでしょうか？

一つの大きな要因は

『CG制作における大幅なコストダウン』

だと考えています。

このセルルックに対して、FFのようなリアル寄りのものを

“フォトリアル”

と呼んでいます。

このセルルックとフォトリアルでは主に
開発コストに差があります。

例えば数年前に映画化された
「GANZ:O」の場合

1枚レンダリングするのに『1時間』くらいかかるでしょう。

24枚、もしくは30枚で「1秒分」なので
1秒分をレンダリングするための時間は
最低でも丸一日かかります。

尺が96分なので仮に1台でレンダリングしたら240日かかります。
1月にレンダリングを開始したら夏頃には終わる計算ですね（笑）

当然1台で全てレンダリングする事はないので
少なくともレンダリングを回すだけのPCは100台くらい必要になります。

これに対し、セルルックではクオリティに差はあれど

1枚のレンダリングに20秒から多くても5分くらいが相場です。

レンダリングPCも20台あれば充分でしょう。

また作業用のPCもフォトリアルに比べれば安く済みます。
（とはいえ50万くらいはかかりますが）

また、フォトリアルで制作するにあたりどうしても欠かせないのが

高いスキルを持った人材の確保です。

PCと人材どちらも高性能

GANZ:Oのようなハイクオリティの映像を作成する場合

1人辺りの1ヶ月の人件費は余裕で100万を超えます。

これは機材のコストが大きく乗っています。

それに対しセルルックの相場は

1人辺り1ヶ月の人件費は

60万〜80万

が主流です。

機材コストがフォトリアルに比べ比較的安く揃えられるため人件費も抑えられます。

あとぶっちゃけ、フォトリアルを制作するほどのスキルが無い人でもセルルックなら出来ちゃいます。

これがCGアニメのクオリティが今一つ足りていない要因の一つだったりしますが・・・

ただ、機材のコスト面でセルルックを選択するという企業が多い事は間違いないと思います。

つまりCG会社の7割〜8割がセルルックを制作している理由は

“コストを抑えつつ、年間でこなす仕事の量を増やしたいから”

だと僕は断言します。

根本的な理由がこれだとすれば今後もセルルックは廃れる事無くますます拡大するでしょう。

また最近ではNetflixが日本のアニメを独占配信するために複数の会社と包括契約を結んでいますが、その中に3DCG会社が含まれており
いずれもセルルックです。
（攻殻機動隊は違うかなー・・・）

https://movie.walkerplus.com/news/article/209789/image1285054/

以上の事から日本の3DCGの需要はセルルックがとても多いという事が分かって頂けたでしょうか？

そしてNetflixのように日本のアニメを配信したい海外の動画配信サービスはますます増えてくる事でしょう。

つまり人手がもっと必要になってきます。

絵は描けないけどアニメが作りたい！
という方は僕の前回まとめた

【受かるポートフォリオ】

に沿って作品を作る事をお勧めしますよ！

今回はここまで！

次回は
【CG会社の年収について】
書ける範囲で書いていこうと思います！

みなさん気になるところだと思います。
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ここまでご覧頂きありがとうございました！
次回もお楽しみに！