誇れるものは歯だけである。ドーン
これまで虫歯になったことがない。
もちろん治療歴もない。
小学校5、6年のとき
よい歯のコンクールに
学校で勝手にエントリーされて
優秀賞と最優秀賞を2年連続で獲った。
あれほどなんとも言えない
手応えのない受賞は、
恐らくこれまでもこれからもそれだけだろう。
大人になるにつれて、
歯が健康なことは誇れるものなのだと
じわじわと実感が湧いて
半年に一回クリーニングへ通っているし、
数年前からフロスもしてるし、
ホワイトニングでトーンアップもさせた。
金も時間もかけて、大事にしている。
ある日、クリーニングに通っている
優しい歯科医に
「親知らずがありますね、(歯が)鮨詰めだね」
と言われた。
そのやり取りが5度目になる頃、
ついに抜歯を決意した。
私の場合、親知らずがほぼ埋まっているので
外科的な手術が必要だとのこと。
どんなことをするのか聞くと
「あー、今は聞かない方がいいです。
でもあなたの場合、一瞬ですよ」と。
なるほどね。
紹介状を書いてもらって、
いざ口腔外科へ。
「なにしに来たの?」
開口一番、こちらも優しそうな歯科医に
含み笑いでそう言われて
経緯を説明する。
「まー、親知らずは悪さすることが多いから
一般的には抜きましょうねって推奨されてるけど。」
やっと決意して、ここまで来たのに
抜いても抜かなくてもどっちでもいいだなんて
勘弁してくれよ。
確かに私の親知らずはなんの悪さもしていない。
でも、いつ豹変するかわからない“歯ぐるまんすたいる“を埋めていると
勝手にイメージして自分を追い込んだ。
手術当日は、水も食事を摂らず
お昼頃、現場に到着。
看護師数名、麻酔科の先生までいて、かなり仰々しい。
麻酔は静脈内麻酔と局所麻酔だから
うとうとするはずだったけど
手術中は先生たちのどうでもいい会話をずっと聞いていた。
ミシミシ!
キーーーーン!
聞き慣れない怖い音はしてたし、
ハートレートモニターは
ずっとピコンピコンしていたけど
全く痛くなくて、いつ切った?いつ抜いた?って感じだった。
そうそう、抜歯のときは
おすすめされたCGF(Concentrated Growth Factors)っていう
傷が早く治る再生医療をやってもらった。
自分の血液を採取して、
傷を治す成分(“血小板”と“フィブリン”)を
分離、濃縮してゲル状にしたものを
抜歯した穴に入れるというもの。
傷が早く治るだけでなく、
痛みや腫れを抑えて、止血作用もあるらしい。
まー、痛みのピークは手術当日の夜中だった。
寝ながら、なんてことしたんだ〜って泣いた。
(痛み止めの薬、飲めばいいのに)
朝起きたら、口元も枕も血だらけだったけど、
翌日には痛みは引いて、あっという間に完治して、
いつも通りモグモグできた。
無情にも抜かれた歯たちは
まだ手元に残っていて、
どうしたらいいのかわからない産物となっている。
(誰かを呪いたくなった時、呪物として使おうかな。)
歯の健康については、もうやることが尽きてきたので
これが最終形態かな。
これからはたくさん笑って、
たくさん見せびらかしていきたい所存です。
親知らずを抜こうとしている人たちへ
現状、悪さをしてないなら本当に抜く必要あるのか、
もう一度、考えてもみてもよいかもしれない。
知り合いの整形外科の先生は
「必要だからあると思うんだよね」と言っていた。
確かに、噛み合わせ一つで身体が変わるので
必ずしも抜けば良いというわけではなさそう。
私の場合、親知らずは悪さしていないけど
顎に対して、歯が鮨詰め状態だから、
時間をかけて親知らずが他の歯を押して、
だんだん歯並びが悪くなる可能性がある。。
と脅されたのが決意のきっかけだった。
健康や美容において、口腔衛生はかなりトレンド。
年齢問わず、誰にでも関係する身近な話題なので、
まずはクリーニングに行って、
歯科医、歯科衛生士にあれやこれやと話してみるのがいい。
そして、自分に合ったより良い方法を
ぜひ見つけて欲しいと思う。