TOKYO笹塚ボーイズ「朝の気配」稽古場日誌①
TOKYO笹塚ボーイズ「朝の気配」稽古場日誌
「みんなとの景色の作り方」
オーディション
12月頭に舞台が終わった。いつもなら振り返りながら後日譚を書くのだが、その翌日からインフルエンザ。
月の半分が横たわって終わった。熱がなかなか下がらなかったのが苦しかったが、下がったらこっちのもん。直ぐに通常運転に戻る。が、そこからがすごく長く感じた12月。クリスマスも年の瀬も好きではない私。そこも重なってか。長かった。イベント的にはそれほどではなかったにも関わらず、バタバタとした、それでいて間延びしていたように感じる1年の終わり、
そんな中受けたオーディションの1つが、TOKYO笹塚ボーイズ「朝の気配」だった。
体調的には万全ではなかったが、見つけた瞬間、迷いもなく躊躇いもなく送った。
それは1度、笹塚ボーイズ主催川上一輝さんのオーディションを受けていたからもあった。
あの時感じたオーディションの風景が忘れられなかった。
皆が自由に、大胆に繊細に、やりたいようにテキストを演じていた。そして何より、参加者の皆が、楽しそうだった。
オーディションでやりきれたら、私的にはご縁がなくてもいいやってなる。出し切ってるから、ご縁がなくてもしっかり割り切れる。
そりゃご縁があったら嬉しいけど、自分を伝えるコトが重要で、限られた時間の中で自分を伝えるのはなかなか大変だ。だからこそ、それが出来たオーディションは満足まではいかないけど、しっかり「次」に進められる。
その時は時間の巡り合わせも含めて、色々ご縁が重ならなかった。だからもし「次」があったならその時は、と密かに思っていた。
今回も前回同様、オーディションを受けさせて頂ける機会をもらった。
前回同様若い人が多かったが、流石にもう慣れたw
イロイロ被る人がいないのはオーディションでは助かる。
数パターン演じさせて頂けたのも有難かった。
そして結果、二次審査を通過して三次審査。
三次審査は公演台本を使ってのオーディション。
集まった人はそれぞれ個性のある素敵な役者さん達。そして、二次審査よりもレベルの高い演技が続く。熱も凄い。
ここ数回のオーディションでは、やはり熱が足りなかったように思った。
言い換えれば覚悟、想い。
今回からそれもしっかり伝えようと思っていた。自分を伝えるのは演技だけじゃない。自分を伝えるには中身もしっかり伝えなきゃ。その意味での中身をしっかり作る。そして、それをしっかりさらけ出す。
周りの若い人ががっついてる。
俺も負けじとがっつく。さらけ出す、熱を持ち。
この人たちの中で誰が受かるか分からないが、誰が受かってもおかしくはないほど、みんなが真剣に集中力切らさずに演じている。
そんなみんなに当てられて、そこに作品の良さも重なり、私もこの作品に出たい、みんなと作品作りしたいと真剣に演じていた。
自分を伝えようとは思っていたが、正直どうしてたのかあまり覚えてない。それだけ集中していた。
疲れた。
三次審査終わっての一言。
しっかり吐き出せた、さらけ出せた。やれるコトはやり切った。
だから、だから。
ご縁がなかったら悔しいだろうなぁ、と帰り道。
それからしばらくして採用の通知を頂いた。
思いがほとばしる。
身体が震える。
そして脱力。
何より嬉しかったのは、「一緒に作品を作りたく」の言葉だった。
公演に出たいではない。作品を一緒に作りたい。
作品の力になりたい。
作品の一部になりたい。
最高なのは、この作品になくてはならない人になりたい、だけどw
みんなで作り上げたい作品に出会えたのは、嬉しかった。
そこに出演出来る機会を頂けた。
TOKYO笹塚ボーイズ主催川上一輝さん始めスタッフの皆様、ありがとうございます。
作品作りに参加出来る感謝を。
梅﨑信一
2020年2月TOKYO笹塚ボーイズ
「朝の気配」
出演致します。
何卒宜しく御願い致します。
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