見出し画像

アマゾンプライムお薦めビデオ④ 166:圧倒的サイエンスSARU力!アニメ『ダンダダン』

すっかり『推しの子』第2期ロスになってしまい、来週から何を楽しみにしようと思っていたのだが、また、凄い人たちが凄いアニメを作ってくれた。サイエンスSARU制作による、アニメ「ダンダダン」である。

「サイエンスSARU」と言えば、湯浅政明監督による湯浅政明監督のための制作会社というイメージが強いが、それでも氏が2020年に代表の座を退いてからも、京都アニメ―ションから山田尚子監督を招き、『平家物語』『きみの色』などの傑作を作り続けている。しかし、湯浅監督の今のところの最後の作品である『犬王』もそうだが、ちょっとアート色が強くなっていた感は否めないであろう。そう、我々が見たいのは『四畳半神話大系』や『夜は短し歩けよ乙女』的な作品、あるいは空想モード、妄想モードに入る前の(入った後ももちろん素晴らしいが)『映像件には手を出すな』的な世界、つまりはよりエンターテイメント色が強い作品なのである。そして今、我々はそれをここに手にしている。

不勉強ながらこの作品、『SPY×FAMILY』『怪獣8号』と同じく『少年ジャンプ+』に連載されている作品とのことである。『推しの子』もメインは『週刊ヤングジャンプ』であるが『少年ジャンプ+』にも掲載されており、時代はジャンプからジャンプ+へ、と言っていいであろう。つまりは紙からWebへ、というわけである。そして当然Web作品はモニター越しに見るという意味でアニメと相性がいい。

しかし、オリジナルの漫画の方は見ていないので何とも言えないが、この作品、まさにサイエンスSARUワールド全開である。しかも我々が見たかったサイエンスSARUワールド色である。監督は、山代風我という方で、サイエンスSARUで湯浅監督の助手と言うか右腕だった方である。まさに「弟子」と言っていいだろう。落語の世界では弟子は師匠の話を裏で仕事(というか雑用)をしながら耳で聞いて覚えるというが、まさにそんな感じであろう。31歳とまだ若いが、若いからこそ最初は師匠と同じスタイルで構わない。無理して自分を出す必要はない。なぜなら個性と言うのはいくら隠そうとしても自然と出てくるものなのだから。その意味で、山代監督の個性がでてくるのはこれからであろう。もしかしたら、このシーズン中にもそれが見られるかもしれない(と言うかもうすでに出ていて、私がそれに気づいていないだけかもしれない)。湯浅監督色を引き継ぎながらも新しいサイエンスSARU、その誕生の瞬間を我々は目にすることができるかもしれない。まだ1話しか見ていないが、とにかく期待しかない作品である。

いいなと思ったら応援しよう!